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彼方は勇者ですか?「はい」  作者: 軽見 歩
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第7話 王様は偉大なお方です By女神

「うう・・・ここは・・・」


 勇者は目を覚まし、寝ぼけた頭を無理やり覚醒させ身体を起こし辺りを見ると、王様がベットの横で椅子に座りこちらを見ていた


「勇者殿、目覚められたのですね。よかった」


「王様、ここは?」


 戦闘の後倒れたのは覚えているので、てっきり医務室に運ばれるものだと思っていたが、屋根付きのベットに寝かされていた様だ、部屋に置いてあるものも高価なものであることが伺える。勇者の質問に王は答えた


「わたくしの寝室です。その…体力を回復させる結界が兵舎の物より良く、警備の事を考えても都合がよかったので」


 王は何故か照れ臭そうだ


「結界・・・それって宿屋で寝ると体力が回復するような感じの物ですか?」


「はい、そうです。冒険者用の宿にも品質に差がありますが同様の結界がはられています」


ふと気になり勇者は自分の怪我を確認した


「全然痛くない。服も破けてないですけど、また着替えさせてくれたんですか?」


 王は真っ赤になり狼狽えこう答える


「いえいえ!魔術処理された服でしたので白魔法で回復した際に直っただけで」


「ふーん、防具の修理は考えなくても良いんですね。どっこいしょ」


勇者はベットから出ようとした


「勇者殿、履物はここに」


「ありがとうございます」


 勇者は靴を履き起ち上がった


「あちらの席に座ってください。お疲れでしょうが人目の無い内に話しておかなければならない事が・・・」


「あ、その前に教会に案内してもらってもいいですか。死んだら終わりとは聞いてますが、一応セーブしておきたいので」


「教会!?」


 王は目を見開き頬を赤らめ顔を手で覆った


「カーン・・・カーン・・・」


 どこからか鐘の音がする。太陽の位置から察するに正午を告げる鐘の音だろうか


「あ、今お昼なんですね」


「あわわわ・・・・」


 王様はプルプルと震えている


「どうしたんですか王様?」


「そんな・・・いつ死ぬか分からないから、私と教会にって生きた証を残したいだなんて・・・」


「セーブってそういう解釈になるの!?」


「でも勇者様、わたくしはこの国を支えるため殿方として生きると誓った身・・・っ!」


「ちょっと落ち着いてください王様!」


 王様はいつもの威厳を取り戻した


「すまぬ勇者殿。少々取り乱してしまったようだ」


「ふぅ・・・よかった」


 どうやら冷静になってくれたようだ


「世界を救う勇者と結婚すれば国は安泰、余がおなごとバレようとも民の士気は上がる!つまりこれは政略結婚ッ、王族として何も恥じることなどないわ!!」


「全然冷静になってない!?」


 騒ぎを聞きつけたのか勢いよくノックする音がした


「ドンドンドンドン」


「ジョージ王様、どうなされましたか!?」


 扉の向こうから昨日のメイドさんの声がする


「シンシアか入れ。余に純白のドレスを用意しろ、今すぐにだ!」


「失礼しますッ!」


 シンシアと呼ばれたメイドは部屋に入り興奮する王を取り押さえた。なんかメイドさんも素に戻ってる気がする


「ジョージアどうしたの、取りあえず落ち着いて!」


「離せ、シンシア!これも王族の務めだ!!」


「ジョージア!ちょっと声が大きいから」


 勇者はあまりの惨状に混乱した


「そうですよ!まだ中盤にもなってないのに結婚したら息子が主人公になっちゃうじゃないですか!」


 王はまた混乱している


「すでにそこまで将来設計を!?」


「だから、そうじゃなくてッッ、うわーーー!」


 勇者は雄たけびを上げた。メイドは状況が理解できずに泣きそうになっている


「勇者様も落ち着いてーーー!」

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