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彼方は勇者ですか?「はい」  作者: 軽見 歩
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第24話 アンラッキー・アンデット

 勇者の投擲を食らい気絶していた魔物は首筋を触られた感触に反応し意識を取り戻した。追跡してきた袋に入った女と勇者の声が聞こえる


「この人…死んじゃったみたいよ」


「ええ!?」


「脈が無い、心臓も止まってるわ」


 魔物は”脈が無い?アンデットなんだから脈があるわけないだろう。まあいい、死んだと思われてるなら、このまま死んだふりしてごまかすか”などと考えながら目をつむっているとガサゴソと音がした


「ええい!この袋邪魔!ポイっと」


「真理さん袋から出て何する気ですか」


「心臓マッサージよ、大丈夫、溺れた子供を蘇生させたこともあるんだから。さあ蘇るのだ我が電撃で!ライニン!」


 閃光と共に凄まじい衝撃と痺れが魔物を襲った


「ブッルルルルルルルウルルル!」


「成功した!?」


 魔物は叫び声をあげたが電撃が止まると直ぐに脱力した。真理は直ぐ脈を確認する


「ダメだったみたいね」


 ”こ、こいつら、脈が無いと確認した後でも用心のため魔法攻撃するとは…”と思いながらも魔物は必死に耐えていた


「どうする?ゆうと」


「死人が出た時、勇者がとるべき行動は一つでしょう」


 魔物は”もうめったな刺激には反応しないぞ!俺は死んだ、俺は死んだ、俺は死んだ!”と念じながら死んだふりをしていると…トラウマを刺激するような肌を焼く様な感覚を感じた


「神父さーん、お願いします」


「ゆうと、本当に大丈夫なんでしょうね」


 勇者は棺桶を引きずりながら教会へと入って行った


「貴方はこの間の…その棺桶はどうしたのですか!?」


 魔物は棺桶の中で”神父?ここは教会か!?”と慌てたが、生きてる事に気づかれまいと再び死んだふりをした


「不慮の事故が起きまして、逃げ足から察するに盗賊だったのではないかと」


 神父は棺桶の蓋を開けた


「この方はドッペルさん!?おお…神よ、なにゆえ信仰篤きこの方をお守りしてくださらなかったのか」


 魔物は神父に”信仰があついだぁ?あの時は必死だったんだよ!そこの勇者のせいでな!!”とツッコミを入れたいところだったが我慢した


「あのー神父さん蘇生をお願いしたいんですが」


「蘇生?生き返らせると言う事でしょうか?」


「はい、できますか?」


 神父は人差し指で教会のシンポルを空中に描くような動作をし、こう言った


「死者を生き返らせることはできません。例え神であっても一度死んでしまった者を生き返らせる事は不可能なのです」


「死んでからこの世界に転生させられた僕に言われても・・・やっぱモブの蘇生は無理か」


 勇者は何かを小声で呟きながら棺桶の蓋を閉めた


「貴女はご遺族の方ですか?」


 神父は真理の方を見てそう聞いた


「通りすがりの他人よ。ゴーレム、頭の耳を見たらわかるでしょ」


 魔物は真理のセリフを聞いて”ゴーレム!?魔物じゃなかったのか!クソ、まさかスパイを挑発するためのデコイまで用意しているとは。この勇者ただ者じゃねぇ・・・”と棺桶の中で歯噛みした


「そうですか、ご家族への連絡をしたかったのですが。ひとまず安らかに旅立てるよう彼の為に祈りましょう。棺桶を祭壇の前へ、葬儀の準備はその後にしましょう」


「はい」


 ”祈る?・・・て…まさか…”と魔物が気づいた時にはもう遅かった。勇者は棺桶を祭壇の前に置いて神父と一緒に目を閉じ祈りを捧げ始めた


「神よ…どうかこの者の魂をお導きください…」


「シュゥゥゥゥゥ・・・・・」


 棺桶のすき間から煙が噴き出した。それを見た真理が驚いて警告する


「ちょっちょっと!棺桶が大変なことになってるわよ!」


「え?」


「これは一体どういう・・・」


「バン!」


 棺桶の中の魔物が全身から煙を出して飛び出してきた


「ギャアアアアアアアアアアアアァァァァァ!!!」


 魔物は一目散に教会の外まで走り転げまわってた。それを見た勇者は、ほっと息をつき


「なんだ、神父さん蘇生できるんじゃないですか。想像したのと大分違いますけど」


 神父は涙を流しながら祈り叫んだ


「奇跡だ!きっとあの方の信仰心に神がこたえてくださったのだ!」


「よく見て!アイツ…」


 真理が警戒しながら魔物を睨みつける。魔物は人の輪郭は残ってはいるが不定形で獣の様な眼光をしていた。真理はその見た目に心当たりがあった


「ドッペルゲンガーね…工房の図鑑に載ってたわ」


 真理のその言葉を聞きいた勇者と神父の反応は


「蘇生が不完全だったのか・・・まさか魔物に変わるなんて」


「おお!神よ!あの信徒になにゆえこの様な試練をあたえるのかぁぁ!!」


 神父の涙は血涙へと変わっていた。その様子を見た魔物は怒りを込め怒鳴ろうとしたが


「元からオレはまもっゲホ!ゲホ!」


 魔物は煙を口からはきながら咳込んでしまった


「ゲホッ、チキショウめ!ばれたんならしかたねえ。この場で八つ裂きにしてやる!!」


 勇者と真理は戦闘態勢に入った


「魔物になって錯乱しているようですね」


「取りあえず大人しくさせましょう。ライニン!」

 

 真理はライニンを唱えた。ドッペルに19ダメージ


「ギャァァ、くそう神の加護のせいで上手く動けな…」 


「これでとどめ!」


 勇者のヘビーアタック、棒がドッペルの頭部に命中しドッペルは気絶した。


「うぐ・・・」


 勇者達は戦いに勝利した。真理の狩猟スキルが上がった


「ふう、何とか大人しくさせられましたね真理さん」


「コイツ城にもっていきましょうか。アマンダならもしかしたら治せるかもしれないし」


「そうですね。と、その前に神父さん」


 勇者は放心状態になった神父に話しかけた


「なんでしょうか…」


「お祈りをさせてください」


 勇者は探検の書に記録した

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