僕と彼女との夜の戦い
初めまして。
ふと思いついたことを書かせていただきました。
夏を感じられる作品だと思います。
うっすらと汗ばんだ体。火照った体を網戸から入る空気が心地よく撫でていく。
街頭の光が、風とともに生じるカーテンの隙間に入っていく。消灯しているがうっすらと明るい。部屋の中、光と闇の境界線が波のように揺れる。
町の喧騒はすでに鎮まっているため、車やトラックの行く音が聞こえてくる。
涼しい場所を求めて寝返りをする。
ありふれた真夏の光景。毎年くる毎年の感覚。
一向に寝付けずまた寝返りをする。
今日は特に暑い日だ。半袖、半ズボン先の露出した部分が汗ばんで、布団をじめっとさせる。寝付けず気持ちが悪い。
さらにもう一度、いっときのオアシスを求めて寝返りする。
クーラー入れるか……
またじめっとしてきた布団から立ち上がり、窓をしめていく。
普段は節約のためにクーラーをつけないが、流石に寝付けないため使用することを決意。
少し落ち着いた、それでいてよく通る機械音を確認したのち、布団へと戻る。
少しするとクーラーから冷たい空気が流れ出し始める。
そのとき、優しく彼女が腕を撫でていくのを感じた。
彼女は僕の腕、脚、頬を撫でて行ったのち、僕の腕に熱烈なキスをした。
長い長いキスなのか、彼女は少し赤くなっていった。
僕はそれを見て彼女をはたこうとしたがするりと逃げてしまう。
まぁいいか……
そう思い、寝返りを一つうつ。
すでに部屋には涼しい空気が行き渡り、汗ばんだ体には少々冷たかった。
そのうち汗も止まり、落ち着くだろう
彼はそのまま寝入ろうとする。
が、彼女の声が耳に入った。
うるさいなと思い、自分の耳周りを叩くがまた近寄っては悪戯をしていく彼女。
そしてまた熱烈なキスをしていく。
彼はついに堪忍の尾がきれ、部屋の明かりをつける。
プーンと耳元でモスキートーンをならす彼女。
彼は熱烈なキスを腕にしようとする彼女を見つめる。
うっすらと赤みがかり、少し肥えた身体。
ピシャリ!!!!!!!!!!!!!
彼は自分の腕にキスしていた彼女を平手打ちする。
掌には真っ赤な自分の血とその中心にある、潰れた彼女を認識する。
ああ、これで邪魔者はいなくなった。やっと寝れる。
部屋の明かりを消して、涼しい部屋の中。すやすやと眠るのであった。