3日目am<おかしい>
お待たせしました。コロナショックが続いてる中ですが、こちらも頑張って書き続けますので是非とも楽しんでいってください。
「おはようございます。」
そんな一言が当たり前のように響き渡っているこの世の中は今日も平和であるわけねぇーだろこれ。
「明らかにおかしいって!」
「確か俺は数学の授業をさっきまで受けていたはずだ。それが何故だ、なぜ俺は部屋にいるんだ。」
頭がこんがらがっていて今起こっている状況を把握できていなかったのだ。そんな中時計とカレンダーを確認した。
<2019年6月4日火曜日午前6時>
おかしい
おかしい
おかしい
おかしい
おかしい
部屋の中をウロウロしながら考えていた。
「これは夢でも気のせいでもない、現実だ。現実で俺は時間を飛ばしたんだ。」
とうとう俺は頭がおかしくなってしまったことを自覚した。それほど俺は疲れていたのだろうか。
だが疲れにしてはひどすぎる。そもそも去年は普通に過ごせたはずだが、なぜ今このような状況に巡り合ってているのだろう。
「おっ、昨日は早く寝たみたいだね。」
お母さんが部屋に来ていた。
「あなた昨日あまりにもおかしなことを言ってたから心配したよ」
「なんて言ってたんだ?」
「え?覚えてないの?あなたがなんか時間の経ち方が常人とは違う体になったとか訳の分からないことを言っていたよ。」
時間の経ち方が違う?どういうことだ?
「まあ覚えてないならいいや、どうせ最近見たアニメでそういうタイムトラベルをする内容のものでも見てたんでしょ。今日も学校でしょ、アニメのことばかり考えてないでさっさと朝ご飯を食べちゃいなさい。」
「あっ、ああ!」
『昨日の俺は「【時間の経ち方が常人と違う】と確かにそういった。それが本当のことであれば。』
朝ご飯を食べながら俺は1つの考察を立てていた。
『どうやら俺は人生の半分を失ったんだ』
正確には朝から昼までの時間しか俺の動ける時間はないわけだ、その考察が当たっているのだとすれば今日の正午に昨日又は一昨日起こった出来事と全く同じことが起こるはずだ。この1日(正確には半日だが)その期間でこの2日間で起こった謎を解明しなければならない。
学校に向かって歩くときに、自分が欲しい情報は何かと、自分がやらなければいけない行動は何かを考えた。
「とりあえず今日中に確認しないといけないことは2つ。1つめは少なくとも昨日の午後に俺が起こした言動や行動がどうだったかを墨白くんあたりに聞いて確認する必要がある。2つめは何故午前中しか生きることのできない体になってしまったのか、その原因を探さなければならない。」
「前者の方は学校につけばいくらでも聞ける人はいる。だが後者の方は3日前に起こった出来事をまとめてその原因となりそうな出来事を推察して、どうすればもとに戻れるかを考察するしかない。今日の授業は全部捨ててもいい!ノートに3日前の出来事をひたすらノートにまとめよう。もし本当に午後という時間が無くなったなら俺は実質半分の寿命を失ったことになる。何としても時間という宝物を取り戻さなくては」
時間というのはお金よりも貴重であるという考え方をもっていたため時間に対する意識は人1倍強かった。それ故に俺は人生1度も遅刻をしたことがなければ、約束の時間を破ったことが1度もないのだ。それほど俺にとっての時間という価値が高い。
学校につき俺は即座に墨白君の所に行こうとするも、軽蔑されたような目で俺を見たと思ったら黙って何処かへ行ってしまった。
「墨白君!!」
俺の呼びかけは、間違いなく聞こえてたのだろうが返事がなかった。
「おいおい上越君★ 昨日あれだけ言っておいて馴れ馴れしく話そうとしているとはどういう風の吹き回しだぁい★」
「空部君、教えてくれ昨日何があったんだ?」
「君はホントに自覚が無いようだぁね★昨日とはまるで別人みたいのようだぁー★でぇも★こういった態度は墨君を余計に怒らすだけだからやめた方がいいYO★」
「すまん、最近ホントにいろいろあって助けてほしいんだ!頼む。」
「いろいろあったからって昨日のアレはないんじゃないかなぁ★そもそもいろいろあったというのは言い訳を作ってるだけだよねぇー★」
「何を言ってるんだ??」
「あららホントに自覚がないみたいだぁ★こっれはかなり、たちが悪いねぇ★まぁいいや★墨君と仲直りができたぁらまたお昼一緒に食べようかぁ★」
昨日の俺が相当なくらい余計なことをしやがったことに激しい苛立ちを感じていた。自分のこととはいえ友との友情を壊されたそれは万死に値する罪を俺はしてしまったのだ。その時俺は油性のマッ〇ーで自分の手にふざけんな!と書き、席に戻り机に突っ伏した状態になっていた。その後8時50分の始業チャイムから1時間目の英語が始まったが当然頭に入らず授業は終わった。2時間目の世界史も同様、自分がこうなってしまった原因を追及すべく英語のノートに3日前の出来事をまとめていたのだ。結局原因らしい原因は思い浮かばず、授業は終わってしまった。
結局収穫はゼロ。そんな中3時間目の物理基礎の授業を受けている間、知世さんのことや寺のこと、そして受け取ったお面についてのことの考えをまとめていた。それを整理している時、あのお面をつけた瞬間に襲われた感覚は、時間が飛ぶ直前に襲われる感覚に似ていた事を思いだしていた。
『何て馬鹿馬鹿しいことを考えているんだ』考えれば考えるほど俺は馬鹿馬鹿しくなっていたのだ。大体物理の授業を受けている中で物理法則から外れた出来事を考えている時点で俺は相当のアホになっていたことを思い知らされていた。それでも今はどんなにアホになってしまっても構わないからこの悪夢から脱出しなければならない。
ようやく問題の4時間目、数学の授業が始まった。
刻一刻と時間は正午に迫っていた。
俺は期待と緊張で授業どころではなかったのだ。そしてついに訪れた午前11時59分50秒にあの感覚がまた襲ってきたのだ。【今度はしっかりと確認できた】と満面の笑みを浮かべながらこう感じた
『俺は、もう常人ではなかったのだ』と。
今回の紹介するキャラは空部明です。
基本的に誰とでも仲良くできるタイプで、話し方が独特。その独特さゆえにクラスメイトからは多少ウザがられてはいるが仲のいい人が多い。運動は得意だが勉強は苦手なので基本的アウトドアタイプ。
次回の投稿は若干遅めになるかもしれませんが来週あたりを目標に頑張ります。
次回4日目am<悔しくて>お楽しみに!