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両親said
『あなた……』
『あぁ…でも斗亜が決めたことだから。』
『そうだけど…バスケをやっているときに発作が起こったら?』
『その時は斗亜自身がちゃんと出来るだろう。』
『でも…移植ってことは斗亜の心臓は弱ってきてるってことよね…いつか……いつか宣告されるのよね……余命。』
『そうだな。』
『どうして!?あなたはそんなにも落ち着いていられるの!!』
『オレらが落ち着かないでどうする!!病気を知ってツラいのは、これから病気と闘わなきゃならないのは…斗亜だろう?…由美子…オレら親がしっかり支えてやろう??』
『ごめん。取り乱したわ。』
『いや、当然さ。斗亜を思えば心配しない方がおかしいんだ。』
『啓介にはちゃんと伝えなきゃならないわね。』
『隠していてもいずれ知られてしまうんだ。帰ったら話そう。』
『………。』
『大丈夫だよ。斗亜は。病気になんか負けない……負けないさ。』
病院からの帰り際、車のなかで父も母もそれぞれに考えにふけていたが斗亜を支えてやろうと決めたのだった。