第九話 洩矢諏訪子
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諏訪子side
私はいつものように國の情報を調べながら、村の神社の中にいた。
私は、この村にある洩矢神社に祀えられている神、洩矢諏訪子だ。人間たちにはミシャクジとも呼ばれている。
今日も、まぁ先程言った通り、いつも通りの生活を送っている。村の人たちも元気に、仕事も精一杯に、といつも通りだ。
ふと、見張りに遣っている蛙が言った。
_人間だが人間でない者が来る、と。
言った、といっても心の中にだが。つまり、テレパシーだね。
私はこのように心を読み取ることは可能だ。人間の心ももちろん、読み取ることは可能。
だが・・・、人であり、人でない者とはなんなのか。人型の妖怪か?いや、それは無いか。妖怪ならば私が張った結界から私に伝わる筈だ。
・・・だとしたら、神力を持つ人間か、霊力が大きい者か何かと考えれるか。神力もあり得ないと思うが・・・、敵の神の可能性もあるな・・・。
__来た。蛙が言う。
この力の感じは…神力!?もしかして最近信仰を高めている大和の神か!?いや、神力が小さい・・・。大和の神ではなさそうだが・・・、注意はしておいた方がいいだろう。
ん、来たな・・・。
「・・・誰だ」
私は神社の中から問う。私も相手もお互いに顔は見えていない。
私は一歩前に出る。相手の腰辺りまで見えた。見たことのない服だ。ただの布のように見えるな。背もそう高くはない。
それより、相手からの反応が無い。無視するとは、私が神と知ってのことか?この國で頂点に立つ者と知ってのことか?
ふん。なら、姿を見せて脅かしてやろう。私の姿は大男よりも大きな蛙の姿になっている筈なのだから。
私は神社から顔を出し、互いに姿を確認した。相手は15歳くらいの女子と同じくらいの背だ。しかも、その女子。
「ロリ」
って、
「ロリゆうなぁ!」
しまった!ロリってよくわからないけど子供のことを言っているみたいで、侮辱してるみたいで、つい、素を出しちゃったよ!
もういいわ。この子にはお仕置きが必要だね。くらえ、私の祟りを!
「え?いきなり何!?」
ふふ、驚いてる驚いて・・・るだけ!?全部避けられた。てか、普通見えるモノじゃないのに。何この子、神力はそんなに多くないのに、私より身体能力がすごい。でも、負けないもん。鉄の輪に祟りの力を入れたこの輪を避けれるかな?
「何それ、すごい。でも、ちょっと危ないから、1%ぐらい出せばいいかな?」
「・・・何を言ってるの」
はい?ホントにわからない。ぱーせんと、って何よ。力のこと?まさか、能力?
ドゥン!!
ぐっ、何なのこれ・・・神力?いくらなんでもこんなのありえな・・・・・・この神力、何処かで・・・・・・。
「あ、攻撃止んだ」
「ねぇ」
ちょっと気になった。今の神力の感じは何処かで感じたことのあるものだ。
「何?」
「貴女、名前教えてもらってもいい?」
名前がわかれば少しはわかる。
「ん?天輝美」
アマキミか。・・・ん?アマキミ?アマキミ・・・・・・アマキミ!!?
お、思い出した・・・神を従わす神、龍神。地球を造った神。
「龍白神姫・・・様・・・・」
「ん?」
「貴女・・・もしかして龍神?」
「え?うん、そうだけど・・・?」
そんな馬鹿な!確かに言い伝え通り、よく見れば凄く可愛いし、綺麗だけど、まさかの女の子って。しかも、その龍神様に私は攻撃を仕掛けるなんて・・・。これはやりたくないけど、最高神だからね。
私は脳内を高速回転させ、今のをおよそ一秒でまとめた。そして、龍神様の前に立ち、膝をつき、頭を下げた。
だが、言葉が出ない。いや、出したくない。プライドは守りたいから。
「ちょっ、何やってるの?」
「う、・・・すみm」
「STOP!!」
「(ビクッ)」
「顔あげて、てか、立って」
「で、ですg」
「ですもますもカステラもないよ?てかお願いですから立ってください」
「はい・・・」
「あのね?謝らなくていいから。友みたいに接してくれればいいんだよ?」
龍神様・・・他の神はこんなことをしても許してくれないのに・・・涙出そう。妬ましすぎる。最高神だからこそ言えるんだと思うよ・・・。
私は自分の名前を言っていないことに気付き、言う。
自己紹介だけでもしておかないとな。
「私は洩矢諏訪子。祟り神で、ここの神社、洩矢神社に祀えられています」
「本物初めて見たぁ」
龍神様は洩矢神社を見て目を輝かせている。畜生。可愛い・・・何処かで叫びたい・・・
惚れてまうやろー!!←
と。
「龍神様」
「名前で呼んでくれると嬉しいかな?後、敬語じゃなくてもいいよ?」
「ア、アマキミ様、神社の中を見て行き・・・見ていく?」
「うん。もちろん」
くっ・・・眩しい。そして妬ましい。・・・だんだんと私のキャラ(?)がおかしくなりそう。
__ミシャクジ様!
蛙が何かをくわえている。
龍神様が神社を観ている後ろで、蛙から受け取った文を読む。
「・・・國を奪る?!!」
その私の声に龍神様が反応し、文の存在に気付いた。
「・・・戦争で負けたら國を取られるってことか・・・やっぱりそうか・・・」
「やっぱり?」
「何でもない。で、どこの者?」
「大和神。去年から國を取ろうとしていたらしいんだ」
私が話すと龍神様は、ふ~ん、と言い、場所を聞かれた。どうする気なのか・・・。少し不安に思ったけど、龍神様だから、と信じて大和の国と神社の場所を教えた。
その日の夜は龍神様を神社に泊めさせてあげた。
龍神様はよく分からず、私が寝始めた時に布団へ入って来て服の中に手を突っ込まれ、肌を触られるという。さらに胸を触られたり、舐められたりと大変だった。理性が飛びそうで。何故こんなことをしたかと聞くと、
「儀式だよ、儀式」
と言っていたが、何の儀式かもまずわからない。まぁ、龍神様だから、と信じたけど。途中、変な声が出たけど、龍神様はそれが普通とか言っていたから気にしないようにした。
天輝美side
「おいしかったなぁ」
ホントにおいしかった。何がって?そりゃ諏訪子だよ。あの子のおいしいよ?神力。
あぁ、ちっちゃくて可愛かったなぁ。
おっと。それより今は大和の神に会わなくちゃね。
そう。私は今、昨日の戦争の件について話に行くところだ。国は結構大きく、田畑も多く、結構住み心地が良さそうだ。
「ついた」
大和の神が集まりそうな大きな建物。1つ訂正。集まりそうな、じゃなくて集まる、だった。だって、門の前に
【大和神大集会場[会議中]】
って看板があったからね。
「よし、じゃあ・・・突っ込みますか」
私は少し後ろに下がり、門に向かって走り、跳び、蹴った。神力10%だして。