表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/102

<悪魔>

「ところでヨルダ爺、この三人組だけど……もう何者か分かっているのか?」

リピウスが興味深げに、少し身を乗り出して聞いた。


「さて……どうしたものかの」

ヨルダ爺は、珍しく慎重に言葉を選んでいるようだった。


「なんだよヨルダ爺、これも禁則事項なのか?」

隣でデュークも身を乗り出し、知りたそうに詰め寄る。


ヨルダ爺はしばらく考え込んでいたが、やがて一つ息をついた。

(そろそろ話しておく時期かもしれんな……)


「そうじゃな、二人も知っておいた方が良いじゃろう」


ヨルダ爺は、謎の三人組についての真実を語り始めた。

まず、この三人は「上級悪魔」と呼ばれる、天界からも指名手配されている賞金首であること。そして、杏子が800年前から追っている宿敵だということ。


「800年前から……?」


「そうじゃ。このシルクハットの男は、800年前に初めて霊界の追撃をかわして逃げおおせた悪魔なんじゃよ」


「ちょ、ちょっと待てよ! 悪魔がその辺をうろついているのかよ? それは怖すぎるって!」

デュークが顔を引きつらせて叫んだ。


「デュークも悪魔が怖いのか?」

「怖いに決まっているだろう! 奴らは人間を襲って、魂と血肉を喰らうんだ。メインの狙いは魂だ。その意味じゃ、おいらたち死神だって襲われるってことだよ。しかも、こいつら霊視もできるんだぜ。おいらたち死神程度じゃ、とても対処できる相手じゃないんだよ!」


「じゃから、この話はあまりしたくはなかったんじゃ。デュークは人一倍怖がりじゃからのう」


「そんなヤバい連中が、なんで繁華街をウロウロしてるんだ?」

リピウスは「悪魔」と聞いても、まだどこか現実味が湧いていないようだった。


「それは、わしにも分からんのう……」


「いや、それ以前に、俺には『悪魔』という存在そのものがよく分からないんだけどな」


そこでヨルダ爺は、改めて悪魔という存在について説明した。


悪魔は、人間から発生する。人間が悪魔に変貌することを「悪魔落ち」と呼ぶ。

原因は極度の恐怖や憎悪といった負の感情に魂が飲み込まれ、防衛本能的に霊魂を魔力の壁で覆ってしまう現象を指すのだという。


その時点で肉体は既に死んでおり、霊魂が元に戻ることもない。

以降、中の霊魂は悪魔のエネルギー源としてのみ機能し、悪魔が死ねば霊魂も消滅する。もはや幽界に戻ることすら叶わないのだ。


悪魔が人間を襲うのは、霊魂をエネルギー源として取り込むためと、自分の肉体代わりに血肉を吸収するため。そのため、実体のない霊界人であっても、悪魔にとっては格好のターゲットになる。


悪魔には下級、中級、上級の三タイプが存在する。

上級悪魔は極めて稀にしか生まれないが、彼らは下位の悪魔を支配し、使役する。さらに一部の人間さえも魅了して下僕にするため、極めて厄介な存在として恐れられていた。


「その厄介な上級悪魔の中でも、ダーズリー卿は最上位の存在なのじゃよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ