鬱、うつ、わたし、ワタシ。
疲れ果てた日々のこと。
…………ゆめ。
夢を見ています。
夢です。
私は立っています。
何処に?
水面です。
身体は半分は水に浸かったままです。
そこは、不思議な場所。
神社の鳥居。
それがたくさん。
よくある、一直線に並ぶのではなく。
法則とかはありません。
逆さになってて地面…なんでしょうか。水面ですね。刺さっています。
そんな鳥居もあるんです。
透き通ってはいないようで、透き通っているようで。
水面の底は、何かが見えそうで、見えないんです。
じっと、立ち尽くしていると。
誰かがいます。
鳥居をくぐってから、少しづつ、近づいてきます。
どうやって?
水面の上を歩いて。
声をかけようとして、気付きます。
声が、出ません。
唇はもごもごと動こうとするのですが、音が、出ません。
近づいてくる誰かは、真っ赤なコートを着込んでいました。フードを目深に被っていました。
私が見える場所まで近づいてくると、何故か、しゃがみ込みました。
そして、どこから取り出したんでしょうか。
ワインボトル…でしょうか。を取り出し、コルクを開けて、その中身をゆっくりと、水面に浸していきます。
ゴポリ。ごぽり。
水面はどんどん、色を変えます。
その誰かの衣装が彼岸花のようで。
そのワインボトルの中身も、真っ赤なワインのようで。
白く……乳白色のような、でも透明のような水面は、どんどん真っ赤に染まっていきます。
そして、ワインボトルの中身を全てぶちまけた後は。
また、ゆっくりと、真っ赤に染まった水面が、元の乳白色の色に戻っていきます。
ワインボトルを注いでいた誰かさんは、くるりと背を向けて。
ゆっくりと、鳥居の方へ歩いていきます。
何故か、彼岸花の香りがしました。
私は、何も動けません。
何も、喋れません。
ただ、見ていました。
ただ、浸かっていました。
夢だとわかっているのに、目覚めようとすると、動けません。
不思議です。
水面の底は、何も見えません。
見えそうで、見えません。
ワインボトルが沈んでいないか、目を凝らしますが、見えません。
ただ、何かが。
見て欲しいと願うように。
それは、少しづつ大きくなっていきます。
見慣れた形です。
鳥居が動き始めます。
乱雑に積み上がったり、倒れていた鳥居は、ビデオの巻き戻しのように、元の形に整列し始めます。
私の周りの水面は、例えるなら、水の階段でしょうか。
水がひとつの正方形のブロックになって、足場を作り始めます。
その水のブロックの道を登ると、整列が終わった鳥居達が待ち構えていました。
私は、少しづつ、進みます。
ゆっくり、ゆっくり。
この夢が終わらないように。
この夢を壊さないように。
ゆっくりと、ゆっくりと。
大切だった日々のこと。




