第三話 時間はいただきました。
地球に、ただいま。以上!
11/30 更新
「暇だねぇ」
「うん」
外に造ったベンチにすわり、足を揺らしながら空を見上げている天輝美と影舞。
何もやることがないため、これが日常となっている。
__時は紀元前八億年前。妖怪もいなければ、生物も海や川に小さいものがいるくらいだ。
陸に生物が出てくるまで四億年ほどかかる。植物も天輝美が造ったモノしかない。
本当に、何もやることがない。
「暇…あ、あの雲ドーナッツみたい」
「ドーナッツ、って、何?」
あぁ、この時代は無いんだった、と呟き、ドーナッツというお菓子、食べ物と影舞に言う。
「暇ねぇ」
「うん」
天輝美と影舞は同じことを繰り返す。
こんなことを繰り返していたため、会話が一言言うか、首を動かして反応することが多くなっている。やることが無さ過ぎて無口にもなってきていた。
「暇…って何回目だろ。こんなときに私たち以外の誰かが居ればいいのになぁ」
「うん」
「__そうだね」
「はぁ…誰かいないかなぁ」
「私、いる」
「__俺もいる」
「いや、影舞じゃないくてそこにいる人とか__えっ?!」
天輝美と影舞しかいないはずのこの時代に、他にいる訳がないと思っていたが、目の前に青年がいた。
天輝美がその青年を指しながら言う。
「__お兄ちゃん!?」
「やっ」
と短い挨拶。それを見ながら影舞は天輝美以外の人型の者に会ったことがなく、警戒の態勢をとる。
「誰?」
「あ」
と、天輝美は青年を引っ張り、影舞の前に立たす。すると、青年の鼻が影舞の鼻とくっつきそうなほど近づく。
「__近すぎ」
天輝美が白龍を少し後ろに引っ張る。
「これ、私のお兄ちゃんの白龍。シスコン野郎よ」
「シスコン?」
と、影舞は白龍に警戒したまま、天輝美に聞く。
「そう。妹好きの変態」
天輝美がそう教えると、影舞が白龍を睨み、さらに警戒を強くする。
「ちょっと、変なこと教えないでよ…でも別にいいや。本当なんだからね」
はあ、とため息をつく天輝美に、退屈なときとかしかため息をつかないのに、なぜ嬉しそうにしながらするのか、首をかしげる影舞。それらの様子を見てニコニコしている白龍。
「で」
天輝美が問う。
「どぉやって復活したの?」
と。
白龍の答は、
「"一時的に授けた"だけなんだから、戻ることもあるだろう?」
その言葉で納得した天輝美の横で、話についていけず戸惑う影舞。そして、天輝美が楽しそうに話していることが、少しの喜びと嫉妬のようなものが出てきていた。
◇キングクリムゾン(仮)◇
「__皆で深い眠りにつこう!」
一週間がたった頃、暇で暇でたまらないと言っていた白龍が叫んだ。どのくらいかと聞くと、
「五、六億年くらい!」
だそうだ。
「どうやって?」
と影舞が聞くと、
「結界とかで?」
と白龍。
「なんで疑問形?で、それできるものなの?」
「知らん。」
と、白龍はそんなの知っている訳が無いだろうという目で見てくる。
天輝美が呆れてため息をはく。その横で下を向き、何かを考えていた影舞が何かを思いついたようで顔をあげる。
「天輝美、能力で時間、とばせる?」
__幻と現で未来を造りとばすか、時を天輝美が授かり、時間を早送りさせることだ。
前者だと、西暦2000年以降の、転生前の時代になってしまう。と、言うことは後者が最善だろう。天輝美は不老不死のため、いくらでも授かれる。
「それ、できる?」
と、影舞が天輝美に聞く。天輝美は、
「__できる。たぶんだけど。」
と答えると、
「暇だから、今からやろう?」
「おう、いいぜ?ただし、死なない程度で頼むよ?」
「私は死なないよ」
__数分後。
「準備できたよ」
「こっちもだ」
「できた」
平地で、白龍は結界を張り、影舞は影で壁などを造る。半径25mほどのドームの状をしている。
「よし、やるよ!」
天輝美が言うと、白龍たちは頷き構える。そして、『授』が発動した。
何か天輝美に吸い寄せられるように空間ごと引っ張られ始める。天輝美の能力がしっかりと発動している証拠。天輝美が空間と時間の授かりをしていると云うことだ。そのため、結界の外は時を百万倍ほどで早送りされ、空間が揺れ世界全てが揺れているように見える。
結界内にいる影舞たちの時間も授かっており、天輝美以外の時が止まっているように見える。
「ぐぅっ…ああああああ!!!」
さらに早くなり、時が何億倍の早送りになった。一秒間で百万年で時を進めている。
「ぐっ…はぁっ」
およそ十分で時が一度止まり、再び動き出した。
一秒に一秒ずつ。通常に。
「で…でき、た…」
天輝美は時の進みを通常にすると、成功したことで安心し、その場に倒れた。
そのときから、神力と霊力、魔力が5倍ほどになり、妖力も大妖怪の十倍ほど出た。
時を授かっている間に、神力、霊力、魔力、妖力も取り込んでいたのだ。
天輝美が倒れると同時に、白龍たちが動けるようになった。
「天輝美!」
白龍は動けるようになると、すぐに天輝美を抱き、家の中へと運んだ。
家は結界の中にあったため、能力を使う前と全く変わっていない。
周りを見回していた影舞は、木々や動物を見てやっと生物が増えたと喜んでいた。
近くで見ていた白龍は、尻尾の生えた、ギザギザのキバを持つ動物に、
「俺と同じ?」
などと呟いていた。
__二時間ほどたった。
気絶し、寝ていた天輝美が目を覚ました。
「うっ…頭いたい。」
体を起こし、ベッドから降り、どの時代か調べるため外に出る。白龍たちは何か大きい動物と遊んでいる。
周りは森。ちょっと大きい虫が飛んでる。
「三畳紀からジュラ紀の間くらいかな。」
__時は紀元前二億年。天輝美が転生前に調べ、東方projectの誰かが生まれた『設定』の時代。本当にこの時代に生まれるのかは誰も知らない。この世界は『那々詩』という何者かが作っている世界。本当にそうなるのかなんてわからない。
__出ますが。←
「これって、そのうちあの子に会えるのかな…って、お兄ちゃん!その子放してあげなよ!」
「えー、俺の同士がぁ…」
白龍が何か言っている間に影舞が捕まっていた動物を逃がす。
「ああ!俺の同士が__「可哀想だからやめてください!」__むぅ。」
「仲、いいね。」
天輝美たちの様子を見ていた影舞が羨ましそうに言う。
「そうかな?」
と天輝美が言う横で、
「仲がいいを越して、愛し合ってい__グハァ!」
と白龍。最後の方は天輝美のアッパーをくらい言えなかった。そして天輝美の足元に倒れ、笑顔で鼻血を出し気絶。
「/// お兄ちゃん眠っちゃったから、私たちも寝ようか?」
白龍の顔面を踏みながら言う。そして、白龍を引きずり影舞と家の中へと入っていった。
…orz
永「何してるのかしら」
なんか変なことになってきてる。
永「そう」
そう。
永「…」
…
永「…」
しゃべって!?お願いだから何か話してぇ!
永「あー」
もういいよ。終わろっか。
永「人生?」
違うよ!後書きをだよ!
永「冗談よ。次回も読んでね?」
次回も
「「ゆっくりしていってね?」!」