一、元服(1)
色は綺麗で癒されて_全ての生き物に命を吹き込む。
湯飲みの色をいっぱい吸ったはけがつぼみをなぞると美しい花が咲き、新芽をなぞると青々とした葉が生える。
そして、その色を作り出し、色を塗る存在、「色妖精」とは_
「…元服、できるんですか?」
さくらの言葉にしらあいは思わず声を上げる。
「元服…!うちら4人とも色妖精になれるん!?」
「ええ、そうよ。たまご、とき、わかな、しらあい、4人共の元服が認められたわ」
「「おおー!」」
元服とは色妖精の子どもにあたる者達が色妖精を名乗るに十分に成長したことを認める儀式のこと。
そして、元服するまでは色を作り出すことや色を塗ることは許可されない。
「それでは、これでようやくわたくし達も色を塗ることができるようになるのですね」
「これで私達も憧れの色妖精になれるだ!!」
「たまご。昼間の寝殿とはいえ、少々声が大きすぎるわ」
「やーい、怒られてやーんのー」
「ときの声も十分大きいと思うが」
「まったく、御2方共。元服が延期でもされたらどうするのです。ただでさえ、わたくし達は遅めの元服なのですから」
元服の時期は色妖精ごとに多少異なる。しかし、4人の元服はこれまでで最も遅いものだった。
「さくら様。自分達の元服はいつ行われるのですか?」
「2日後を予定しているわ」
「では、その時組分けも」
「発表は式典の時にされるわ。でも、組の一員として仕事や生活を行うのは基本的なことを教わった後よ」
「基本的なことって色の出し方とかを教わるんですよね!私はどんな色が出せるのかな〜?」
「大体髪の色って聞いたことあるで。うちはこんな綺麗な赤が出せるんかー夢みたいやな!」
「浮かれすぎて式典中に転ぶとかやめてよ。特にたまご。おっちょこちょい」
「むー、しらあいちゃんひどい!私そんなにおっちょこちょいじゃないし絶対転ばな」
ずこん。
興奮して手を上下させた反動でたまごが転んだ。
「あ、こーろんだ!」
「いったーい」
「…おっちょこちょい」
「ふふふふふ」
そんな普段通りの4人を見つめるさくら。
笑顔ではあるが、その瞳には、どこか不安のような色が宿っていた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
そして初めまして、くれんです。
ネットに長編を投稿するのは初めてなので…読みやすくかけているか心配です。(てかそれ以前に面白いかな?少しでも面白いって言ってもらえたら嬉しいです!)
出来る範囲更新し、間違えたら訂正しつつ頑張っていくので…だから1Pで構わないのでポイントください!!
(後書きまで読んでくださりありがとうございましたm(__)m)