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彼方は勇者ですか?「はい」  作者: 軽見 歩
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第9話 勇者の冒険はすでに始まっている

勇者は城を出て北門に向かっていた、のだが


「何でシンシアさんがついてくるんですか」


「貴方のお目付け役です、異世界からの召喚者がちゃんとこちらの社会に順応するか確認する必要がりますから」


「なるほど」


 一見平和な街の中に潜む、人に化け勇者を狙う一体の魔物がいたのだった


「ギヘヘ、勇者ちゃんよアンタの冒険は始まる前に終わるのさ、このオレの手でな」


 魔物は短剣を背中に隠し勇者の隙をうかがっている


「まあ、形式的な物です。緊張せず自然にしていただければ問題は・・・・あれ?勇者様?」


 シンシアは勇者を見失った


「!?、まさかオレに気づいて!」


 勇者は隣に居たメイドの話を無視し魔物の方へと近づいて行く


 魔物は正体がばれたのかと一瞬動揺したが”いや、よく見りゃあ俺をみてるわけじゃねぇ。恐らく気配で何となく察してるだけで、このあたりに居る人間の中の誰が敵は分かってねぇんだ。殺るチャンスはある!”と考え直した


「テクテクテク」


「くっ、あ・・・」


 魔物はテクテク歩いてくる勇者に動揺し後ずさった、そして井戸にぶつかり後ろの隠していた短剣を井戸の中に落としてしまった


「チャポン」


 魔物は必死に声を出すのを我慢して”しまったーーー!”と心の叫びをあげた


「とう!」


 勇者は掛け声をあげ飛びかかる


 ”不味い!殺られる!”と魔物が覚悟をしたその時


「ジャバン」


 勇者は井戸に中に飛び込み、水音が響いた


「きゃーー!」


「誰か井戸に飛び込んだぞ!!」


「ブクブク・・・」


「言ったそばからぁーーー!」


 シンシアは勇者を井戸から引き上げた


「ふぅ、危ない危ない。まさか井戸の中の水があんなに深いとは」


「井戸なんだから水があるのは当たり前です!まさか地下水脈を通って逃亡しようとしたんじゃないでしょうね!?」


「まさか、井戸の中にはちょっとした空間が有ってアイテムが落ちてたりするのは定番じゃないですか」


 ”助かった”と魔物が安堵していると隣に居た人間が魔物に話しかけて来た


「なあ、あの勇者とか呼ばれてるヤツ、もしかしてアンタが井戸に落とした物を拾おうとしてくれたんじゃないのか?」


「い、井戸!?い、いやオレは何にも無くしちゃいねぇぜ」


 魔物は自分の服のポケットをポンポン叩き確認するジェスチャーをしてごまかした


「そうかい?まさか俺の財布じゃねぇだろうな・・・」


 人間は自分が落としたのかもと不安になったのかポケットを確認している。勇者はメイドに呆れ顔で説教されている。


「勇者様の世界の井戸はどんな構造なんですか・・・井戸は水を汲む場所であって地下に秘密の空間的な物はありません。まあ、子供の頃そんな妄想をしたことは有りますけど・・・勇者様!?」


 魔物は”まあいいさ、こんな事もあろうかとまだ武器をこの街に隠している。この近くの壺にも猛毒を仕込んだ魔具が”と思考していると驚愕の光景が


「樽は無理だったけど壺なら割れるかな?よいしょっと」


 勇者は壺を持ち上げこちらに投げようとしている


 魔物は叫ぶのを我慢し”あの壺はぁーー!!!”と心の叫びを上げた


「壺を勝手に投げないでください!」


 シンシアは勇者の動きを封じた


「僕は、ただ中に何か無いか確かめようと」


「だからって投げて割ろうとしないでください!ほら街の人が怯えちゃってるじゃないですか!」


 勇者は魔物の方を見て頭を下げた


「あ、すみません」


「い、いえ、ちょっと驚いただけで」


 魔物は汗を手でぬぐい”この勇者侮れねぇ・・・ひとまずアジトに戻るか”と考えこの場を後にした

勇者十戒その5・探索は念入りに


 勇者はどんな小さな物でも見逃がさない。小銭や薬草のが入っているかもしれないと言う理由だけで壺や樽を投げたり壊したり、タンスを漁るなどは日常茶事。その意地汚さは盗人やゴミ漁りも舌を巻く。時には井戸に身を投げる事すらある


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