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無くした記憶と少女の想い  作者: 高坂愛莉
1/1

プロローグ

需要があれば続き書きます

目を覚ますと俺は、病院のベッドで横になっていた。

その瞬間、俺は身体中の痛み痛みに気付いた。

消毒液の嫌な臭いが俺の鼻を刺激する。病院特有の嫌に張りつめた空気が俺をさらに混乱させていった。


何故俺がここにいるのか分からないのだ。


確か俺は高校の入学式の会場にいたはずなんだ。なのに何で俺が病院なんかにいる?この痛みの原因は何だ?

「俺に何があったんだ…?」

しばらく俺は状況を整理していた。俺の最後の記憶は高校の入学式。そこからぽつん、と糸が切れたかのように記憶が途切れている。

俺は取り敢えず立ち上がろうと、痛みを堪えながらベッドから足を降ろし、床に足を着ける。そして足に体重を掛けながら力を入れてゆっくりと…、

「立て、ない?」

どうやら足の筋力が落ちているのかもしれない。

「どんだけここで寝てたんだよ」

つまり、俺は足の筋力が落ちる程意識を失っていたということになる。

その時だ。壁を一枚挟んだ廊下から足音が聞こえてきた。カンカンと乾いた音がするので、もしかしたらハイヒールを穿いた女性かもしれない。その足音は俺の病室の前まで来ると、いきなり病室のドアが開いた。

そこにいたのは俺と同い年くらいの女の子だった。茶髪のショートヘアでおっとりした子だ。その子は俺を見るなりあたふたし始め、

「拓斗くん!」

いきなり俺の名前を驚きながら呼んできた。

何故俺の名前を知っているのか分からない。この子は完全に初対面だ。いきなり俺の名前を呼んできて変な人だなと言いかけるも、ここはグッと我慢する。

「えっ!? どうしよ! 看護師さん呼んでこないと!」

「ちょっと待って!」

「何?拓斗くん」

「お前、誰だよ」

やべっ。ちょっときつく言いすぎたか?

女の子はショックを少し受けたようにも見えた。しかし、

「そうだよね。やっぱり記憶無くなってるよね。もしかしたら拓斗くんの記憶が無くなるかもって病院の先生から聞いてたの」

「どういうことだよ、それ」

やはり、俺の考えは当たっているようだ。

「一週間前、拓斗くんは事故に遭ったの。」

「一週間前? 入学式の帰りに事故に遭ったっていうのか?」

俺がそう言うと、女の子は涙を流し始めた。訳が分からない。

「俺の記憶は入学式で終わってるんだ。それに、お前とどういう関係なのかも分からない」

「入学式は9ヶ月前に終わったよ。もう12月」

「!?」

俺は頭が真っ白になった。俺にとっての昨日は9ヶ月前ってことかよ…。

「何なんだよ…」

整理がつかない俺を気にし気にしつつ、女の子は話を続ける。

「私の名前は木下綾香。私たちは、付き合ってるんだよ」


そして俺、武岡拓斗の記憶を取り戻すための日常が始まった。

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