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第5話:創世神教
ある日、神様が世界を二つに分けました。
神様や天使様たちが過ごす世界を天界と名づけ、罪人たちが贖罪する世界を下界と名づけました。
しかし、時が経つにつれ、罪人たちは自分たちの罪を忘れ、神様や天使様の存在すらも信じなくなります。
それではいけない。
神様は天使様を一人、下界へ降り立たせることにします。
翼を折り、下界に投げ捨て、天界にすら戻れなくなった天使様に試練を与えます。
天界や神様の存在を忘れないように、無秩序な下界を秩序ある場所にするために。
翼を失った天使様は身を削り、様々な奇跡を起こします。
試練のために。下界の人々のために。
そうして下界は生まれ変わります。
混沌としていた世界に光が差し、幸せが咲き誇ります。
こうして下界と呼ばれた、我々の世界ができたのです。