表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/62

<中華街へGO!>

しばらくの間、三人は霊力ドローンの話や、画面に映し出されている中華街の様子を見ながら楽しんでいた。

すると急にリピウスが時計を見て、声を上げた。


「お! そろそろいい時間だな」


「ん? 何がいい時間なんだ?」

デュークが怪訝そうに尋ねると、リピウスは立ち上がり、二人の前へ進み出た。


「今日はね、今までのお礼と俺の誕生会を兼ねて、二人に中華街でご馳走させてもらいたいと思ってね」

そう言って、リピウスは深々とお辞儀をした。


「え? ええっ?」

デュークは意味が分からないのか、妙にオロオロしている。


「ほっほっほ。お礼なんぞ、わしらこそいつも美味しいコーヒーとお菓子をご馳走になっておるだけじゃろうが」

ヨルダ爺も顔の前で手をヒラヒラと動かしながら、苦笑いをしている。


「いやいや、俺は二人には本当に感謝しているんだよ。身寄りもなく一人ぼっちで、危うく死にかけたんだからな。それをデュークとヨルダ爺が助けてくれたし、それ以降も親身になって寄り添ってくれたじゃないか。どれだけありがたかったか……」


リピウスは神妙な顔をして、改めて深く頭を下げた。


「よせやい。ヨルダ爺の言う通りだぜ。おいら達こそお前に会って、随分楽しませてもらっていると思っているんだからな」


「デューク、まあ良いではないか。それでリピウスの気が済むのであれば、今回は厚意に甘えるとしようぞ」


ヨルダ爺の言葉に、リピウスは本当に嬉しそうに頷くのであった。

リピウスはテーブルのカップなどを手早く片付けると、二人に外出の準備を促した。


「ヨルダ爺も、靴とかは持っているんだよな?」

リピウスは鞄を肩に掛けながら確認する。


「大丈夫じゃ、いつでも出せるようにしておるぞ」

「だけどよ、ここから中華街って結構遠いだろ。時間は大丈夫なのか?」

デュークが心配そうな顔をした。


するとリピウスは、何もない空間から【大きなドア】を取り出した。

「大丈夫だよ。――『どこでもドア』があるからな」


「お、お前……なんだよそれ!」

「ほっほっほ。これは『ワープ・ドア』じゃな」


「リピウス、ワープまでできるようになったのか?」

「そうなんだよ。これも二人に披露したくてな。まあ『ご馳走』っていうのは、お披露目の口実みたいなもんかもな」


リピウスは少し照れたような顔をして、そのドアを開いた。


ヨルダ爺たちがドアの中へ足を踏み入れると、そこは八畳ほどの部屋のような空間だった。

天井全体が柔らかな光を発しており、部屋自体は明るい。しかし窓はなく、パイプ椅子が二脚ほど置いてあるだけの、ガランとした殺風景な部屋だ。

入ってきたドアのちょうど向かい側に、別のドアが見えた。


ヨルダ爺は興味深そうに、部屋の中を歩き回っている。

「リピウス、ここが中華街なのか?」

デュークが怪訝そうに聞くと、リピウスは手をヒラヒラ振って答えた。


「違うよ。中華街は、あっちの向かいのドアを出た先だよ」


デュークが改めて向かいのドアを眺めていると、ヨルダ爺が壁を叩きながら呟いた。

「これは……【ディメンション・ルーム(亜空間)】じゃな」


「ええっ!? リピウス、ディメンション・ルームまで使えるようになったのかよ!」


「まあな。これも最近覚えたばかりで、まだ内装とかはいい加減だけどな」


「凄いな! ディメンション・ルームっていったら、霊界人でも憧れの能力だぜ。これが使えれば、わざわざ家を借りなくても済むからな」

デュークもペタペタと壁を叩きながら、驚きを隠せないようだった。


「リピウスは時空間係の能力適性が高いようじゃの。中々に良い出来じゃぞ」


「ありがとう、ヨルダ爺。……でも、そろそろ中華街へ行こうぜ」


リピウスは二人をパイプ椅子の方へ誘い、靴を履くように言うと、自分も靴を履き替えて向かいのドアの前へ立った。

二人が準備を整えたのを確認し、リピウスがゆっくりとドアを開ける。


三人は、未知の味と光景が待つ「中華街」へと踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ