日常
『おはよー。』
オレは朝がものすごく弱い。
いつものテンションでリビングに起きていく。
『おはよう。』父さんだ。
『ご飯出来てるわ。』母さんだ。
『早くしないと遅れるぞ。』けい兄だ。
『本当、早くしてよね。』……?
確かオレの家族は、父さんと母さん、啓介という兄貴とオレの4人家族だったはず。まだ起きたばかりで働きにくい頭がフル回転しやっと理解する。
『なんでお前がいるんだ?』
『あんたが遅いからでしょ。早くしないと練習に遅れるよ?』
『そっか…じゃねぇよ!なんでいつもオレの家に美玲がいるんだってこと!!』
『あら、いいじゃない。美玲ちゃん以外に毎日斗亜を起こしてくれる人はいないわ。あたしだって寝起きが悪いあなたを起こすのは大変だもの。助かってるわ。』
母さんが美玲の肩を持つから美玲は遠慮するどころか、もう家族として受け入れられていた。
というのも関城美玲は、オレ…波崎斗亜の幼なじみ。物心ついたときから一緒にいた。
今は海成高校1年でオレはバスケ部、美玲はバスケ部のマネージャーをしていた。
そしてもう1人……
『とぉーーーあぁーーーー!!!』
来た来た。噂をすればってやつだな。深沢拓真は同じ海成高校1年のバスケ部だ。拓真とは小学4年でバスケを始めてから仲良くなった。
『あっ!お母さん、お父さん、けい兄さん、おはようございます。おい、斗亜ーはやくしろよー。せっかくオレがテレパシーを感じ取って来てやったのに、まだ用意できてねぇじゃん。』
『できてるよ。』
『っうわ!?美玲!』
『なに?斗亜の練習の用意ならできてるよ。斗亜早く身支度して行くよ!!』
『んー。』
ご飯を食べながらもまだ寝ぼけていたオレに2人のビンタ…いや、愛のムチがとんできたのは言うまでもない。