2日目pm<違和感>
文字数が多くなってしまった・・・
ということで、お待たせしました!!4話目です。
「意味がわからないですよ。だいたい知世さんの死ぬ伏線を感じてたのでしょう?だったら俺は関係ないのでは?」
「じゃあ知世は何故死んだ?お前のせいで死んだんじゃないのか!!」
俺はついにキレて悪い癖が出てしまい…
「何で死んだかだと…他人の死になんでもくそも知るかよ!だいたいお前は知世さんのなんなんだ!祖父か?保護者か?親友か?恋人か?普段からよく話してる関係ならお前が直接支えてやれば良かったじゃねーか!!まぁお前がそこまで俺に恨み持ってるからして、守ってはいただろうが。それでも知世さんは死んだ!……その原因はお前の力不足だ!!お前が守りきれなかったんだ!よってお前が殺したって事じゃねーか!!このくそしじい!!!!!」
と自分でもワケわからなくなるほどアツくなってしまっていた。
「くっ・・・」
と、お坊さんは俯きながらため息をついて黙り込んでしまった。
この空気が5分続いていた。この5分間で2人は気持ちを落ち着かせていた。
「すみません。アツくなってしまいました。」
「ワシも焦ってしまったワイ、すまなかったのう。」
「とりあえずいろいろ説明してください!!まずは知世さんのことから。」
「あの子は・・・」
⦅2019年3月18日月曜日 16時00分⦆
ピンポーン!!!!!
とインターホンの音が聞こえた少女は暗い顔で玄関まで歩いていた。
「知世先輩!!」
玄関を開ける前に知世は言った
「3人ともいらっしゃい!受験お疲れ様ですわー」
「さすがです!先輩、インターホンがカメラ付きでなく、私以外は喋ってもないのに3人いるってよく分かりましたね!」
「3人いるのも知ってましたけど、あなた方は明日発表される受験結果の予言をしてもらいに来たことも知ってますわよ。」
「相変わらずさすがです!!あっ、この2人のことを紹介しますね」
「紹介してくださらなくても結構ですわよ、中学校の同級生ですわよね!」
知世にとって、さっきから喋っている人とは近所の知り合いだが、あとの二人は初対面である!
因みによく喋ってる人は【伊那 楓】
眼鏡かけて静かに本読んでる人は【山本 ひかり】
さっきからあくびをして目をこすっている動作を繰り返してる人は【徳川 ゆかり】
もちろん知世はこの2人の名前を知っていた。
「ではお願いします」
「いいですわよ、ただし!もめ事になるおいけないからアバウトに伝えますわよ。」
「はい」
「あなた方の中で落ちてしまった人は1人いますわ。」
「!?」
「あなた方全員併願して受かっていることも知ってますわ、だから併願先の学校に入学する心の準備をしておくことをすすめますわ」
知世がそう言った後ゆかりが突然言った
「はぁ、気分壊した。」
楓は言った
「そんな事言ったら駄目でしょ。」
「だってさ受験生に対して落ちるって言ったんだよ。仮にそれが嘘でもそんな事言われたら誰だってイライラするでしょ。」
「でも予言は聞きに行くって言ってたじゃん」
と言い争いが始まるとひかりが
「・・・知世先輩すみません、私たちはこれで帰ります・・・」
「・・・ほら、行くよ・・・」
と言って帰っていった。
3人が帰った後、知世は暗い顔のまま家の中に入っていった。
20時ずっと暗い顔をしてる知世を見て知世の父親が声をかけた
「お前また・・・」
「やってしまいましたわ・・・。私・・・そろそろ限界ですわ。」
知世は未来を見る能力がある、しかしそのせい(友達関係の崩壊や世間からの非難など)で彼女の精神は崩れていく一方だった。
そこで彼女の精神崩壊を少しでも和らげるために頻繁に引っ越ししていた。
「引っ越すか知世!」
「はい!お願いしますわ!!」
引っ越し日は3月31日になった。そして父のおじいちゃんのところに行くことに決まったのだ。
知世は次の街に行くときには必ず2つのことを意識するようにしている
一つ→礼儀正しく優雅にいくこと
二つ→予言をしないこと
しかし知世は今回の引っ越しでようやく気付く!!二つ目の【予言をしない】というのは無理だということに。
うまく表現ができないが、未来が見えている人じゃないと分からない感情がでてきてしまうわけだ。
3月25日から知世の様子が激変する!
ずっと部屋にこもって1人で泣いていたのだ、知世の父と母は引っ越し準備が忙しくて知世の変化に親2人は気づいてなかった。
食事も食べ始める時間がみんなそれぞれ違うので、知世の様子を伺うことも出来てない。
3月29日に仕事から帰ってきた父と母は荷物をまとめて引っ越し先に車で運びに行こうとしたその時、知世は父と母の袖をつかんだ
「行かないで・・・」
とかすれた声で知世は言った。
「どうした」
父さんが言ったその時、知世は号泣した。
「行っちゃだめ・・・死んじゃうよ・・・」
口調が変わってる様子から父も母もようやく気付いた。知世の様子に、しかし父は笑顔で
「だいじょぶだ。明日には帰ってくるよ。」
と元気よく言っていたが。
「未来を見たの・・・これは、【予言】ですわよ・・・・・」
と泣きながら答えた。
「心配するな、そんな運命なんて変えられることを俺が証明してやる。」
そう言ってくれても。知世の不安が晴れることはなかった。
母も
「帰ってきたら3人でどこか食べに行きましょうか。」
「無理だよ・・・それにこれ、死亡フラグ。」
「父さんも言ってたでしょ運命を変えれる事を証明するって、私達を信じてくださいな。」
「でも・・・」
「そうだ!ほらこれ探してたでしょう?」
母が知世に渡したものはお面だった。
「このお面・・・」
「ごめんね引っ越しの準備で渡すタイミングが見つからなかったの。ちょっとは機嫌なおった?」
「ありがとう、元気になりましたわ!」
と1粒の涙を流し言った。
「じゃあまた明日ね!おやすみ」
「お休み」
と言い知世は2人を見送った。
次の日知世は死んだ目をしながらテレビを見ていた、ニュースではとある場所で交通事故が起きて4人死亡した。その中の2人に知世の母と父の名前がリストに載っていた。
この日、知世のおじいちゃんが迎えに来てくれたので残った荷物を持って引っ越し先でもあったおじいちゃんの家に行きここに今日から住むことになったのだ。
それから知世は上越 向時の通う高校に転入した。
ここでも人に予言していたが、基本友達も先生も普通に接してくれたみたいだった。しかし5月中旬に友達関係の崩壊を恐れて不登校になってしまったのであった。
⦅現在⦆
「そういうわけじゃ。」
「成る程ね、もしかして話に出てきた知世さんの父のおじいちゃんっていうのは。」
「そうじゃ!ワシのことじゃ。ワシの名前は【時見 龍平】じゃ。」
「成る程」
「あっ!そういえば昨日知世に言われたんじゃ!今日もしお前が来たらお面を渡しとけって言われてたんじゃ。」
「えっ!?そんな大事なもん貰ってもいいんですか?」
「知世に言われたんじゃ渡してと。だから貰ってやってはくれないか。」
「・・・分かりました、ありがとうございます!」
「ワシにはいまだ分からないことが二つあるんじゃ。」
「?」
「1つはなぜそのお面をお前に渡すように言ったのか。2つはあの子が自殺した理由じゃ。まぁ死人に口なしだ、考えてもしょうがないのう。」
「そうか、まぁいろいろ分かりました!!さっきは本当にすみません。17時になったし今日はもう帰ります」
「ワシこそすまなかった、今度はお茶出すからまた来ておくれ。」
「はい。さようなら!!」
と言って家に帰ったのは17時20分だった。
帰宅後、俺は夕飯と入浴を済ませお面とにらめっこしていた。
「何故彼女は、俺にこれを渡した?」
そう考えると、お面をつけようとした。別に元女の子の所有物故女の子の匂いを楽しむだとか、お面についた女の子の汗なり皮膚を自分の額につけて興奮したりだとかそういう変態行為をしたいわけではない。しかしそういう行為は知世さんの匂いがはっきり残ってる今しかできないから、今やらなきゃという使命感が俺をおしている。まぁそうでなくても、折角だし貰ったものは使わないと、という使命感もあったのだ。
お面をつけるとなんか知世が霊になって俺を祟ってきそうな予感がしたので、2礼2拍手1礼をしてお面をつけた。
特に変化は起きなかった、まぁしいて言うならお面が小さくてきついので顔が痛かっただけだ。お目当て???の匂いも感じられなかったし。
部屋に置いてある手鏡で自分を見てたら自分の馬鹿さにようやく気付いたのでお面を外そうとした瞬間。
意識が別世界にとんでしまった。この世界はトンネルのような空洞で道が前と後ろしか無かった。ここでは自分が浮遊してるので自分の意志では動けないのだ。360度見渡しても青⇒赤⇒黄色と2秒毎変化してるだけだった。
しばらくこの世界で浮遊してると、前からいろんな物がとんできた。
パイロン、サインポール、蛍光灯、車のハンドル、直進の標識や進入禁止の標識、数学の教科書と色んなものがとんできた後、アナログ時計とデジタル時計だけが沢山とんできた。そして流れてきたビックベンが俺の前でとまって、長針が高速で右回転、短針が高速で左回転している。その光景を5秒見たら針が取れてビックベンが崩壊した、土煙が30mくらい上がっていてその中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「向時くん!!」
「上越」
「上越くン!!」
・
・
・
その声は聞き覚えのない声も次第に混じっていた。
いつの間にか、あたかも聖徳太子のように10人の声を同時に聞いていた。
それからも声は増え続け、頭が痛くなってきて耐えられなくなった時ハッ・・・と周りを見渡すと自分の部屋にいた。
時計を見たら21時00分45秒だった。俺は今何が起こったのか理解できないままお面を机の上に置きベットの上に寝そべった。
天井を30秒見ていながら今起こったことについて考えていた。
「まさか・・・呪いか??祟りか??」
いろいろ考え始めて23分後、何か変な違和感が残ってはいたが取り合えずスマホをいじり始めた。
今は兎に角ゲームをしたりSNSを見て心を落ち着けていた。
23時55分にお手洗い歯磨きをすませ、23時59分布団に向かって歩いてる途中何か、胃や脳みそが焼けているかのような感覚が急に襲ってきた!!跪いてうづくまっていたがすぐにその感覚はおさまった。
そして0時2分にベットの上に寝そべって、0時04分に就寝した。
このとき俺は知らなかった、さっき起こった謎現象と未だ続いてる違和感は悪夢への伏線だったことに。
次回から1章(本編)に入ります!!
と、その前に・・・EXも書こうと思ってます故本編待ちの方はもう少々お待ちください。