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A7→P7  作者: イースト菌
1週目≪7A→7P≫
10/11

5日目am<ヒントは身近に>

おっお待たせしました。

元気でやってます!GWは楽しかったでしょうか?

最近僕はあるゲームにハマってしまい執筆を放っておいた結果がこれだよ(苦笑)

すみません。ホントすみません。というわけで挨拶はこのくらいにして本編行きましょう。

<2019年6月6日木曜日午前0時>


気が付くと自分は机に突っ伏していた。そしてそのすぐそばに日曜日に借りた本が開いた状態で置いてあった。自分は水を飲みに台所に行き便所に行き手を洗っていた。そこで自分の左手の甲が黒くなっていることに気が付き、その左手をよく見てみると汚い字で『かりたほんよめ』と平仮名で書いてあった。


「これは・・・」


恐らくは昨日の午後の自分のメッセージだと感じていた。第一筆跡が雑にまるく書かれている字は自分の字で間違いないし、自分の手に文字を書く人なんて自分しかいないのは当然のことだろう。だが、本を読んだところで何も得るものなんてないし、今の俺には予言なんてものを見ている余裕がない。無駄だ。


と思いつつ本を投げ捨てた俺はただ呆然とお面を眺めているだけだった。その行為で2時間の時を過ごしては初めて気づいたのだ。こうしてる時間が無駄だと。

かと言ってもやるべきことが思い浮かばない。

どうすればいい。


どうすれば。


俺に何ができる。



そこで俺は無意識のうちに立ち本を眺めていた。


「どうせ今出来そうな事がないなら読んでみるか。返却日も迫っていることだし。」


ベッドの上に座りその本を開いて暫く読んでいると落雷が目の前の木を倒していけるようなほどの衝撃的な事実を知り、目の大きさが教科書を読んでいる時の自分の目の10倍くらい大きくなっていた。


初めに1つだけ問わせてください。

【貴方は運命を受け入れられるほどの強いメンタルを持っていますか?】

突然だがその問いはこの本を読んだ後に答えを出してみるとよいでしょう。

‹1989年8月26日›

この話は私の友、教介についての体験談をここに示す。

教介は実家が農家で畑仕事をしていた。私はその近所に昔から住んでいて彼とは幼馴染である。彼も私も今年で25歳になり、私も会社員として勤めていたのだ。彼とは毎日のように話していたが、ある日のこと彼の祖母が亡くなってしまったのだ。その日から私は彼と1週間ほど会わなかったが、久しぶりに彼と話した時彼は妙なことを言っていた。というよりも明らかに様子がおかしかったのだ。表情も暗くなってしまい、まるで鬱病にかかってしまったような雰囲気が表れていた。まあ身近の人が無くなっていい気分になる人はいないだろうし突然のことだから心の整理も出来ていないだろうと思った私は軽く話して帰ろうとしたが。彼は突然衝撃的なことを口走った。「お前は家に帰る途中車にひかれて左腕と右足を骨折するだろう残念だったねこれが運命だよ。」私はからかわれているものだと思い、「気をつけろって意味としてとらえていいんだよね」と答えたが彼は何も言わなかったのだ。今思えば彼が言ってた事に対してもっと真面目に聞いていればよかったと私は後悔している。そうさ、お察しの通り帰り道よりにもよってその彼と別れて10秒後に車にひかれた。彼は即座に救急車を呼んだのだが全治6か月の重傷になり、彼の言った通り左腕と右足の骨が折れていたのだ。私は心から恐怖を感じていた。その日以降彼は【予言者】と町内で噂になった。ある日彼が見舞いに来てくれた日、彼に起こった出来事を詳しく聞いてみることにした。その結果彼はどうやら眠っている間、対の時間に起こる出来事や起こった出来事を夢として見ることができる。例えば午前1時に寝て午前6時に起きた場合その日の午後1時から午後6時に起こる出来事が夢としてあらあれる。つまり毎日正夢を見ることができるのだ。彼はその後も良いことも悪いことも私の身に何が起こるかを教えてくれた。また沢山の人に対しても私と同じように教えていた。彼はかなり有名になりテレビの取材依頼が来るほどにも知れ渡っていた。彼は目立つことが苦手で取材もすべて断り、遂に家に引きこもってしまった。あれから彼と顔を合わせることは無かった。

<1990年8月14日>

私が事故に遭ってから1年が経ち怪我も完治して平凡な生活を送っていた。丁度彼が引きこもり始めて3ヶ月がたとうとしている。

お盆休みに入り私は久しぶりに彼と会った、しかし彼は魂を抜かれたかのような顔をしていた。流石に1年前の出来事に対してメンタル崩れっぱなしという人ではないことは分かってたし、去年の冬は元気な姿を見せていた。何があったのかを聞き、この3ヶ月の間に起こったことを聞いた。その話を聞いて初めて気づいたが庭や畑が荒らされていた。【悪魔!】【人の不幸がそんなに面白いか?】そんな苦情が殺到していた。彼はメンタルが強い方だったが、結構堪えてるのはハッキリ分かった。そう問題になったのはいくらこれから起こる出来事を知っていても逃れることが出来ないということだ。正直私も彼の言ったとおりにならなかった日など無いということを実感している。運命を受け入れるということはそこまで簡単なことではないことは自分が1番理解できてるつもりだが周りの人は恐らく運命は変えるものだといった意見もあるだろう。それも大切なことだが、頑張りようもない出来事もある。1番大切なことは運命を受け入れられるほどのメンタルを持つことだと私は考えたのだ。

さてもう1度問おう。

【貴方は運命を受け入れられるほどの強いメンタルを持っていますか?】

今後彼はさらなる悲劇を体験することになる。その話を後に記す。


本を読んでいるといつの間にか時計の針が朝の6時を回っていた。

教介と、俺の今起こっている状況と似てる事を感じ取り数時間本を読み続けていたのだ。流石にこれ以上本を読んでいるのはまずい。それに本の返却期限まであと2日あるし、慌てて今最後まで読んでもいいことはなさそうだ。


8時30分から始まった2限の英語の授業はdestinyという単語が聞こえて頭が真っ白になり今日読んだ本のことを思い出していた。アニメの一挙放送で録画して1日数話づつ見ている人も、夜にその続きを見るという人はこの日の昼間は脳内そのアニメのことで一杯になったことがある人は多いのではないでしょうか。それが故に1日無駄に過ごした同志もいるだろう。


しかしこれは意外な収穫だったのかもしれない。この本がこの状況を打破するヒントとなっていたのだ。つまりは月曜日の時からずっとヒントを持っていたことになる。本を返却する前に気づけて良かったと安心する中、これなら龍平さんが来るまでに答えが見つかればこっちのものだと大きい希望を胸に抱き時間を過ごした。


3限の化学の授業で理数系の教室に行く途中、空部君に話しかけられた。


「おやおやぁ★今日はやけにご機嫌だねぇー★ここまで機嫌がいい君を見るのは久しぶりだよぉー★」



「ああ。そりゃ悪いことばっかりあったらたまったもんじゃないからな。」



「君の鬱な感情も薄くなってきたことだし墨くんと仲直りでもしたらどうだぃー★」



「・・・また今度にするよ。」



「君がそういうならいいけどさっ★でも争いを収めるのは早いうちのほうがいいと思うぜぇー★」


(ホントならそうしたいさ。でもそれができる状況というかタイミングが違う気がするんだ。)


2人とも黙り込み少し冷めた空気になったところでチャイムはなった。

この空気のまま2人は分かれ授業に向かっていった。


教介が体験した事実、これからの自分の運命などといった不安を抱えながらも俺は目を尖らせこの状況を今更ながら受け入れていた。


12時の鐘の音は聞こえるまでもなく、俺は未来に向かって旅立っていった。

今回紹介するキャラクターは

里時(さとき) 教介(きょうすけ)

祖母の死から正夢確定の能力を得た人。あまり人に懐かずドライな性格。

のわりに親密度が高い人ほど甘い1面を見せたりする。能力取得後は誰に対しても冷たく接するようになってしまった。

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