拾い物
ぷかぷか一人で宇宙を浮遊してると時々、変な拾い物をする事がある。
今、僕の前にあるのもその一つだ、これは……。古びた四角い箱、中には赤い玉のついた変な金槌みたいなもの、動く四角い宇宙人や跳ねる茶色い小さい奴。何だろう、分からないけど凄く面白くて、夢中で箱の中の物を出していく。
ひとしきり触って最後の一つ、そいつは黄色い星の形の変な奴。触ってみるとふわふわしてて何だか凄くあったかい。
「なぁ、お前俺の子分になれよ」
『嫌だよ、そもそも君は誰だい?』
「俺はこの箱を拾った奴だ」
『じゃぁ君が僕の新しい友達だね』
「友達?」
『友達はね、一緒に遊んだり喧嘩もするけど、離れていてもずっと繋がっていられる人だよ』
「その友達ってやつになったら、俺は一人じゃなくなるか?」
『うん、僕がいるから君は一人じゃなくなるよ』
この瞬間、僕の体はぽっと火がついたように熱くなった。
僕はもう、一人じゃないんだ。
この日の拾い物は僕に、小さな友達を連れてきてくれた。