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そのアルカナは、死神。〜共感不可だらけのデスゲーム〜  作者: 宵月玲


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7/50

正位置、逆位置

始まりと終わり。

……起き抜けは最悪だった。

つーか、なんだよあんなふざけた夢は。

あー、気持ち悪い。

場面はコロコロ変わるし、なんか、俺変な魔法?の詠唱?みたいなのしてたよな。

顔を洗いながら思い出そうとするも、うまくいかない。

ロクに寝られねえし、ふざけんなよ。

マジで眠い。筋肉痛がひどい。


ガン!

痛ってぇ…あああ!!!

今時タンスに小指ぶつけるかあ?

何から何まで最悪だった。

もうやる気なんざ、ゼロかラッシュだっつーの。


「朝からいい加減にしろよ…………ん?」


タンスに小指をぶつけた衝撃で物がドサドサ落ちてきた。

年賀状の束やらチラシやら忌々しい税金の未納の封筒やらなんやらの上に、何故か。


「これ、……タロットカードだよな。んっと、この図柄は……DEATH……死神?」


古ぼけた1枚のタロットカードが。

髑髏が、爛々と。

まるで存在感を主張するように、置かれていた。

それも、逆位置で。


「……たしか、昔どっかで買ったんだったか。すっかり忘れてたわ」


そうだった。

昔タロットカードをテーマにした漫画とかゲームとかがきっかけでタロット占いに行ったっけか。その帰り道に買った記憶がある。

でもなぁ。

俺、飽きっぽいんだよ。

すっかり埃は被ってるし、捨てたかどうかもわかりやしない。ルールもうろ覚え。


「懐かしいなぁ。でも覚えてるのはせいぜい正位置とか逆位置とか位か」


タロットカードは同じ絵柄でも置かれた位置……正位置と逆位置で意味がガラリと変わってしまう。当時はよく一喜一憂したもんだよ。

にしても……


「なんで1枚だけ? しかも逆位置なんて……」


ーーー考えても仕方ないか。

痛む足の小指にイライラしながら急いでバイト先の集合場所に向かうことに。

こんな日に限ってきっついポジションなんだろうな、どうせ。


点呼担当のリーダーに名前を告げる。


「桔梗 雫です」


あーあ、天気も曇ってきやがった。

傘、持ってきてねー。


やっと名乗った。

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