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オークの娘さん  作者: yamainu
第1話 『オークの娘さん、城へ行く』
21/51

また明日

 21、


 少年とエドマンドを見送った後。

 チェターラは、本来は午後いっぱいメイドとしての仕事の案内を受ける予定だったのだが、別世界で地面に落ちたときの打ち身が痛かったので、早めに休ませてもらうことになった。

 アレック・ガルムに連れられて、家路についた。

「アレック・ガルム様、お疲れさまです。

 あ、チェターラちゃんも、また明日♪」と、見送るローリエ。

「微妙に、わたくしがついでになってますよね……まあ、いいですけど」


 城を出て、町を出て、離れた場所にある我が家に帰った。

 食料棚を見ながら、アレック・ガルムが言った。

「私が夕餉の支度をしよう」

「……わたくし、その前に、体を洗ってきます」

「うむ」

 家の裏手にある水瓶のところに行くと、チェターラは服を脱いで、裸になって、軽く水浴びをした。

 それから、体を拭いて。

 室内着に着替えて、自室に入った。


 自室で。いつもの、香水の瓶を手に取った。

 普段なら、欠かさずつけている香水。

 ……。

 ちょっと手の甲に垂らして、においをかいだ。強いにおい。

 他のにおいを消してくれるにおい。

 いつもなら、わたくしは、とても安心するのですけれど。

 ……。

 少年の、くしゃみと涙目を思い出した。

「はぁ……」

 ため息をついた後、手の甲に垂らした香水を洗い落とした。

 改めて、においをかぐ。

 わたくしのにおい。

 大丈夫なのでしょうか。

 嫌われないでしょうか。

 不安ですけれど。


 そう思っていると、父親のアレック・ガルムが顔を出した。

「愛しい娘よ。夕餉が出来た」

「あ、お待ちください、お父様。今行きます」

 夕食のにおいに案内されて、居間へと移動した。

 独特なにおいの魚醤を味付けに使った、アレック・ガルムが昔からよく作る食べ慣れた麦粥。食べ飽きない味の麦粥。

 席についてそれを食べながら、思った。


 不安ですけれど、明日、あの少年に会いに行ってみましょう。




(第1話 『オークの娘さん、城へ行く』 了)

(第2話 『オークの娘さん、母の魔法の日記を見る』に続く)

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