漫才演芸場~前座マン~
ゲラゲラコンテスト応募作品。脚本形式です。
普段の小説とは書き方が違っていますのでご注意下さい。
二人「ども~」
ボケ「ボケでーす」
ツッコミ「ツッコミでーす」
二人「二人合わせてボケツッコミでーす」
ツッコミ「今日は名前だけでも覚えて帰って下さいね~」
ボケ「ボクたちの後から出てくる人たちは覚えなくていいですから」
ツッコミ「こら、失礼な事言うな! 事務所の先輩たちもいっぱい出てくんだから」
ボケ「でもボク売れたいから事務所の先輩でも踏み台にしてのし上がってやる!」
ツッコミ「そういう話は楽屋だけにしとけ! 舞台で言ったらシャレにならんぞ!」
ボケ「先輩方済みません」
ツッコミ「そうそう、謝っとけ」
ボケ「ボクたちの方が売れてしまって」
ツッコミ「んなことない! いやもう本当にガキで済みません……」
ボケ「ガキじゃなくてボケです」
ツッコミ「いいからお前は黙っとけ!」
ツッコミ「あー、大声出したら喉が渇いたわ」
ボケ「コーヒー飲む?」
ツッコミ「お、あるのかコーヒー。ならもらおうか」
ボケ「300万円でーす」
ツッコミ「駄菓子屋のばあさんか! ほれ300円」
ボケ「だから300万円でーす」
ツッコミ「何言ってんの。だから300円渡したじゃん」
ボケ「土地建物の権利とフランチャイズ、諸々込み込みで頭金300万円でーす」
ツッコミ「馬鹿! 誰が喉が渇いて喫茶店を買うってんだ!」
ボケ「アラブの石油王?」
ツッコミ「買わねえわ!」
ツッコミ「もうお前と話すと頭が痛くなってくるわ」
ボケ「100万円でーす」
ツッコミ「今度は何を買わせようとしてんだ」
ボケ「頭痛いっていうからお医者さん。月収100万円払ってー」
ツッコミ「頭痛薬飲むから医者まではいらん! だいたい頭痛がするから医者を雇うとかどんだけセレブだっての!」
ボケ「主治医です」
ツッコミ「おいおい誰か出てきたぞ」
ボケ「折角だから診るだけ診てみましょう」
ツッコミ「そうか、なら頼むわ」
ボケ「あー!」
ツッコミ「なんだ、何か悪いところでも見つかったんですか先生!」
ボケ「うーん、かなり悪いですね。どうしてこんなになるまで放っておいたのか……」
ツッコミ「え、どこが悪いんですか」
ボケ「頭がかなり悪いですね。ミジンコ以下の脳みそしかありません」
ツッコミ「そんな訳あるか!」
ボケ「でも安心して下さい」
ツッコミ「治るんですか?」
ボケ「頭が悪いけど顔はもっと悪いですから。女避けにぴったりです」
ツッコミ「確かに道を歩いていても女の人が避けて通るから……」
ボケ「散歩中の犬もメスだったら逃げ出すレベル」
ツッコミ「だから俺はモテないのか……じゃねえだろ! 頭とか顔とか、病気と関係ないだろ! だいたいメスでも逃げ出すって失礼だぞ!」
ボケ「寄ってくるメスもいる」
ツッコミ「お、なんだそれ」
ボケ「蚊。ぷ~んって」
ツッコミ「なるほどな、血を吸うのはメスの蚊だけだから……ってそんなん嬉しくないわ! 何だこの医者は!」
ボケ「はい、美容整形外科医です。でもあなたの顔なら作り替えるより生まれ変わった方が手っ取り早いですね。まずはイケメンと美人のご両親から生まれるようにしましょう」
ツッコミ「そんなん選べる訳ないだろう!」
ボケ「こちらがご両親の候補です」
ツッコミ「ほう、確かに美男美女だけど……」
ボケ「はい、整形後の写真です」
ツッコミ「それじゃあ生まれてきても整形前の遺伝子じゃねえか!」
ボケ「あらー、お子さんお二人に似て……ませんね」
ツッコミ「当然だわ! いい加減にしろ!」
二人「どうもありがとうございました~」