少年 : 現状把握③
次いきます。
「記憶喪失ですか・・」
確かに記憶はない。何となく前の記憶が朧げに残っているが。
いつの間にか俺がエリアスになった様だ。
何故?どうして?わからない?
ノーライスト家?ゴードン?ヒルデ?
記憶にない・・・なるほどこれが記憶喪失か・・
コンコン
扉からノックの音がした。
「・・・・・失礼します。」
か細い声が聞こえた。
「・・・・先生を・・・お連れしました。」
サテラと呼ばれた少女メイドが入ってきた。
「先生、息子が目を覚ましたのですが、記憶喪失になっているようですの。見て頂けますか?」
サテラの後ろからヨボヨボの爺さんが出てきた。
「エリアス様、少しよろしいですかな?」
爺さんが俺の額に手を当てた。
「神々よ、我が右手に神聖なるチカラの光を灯し、彼の者を癒したまえ。」
爺さんの手が白い光に包まれている。
おや?身体の痛みがゆっくりと無くなっていく。
「これは何ですか?」
爺さんは白い光を出したまま言った。
「これは治癒魔法ですじゃ、憶えておりませぬか?以前治癒魔法をお教えしましたが嫌がって逃げ出した事を。」
憶えてない・・
「すみません、憶えていません。」
素直に答えた。
「そうですか・・やはり記憶喪失の様ですな・・それにしても敬語を使っておられる⁉︎以前は・・」
奥様と爺さんが納得しながら不思議そうにしている。
「・・言葉使い・・いや、性格まで・・・」
爺さんが不思議がっている。
「・・あの傍若無人なエリアス様が・・」
メイドさんが驚いている。
ドタドタドタドタ
バターン‼︎
また誰かきた。