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第十一話:うま味の衝撃

 ごう、と耳のすぐそばで風が唸る。

 眼下では、先ほどまであれほど猛威を振るっていたワイバーンが、巨大な凧に絡め取られたまま、ぐったりと岩棚の上で伸びていた。あの様子なら、しばらくは目を覚まさないだろう。


 私たちの勝利。それも、私の立てた作戦による、完全なる勝利だった。


 しかし、勝利の余韻に浸っている暇など、私たちには一秒たりとも与えられていなかった。なにせ、本日の主目的は、あの忌々しい海竜の討伐ではないのだから。


「マリア! 大丈夫!?」


 私が崖の上から叫ぶと、ロープを伝って軽やかに崖の中腹へと降り立ったマリアが、下からひらひらと手を振って応えた。その足元は、荒波が砕け散る飛沫で常に濡れており、普通なら立っていることすらままならないはずだ。しかし、彼女はまるで教会の床を歩くかのように、平然とそこに立っていた。


「問題ございません、お嬢様。ロープの固定、感謝いたします」


「いいのよ! それより、グルンブの状態はどう!?」


「はい。非常に良好です。見てください、この厚みと光沢を」


 マリアはそう言うと、腰のナイフで目の前の崖に張り付いた巨大な海藻の一部を、ざくり、と切り取って見せた。深い緑色をしたそれは、巨大な昆布のようであり、それ以上に分厚く、ぬるりとした粘液で覆われている。切り口からは、磯の香りと、どこか青草のような瑞々しい匂いが立ち上ってくるのが、ここまで伝わってくるようだった。


「素晴らしいわ! その粘液こそが、うま味成分を凝縮している証拠よ! きっと、乾燥から身を守るための多糖類と、細胞内に蓄えられたグルタミン酸が結合した、天然のうま味ゲルに違いないわ!」


 私は、研究者としての興奮を抑えきれずに叫んだ。早く、早くあの緑色の宝物をこの手にしたい。そして、その内に秘められた、未知のうま味のポテンシャルを、私の舌で確かめたい!


「できるだけたくさんお願い! 根こそぎ、とは言わないけれど、向こう三ヶ月は研究に没頭できるくらいの量を!」


「かしこまりました。ですが、あまり欲をかくと、この崖の主の次の食事にされてしまいますので、ほどほどに」


 マリアは冷静なツッコミを入れながらも、その手は休まることなく動き続けていた。ざっ、ざっ、と小気味よい音を立てて、次々とグルンブが切り取られていく。その手際の良さは、もはや熟練の漁師のそれだ。切り取られたグルンブは、防水加工の施された大きな麻袋に、手際よく詰められていく。


「それにしても、見事な群生ね。この厳しい環境だからこそ、外敵から身を守るために、うま味成分を溜め込むように進化したのかしら。だとしたら、この崖の地形、水温、塩分濃度、日照時間……全てが奇跡的な釣り合いで組み合わさって生まれた、自然の芸術品と言えるわね!」


 私は、眼下に広がるうま味の絨毯を眺めながら、うっとりと独り言を呟いた。

 しばらくして、マリアが麻袋を三つ、パンパンにした状態でロープにくくりつけた。


「お嬢様。これくらいで、よろしいでしょうか」


「ええ、十分よ! ありがとう、マリア! 今、引き上げるわ!」


 私は、近くの岩に固定したロープを、渾身の力でたぐり寄せ始めた。ずしりと重い。私の非力な腕では、一つの袋を引き上げるだけでも息が切れそうだ。


「ふんっ……ぬぅ……!」


 私が、ドレス姿にはあるまじき唸り声を上げながら必死にロープを引いていると、ふっと、その重みが軽くなった。

 見ると、マリアがいつの間にか崖を登りきって私の隣に戻ってきており、こともなげにロープの片端を引いていた。彼女が引くと、あれほど重かった麻袋が、まるで空の買い物かごのように、すいすいと上がってくる。


「……ありがとう、マリア」


「いえ。お嬢様こそ、お疲れ様でございました」


 私たちは、引き上げた三つの麻袋を前に、しばし息を整えた。袋の口からは、採れたてのグルンブが顔を覗かせ、太陽の光を受けて、ぬめりとした深い緑色に輝いている。

 ああ、なんて美しい光景なのかしら。

 宝石や金銀財宝など、このグルンブの山に比べれば、ただの石ころに等しい。これこそが、私にとっての、至上の宝物なのだ。


「ふふ、ふふふ……! やったわ、マリア! これで、第二のうま味成分、グルタミン酸の確保に成功よ!」


 私は、思わずグルンブの詰まった袋に抱きついた。ひんやりとして、ぬるりとした感触が頬に心地よい。

 しかし、その時だった。

 私の脳裏に、ある抑えがたい衝動が、まるで天啓のようにひらめいたのだ。


 イノシン酸。

 グルタミン酸。


 今、この場所には、二つのうま味の素が揃っている。

 ボアビーストの骨から抽出した、あの濃厚なイノシン酸スープ。その一部は、保存性を高めるために煮詰めて乾燥させ、粉末状にしたものを、私は常に携帯していた。

 そして、目の前には、採れたて新鮮な、グルタミン酸の塊。

 この二つが、もし、今、この場で出会ったら……?


 うま味の相乗効果。


 理論上は知っている。前世で、何度もその恩恵にあずかってきた。

 しかし、この世界で、自らの手で採取し、精製した素材を使って、その奇跡の現象を体験したことは、まだない。


 ごくり、と。私の喉が大きく鳴った。

 駄目だ。もう、我慢できない。

 館に帰るまでなんて、待っていられるはずがない。

 科学者とは、知的好奇心の前では、赤子同然の無力な存在なのだ。


「……マリア」


 私は、ゆっくりと顔を上げ、隣に立つメイドに真剣な眼差しを向けた。


「なに、お嬢様」


「ここで、やるわ」


「……はい? 何を、でございますか」


 マリアが、心底不思議そうな顔で、小首をかしげる。

 私は、にやり、と。

 おそらく、およそ公爵令嬢らしからぬ、悪魔的な笑みを浮かべて宣言した。


「決まってるじゃない。簡易抽出実験よ! この採れたてのグルンブと、持参したイノシン酸パウダーを使って、今すぐ、この場で、『うま味の相乗効果』が、本当にこの世界で起きるのかどうかを、検証するの!」


 私の、あまりにも突飛な提案に、さすがのマリアも数秒間、完全に動きを止めた。

 ごう、と、崖の下から吹き上げてくる風の音だけが、私たちの間の沈黙を埋めている。

 やがて、彼女はゆっくりと口を開いた。


「……正気で、いらっしゃいますか」


 その声はいつも通り平坦だったが、その奥に『この人、何を言っているんだろう』という、純度百パーセントの困惑が満ちているのが、手に取るように分かった。


「お嬢様。ここは高さ五十メートルの断崖絶壁の上でございます。足場は不安定で、風も強い。おまけに、すぐそこでは、いつ目を覚ますとも知れない、凶暴な魔物が寝ております。実験を行う環境としては、お世辞にも適しているとは申せませんが」


「分かってるわよ、そんなこと!」


 私は、マリアのあまりにも正論な指摘を勢いでねじ伏せた。


「でも、考えてもみて、マリア! 最高の素材は、最高の状態で味わってこそ、その真価が分かるというものよ! この採れたての、生命力に満ち溢れたグルンブの味を、一番最初に確かめることができるのは、今、この瞬間しかないの! これは、科学者としての私の義務なのよ!」


 私が、訳の分からない理論で熱弁を振るうのを、マリアは、じっと、その黒い瞳で見つめていた。

 その瞳は、まるで、言うことを聞かない子供を、根気良くなだめようとする母親のそれのようだった。

 しかし、私の決意は岩よりも固い。


「お願い、マリア! ほんの少しでいいの!味を確かめるだけだから! ね?」


 私が、うるうるとした瞳で、上目遣いに見つめると、マリアは、ふう、と。

 今日一番の、深いため息を空に向かって吐き出した。


「……かしこまりました」


 その声には、あらゆる抵抗を諦めきった、清々しいほどの諦観が満ちていた。


「ただし、条件がございます」


「な、何かしら?」


「第一に、火の扱いにはくれぐれもご注意ください。この風では何に燃え移るか分かりません。第二に、時間は十分以内で。それ以上は、ワイバーンが目を覚ます危険性が高まります。第三に、決して崖の縁には近づかないこと。よろしいですね?」


「も、もちろんよ! 約束するわ!」


 私は、ぶんぶんと、子犬のように首を縦に振った。

 やった! マリアの許可が下りた!


「では、準備を」


 マリアは、そう言うと、まるでこれからピクニックでも始めるかのように、背負っていた背嚢から、手際よくいくつかの道具を取り出し始めた。

 携帯用の小さな鍋。折り畳み式の小さな五徳。そして、着火用の火打石。

 本当に、何でも持っているのね、このスーパーメイドは。


「お嬢様は、グルンブの準備を」


「ええ、任せて!」


 私は、麻袋から一番瑞々しくて分厚いグルンブを一枚取り出した。

 それを水筒の水で丁寧に洗い流す。表面のぬめりを落としすぎないよう、優しく、優しく。

 そして、ナイフでそれを細かく刻んでいく。

 とん、とん、とん、と。

 断崖絶壁の上に、場違いなほど家庭的な音が響いた。

 刻まれたグルンブからは、さらに濃厚な海の香りが立ち上ってくる。


「よし、こんなものね」


 刻んだグルンブを、マリアが用意してくれた鍋に入れる。

 そこに、再び水筒から、ひたひたになるくらいの水を注いだ。

 マリアが風下に岩をいくつか積み上げて、即席の風防を作ってくれる。その中で、彼女は手際よく火打石を打ち鳴らし、枯れ草に火をつけた。

 小さな炎が、鍋の底を舐め始める。

 ぐつ、ぐつ、と。

 やがて、鍋の中の水が静かに煮立ち始めた。

 最初はただの透明な水だったものが、グルンブから溶け出した成分によって、徐々に淡い、淡い緑色に染まっていく。

 ふわり、と。

 先ほどまでの生臭さとは違う、どこか甘く、そして奥深い香りが湯気と共に立ち上ってきた。


 グルタミン酸だ。

 間違いない。これこそが、海のうま味の素。


「……いい香り……」


 私は、うっとりとその湯気を吸い込んだ。

 これだけでも十分に美味しいスープになるだろう。

 しかし、今日の目的はそこではない。

 ここからが、本番だ。


「マリア。例のものを」


「はい、こちらに」


 マリアが、私の合図で小さな革袋を差し出してきた。

 中に入っているのは、先日、あの豚骨地獄の中で作り上げた、ボアビーストの骨のスープを煮詰めて乾燥させた純白の粉末。

 イノシン酸の結晶。

 我が科学の、第一の至宝。

 私はその革袋を受け取ると、指で粉末を一つまみ取り出した。

 そして、それを。

 ぐつぐつと煮立つ、淡い緑色の液体の中へと、静かに落とし入れた。


 ぱらぱら、と。

 白い粉が、緑色のスープの中に吸い込まれていく。

 そして、溶けて見えなくなった。


 その、瞬間だった。


 ふわりと立ち上っていた香りが、がらりと変わった。

 先ほどまでの、穏やかで優しい海の香りに、獣の、力強く、そして野性的な香りが、力強く結びついたのだ。

 それは、単なる足し算ではなかった。

 海と、陸。

 植物性と、動物性。

 本来、決して交わることのなかったはずの二つの世界が、この小さな鍋の中で出会い、互いの存在を何倍にも、何十倍にも高め合う、途方もない化学反応を起こしていた。

 香りの、爆発。

 抗いがたいほどに、私の食欲中枢を刺激してくる芳醇な香り。


「……こ、これは……」


 私は、ごくり、と唾を飲み込んだ。

 もはや、一秒たりとも待てない。

 私は、マリアからスプーンを受け取ると、鍋の中の、黄金色に輝き始めた液体をそっとすくい上げた。

 ふう、ふう、と、荒ぶる心を抑えながら息を吹きかけて冷ます。

 そして。


 意を決して、その黄金の雫を、私の舌の上へと運び入れた。


 ……。

 ………。

 …………。


 世界から音が消えた。

 ごうごうと吹き荒れていた風の音も、ざあざあと打ち寄せる波の音も、何も聞こえない。

 私の意識の全てが、舌の上に集中していた。


 最初に感じたのは、グルンブの優しく、そしてどこまでも深い海のうま味。

 ああ、美味しい。

 そう思った、次の瞬間だった。

 その優しい海の味の、はるか奥から。

 ボアビーストの力強く、そして圧倒的な陸のうま味が、まるで地鳴りのように湧き上がってきたのだ。


 二つのうま味が、私の舌の上で出会った。

 それは、優しい抱擁ではなかった。

 互いの存在を、喰らい合うかのような、激しい衝突。

 そして、その衝突が生み出したエネルギーは、私の味覚の許容量を遥かに超える、すさまじい爆発を引き起こした。


 う、ま、い。


 そんな、ありきたりな言葉では到底表現できない。

 これは、味ではない。

 情報だ。

 私の脳に、直接、快楽という名の情報が叩きつけられている。

 舌の上の、全ての味蕾が歓喜の声を上げて総立ちになっているのが分かる。

 脳内で、今まで使われたことのなかった神経回路が、バチバチと火花を散らしながら無理やり接続されるような感覚。

 今まで私が知っていた『美味しい』という概念の、その地図が、この一滴によって一瞬にして塗り替えられていく。


 これが……。

 これこそが……。

 『うま味の相乗効果』……!


 私の瞳から、ぽろり、と一筋の涙がこぼれ落ちた。

 ボアビーストのスープを飲んだ時の、あの感動とはまるで別次元だ。

 あれが、ただの『美味しい』だとしたら、これは、もはや『存在してはいけない味』だ。

 人の理性を根底から揺るがしかねない、背徳的なまでの快楽の塊。


「…………」


 私は、我を忘れていた。

 手にしていたスプーンが、かたり、と音を立てて岩の上に落ちる。

 そんなことにも気づかない。

 私は、ふらり、と立ち上がると、両手を大きく天に向かって広げた。

 そして。


 私の喉の奥から、もはや人間の声とは思えない声、いや、音が迸り出た。


「き、き、き、き、き、き、き、き……」


「……お嬢様?」


 心配そうなマリアの声が遠くに聞こえる。

 しかし、もう、私を止めることは誰にもできない。


「キタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


 私の、公爵令嬢としての品位も何もかもを、彼方の海へと放り出した魂の叫び。

 それは、ごうごうと吹く風の音にも負けず、崖全体に高らかに響き渡る。


 はあ、はあ、と。


 叫び疲れた私の肩が大きく上下する。


 興奮で全身が熱い。

 顔が、にやけて仕方がない。


 私は、満足感に満たされながら、隣に立つ忠実なるメイドの方をゆっくりと振り返った。


「どう、マリア! あなたも一口どうかしら! 人生が変わるわよ!」


 私が最高の笑顔でそう言うと、マリアは。


 その感情というものを映したことのなかったはずの美しい顔に。


 はっきりと『心底呆れている』と、書いてあった。


 そして、その口から放たれた言葉は、私の熱狂に冷や水を浴びせるには十分すぎるほど、冷ややかだった。


「……お言葉ですが、お嬢様。そろそろ十分が経過いたします。ワイバーンが、少し身じろぎを始めたようですが」


「……えっ」


 言われて、私は、そろり、と崖の下に目をやった。

 確かに、先ほどまでぐったりとしていたワイバーンの長い尾が、ぴくり、と動いたような気がした。


「……」


 私の額から、だらり、と冷たい汗が一筋、流れ落ちた。


「……か、帰りましょうか、マリア」


「はい。それが賢明かと」


 私たちは、そそくさと実験道具を片付けると、まるで何事もなかったかのように、その場を後にした。


 けれど。けれども私には、まだ、あの奇跡のスープの味が鮮明に残っている。


 イノシン酸、グルタミン酸。

 二つの神器は手に入れた。


 残るは、あと一つ。

 うま味の相乗効果を、さらなる高みへと導く、幻のきのこ。


 グアニ茸。

 そう、グアニル酸だ。


「待ってなさいよ、最後の素材……! この私が、必ずや、あなたをこの手に……!」


 私の言葉は、再び吹き始めた強い海風の中に、消えていったのだった。


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