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企画「魂を込めたその言葉、場面を教えてください」

作者: 東 吉乃


 皆さま、メリークリスマス。

 きっと今夜はあちこちのご家庭で温かな食卓と光の灯ったツリーが煌めいていたことでしょう。大好きな光景、思い浮かべるだけで頬が弛みます。


 そんな中突然ですが思うところありまして、感想を書きたいなと考えております。


 これを見た作者の方で、作品の感想をほしいと思ってくださる方がいらっしゃいましたら、本作の感想欄でもダイレクトメッセージでもツイッターでも、連絡手段は問いませんのでご連絡頂ければ幸いです。

 巧拙、長短は問いません。自薦他薦も問いません。もちろんジャンルも何でも良いです。執筆歴も気にしません。


 条件は一つだけ。感想が一つもついていない作品です。


 ただし長編ならば是非とも読んでほしいと願う五話から十話程度、文字数換算だと一万文字くらい。「一から三話までと最新話」のように飛び飛びでも、「最初から八話目まで」など繋がりでも構いません。

 読むのはかなり早い方なのですが、十万文字クラスばかりだとさすがに時間がかかりすぎてしまって数をこなせないので、この縛りをかけました。


 何をいきなり、と。

 我ながらそう思うのですが、考えたことをツイッターや活動報告で書こうとしたら長すぎてどうしようもなかったので、いっそエッセイにしてしまおうと纏めたものがこちらになります。

 感想というものに対する自分の考え方を記しました。

 興味がおありの方にお付き合い下さると嬉しいです。


*     *     *     *


 なぜこんな企画を立てたのかといいますと、「誰かの書いた魂込めた言葉を自分が読みたいから」に他なりません。


 小説を書いていると、少なくとも私自身にはインプットの時期とアウトプットの時期がそれぞれ到来します。書くよりも色々な分野から知識や経験を吸収して溜め込む期間と、それを自分の中で消化して自分なりの表現に落とし込む期間。

 ちなみに今は基本的にアウトプットの時期で、だから連載作品の更新速度が上がっているのですが、少し休憩兼ねてインプットしたいな、と思ったのが理由の全てです。

 魂を込める先は色々あります。

 それは誰かの台詞だったり、景色や情景、あるいは感情の揺れ動きなど。

 どうしてそれを書きたかったのか、そこに至るまでの背景は何なのか、そこには作者さんだけではなくて作者さんに関わった他の沢山の方の人生が見えるからこそ読みたいのです。


 この企画に至ったのは、自分が探すとどうしてもジャンルなどが偏ってしまうので、それを避けたいが為です。

 後は応援。

 息抜きがてらエッセイなど読むことがありますが、感想やポイントがつかなくて嘆いていらっしゃる作者さんが多数おられるように思います。そういう方の応援をしたいなという気持ちがあります。私はまったく無名の作者ですから影響力など皆無ですが、それでも初めて頂いた感想の嬉しかったことを思うと、この企画は意味のないことではないと思うのです。

 どうして応援したいのか。

 ここを突き詰めるとちょっと話が横道に逸れますが、ここまできたらこれについても書き記したいと思います。こういうことを書いてしまうからツイッターに上げられないわけでして、例によって大外から回り込みますがお付き合いください。


 最近ずっと考えていることがあって、それは「生きている人が一人一作でも渾身の作品を生み出したとしたら、人はもっと沢山の感動に出逢えるのに」ということです。


 才能あふれる巨匠たちは一人で幾つも名作を世に出しますが、それはそれ、比べることに意味はありません。

 歌、音楽、映画、アニメ、ゲーム、漫画、なんでもいい。およそ芸術、文化と類されるそれらの中に、心にずっと残る作品はないでしょうか。

 私にはあります。

 生涯忘れ得ぬであろうゲームストーリー、漫画、音楽も歌も小説も。死ぬまでずっと忘れたくない、共に在りたい、自分が死んでからもどうかその作品だけは後世に伝わっていってほしいと願う作品が。そしてそういうものに出逢えたこと、それらを抱き続けられるこの人生が実に豊かで楽しく、なんと甲斐のあるものかと噛み締めるのです。

 だから、沢山の作品が生み出されてほしい。

 心の底からそう願うのですが、実はこれは完全に他力本願でもあります。誰かに産み出してもらわなければどうしようもないからです。

 翻ってそこで自分に何ができるかという点に立ち返ると、他の作者さんを応援するという行為に結び付くわけです。反応がないからと筆を折られては敵いません。そこに未来の感動の種があるとなれば尚のこと。


 とはいえ返す返すも私は無名なので、この企画をやったところで誰一人手を挙げてくれないという切ない結果に終わるかもしれませんが。

 作者の方からコンタクトがなくとも、読者の方で「この作品が好きなのだけれども感想書くのはハードル高い」と感じている方がいらっしゃるのなら、それを紹介下さっても嬉しいです。


 ちなみにどうしてポイントではなくて感想なのかというと、単純に私自身がポイントより感想が嬉しい派だからです。

 ポイントが嬉しくないというわけではありません。

 ポイントそのものは当然嬉しくて尊いもの、そして感想はさらにその上をいく己の糧になるもの、という感覚です。伝わるでしょうか、この微妙なニュアンス。

 感想を頂くとどこが響いたのかが分かります。

 これは別のエッセイでも書いたことなのですが、自分の愛したものに同意してくれる誰かの存在というのは、大変な喜びと書き続けることへの熱をもたらしてくれます。


 そういうわけですので、今回の企画で批評をするつもりは全くございません。

 読んだ物語のどこが面白かったか、どんな言葉が響いたか、そういう肯定の感想を書く所存です。あ、もし厳しめに見てほしいというご希望がありましたらその旨ご連絡頂ければそのように対応致します。というか、どういう視点での感想がほしいかご要望があれば、仰せのままにというスタンスです。


 感想を書くことは私自身にもプラスになります。

 そもそも誰かの渾身の言葉に触れるという多大な幸せもさることながら、先に挙げたインプットとアウトプット、その練習にもなるからです。

 読み取った某かを自分の言葉で表現し直して返す。

 これを比較的短いスパンで数をこなせたとしたら、それは間違いなく貴重な経験となるでしょう。


 個人的な話で恐縮ですが、昨今の新型コロナの感染拡大状況からこの年末年始は帰省をせず家でゆっくり過ごすことに致しました。他にも同様の方が沢山いらっしゃると思います。この感想を書く企画では結果をツイッターでもご紹介していく予定ですので、そこから興味を惹かれた方は是非その作品を読んで下さい。


 どんな風に過ごしたとしても一日は等しく一日。


 出掛けられないからと陰鬱な気持ちを抱えたり、見えない脅威に必要以上に神経質をすり減らしたりするより、家にいながらにして物語の中という遥か彼方へ旅に出るのもまた一興かと。


 少しでもこの休みが充実したものになるよう微力ながら貢献できたらとも願いつつ、結びとさせて頂きます。


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― 新着の感想 ―
[一言] またしてもお邪魔します(懲りない) 返信ありがとうございます。 読書量はそこまで多くはない……のですが、ランキングから読んだり、感想はたまに書いているので、私の思い浮かぶ感想ゼロ作品となる…
[一言] 感想がゼロ、ですか……うーむ…… いいなと思ったら私が感想を書いてしまっていたりするのですよねぇ…… おすすめしたい&感想の多くない小説はいくらかあるのですが、意外とゼロなものは思い付かない…
[良い点] 感想があるかないかでモチベが全然違いますからね。こういう企画が活性化につながるのだと思います。がんばってください。
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