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そのアルカナは、死神。〜共感不可だらけのデスゲーム〜  作者: 宵月玲


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50/50

鬱、うつ、わたし、ワタシ。

疲れ果てた日々のこと。

…………ゆめ。


夢を見ています。

 

夢です。


私は立っています。 


何処に?


水面です。


身体は半分は水に浸かったままです。


そこは、不思議な場所。


神社の鳥居。


それがたくさん。


よくある、一直線に並ぶのではなく。


法則とかはありません。


逆さになってて地面…なんでしょうか。水面ですね。刺さっています。


そんな鳥居もあるんです。


透き通ってはいないようで、透き通っているようで。


水面の底は、何かが見えそうで、見えないんです。


じっと、立ち尽くしていると。


誰かがいます。


鳥居をくぐってから、少しづつ、近づいてきます。


どうやって?


水面の上を歩いて。


声をかけようとして、気付きます。


声が、出ません。


唇はもごもごと動こうとするのですが、音が、出ません。


近づいてくる誰かは、真っ赤なコートを着込んでいました。フードを目深に被っていました。


私が見える場所まで近づいてくると、何故か、しゃがみ込みました。


そして、どこから取り出したんでしょうか。


ワインボトル…でしょうか。を取り出し、コルクを開けて、その中身をゆっくりと、水面に浸していきます。


ゴポリ。ごぽり。


水面はどんどん、色を変えます。


その誰かの衣装が彼岸花のようで。


そのワインボトルの中身も、真っ赤なワインのようで。


白く……乳白色のような、でも透明のような水面は、どんどん真っ赤に染まっていきます。


そして、ワインボトルの中身を全てぶちまけた後は。


また、ゆっくりと、真っ赤に染まった水面が、元の乳白色の色に戻っていきます。


ワインボトルを注いでいた誰かさんは、くるりと背を向けて。


ゆっくりと、鳥居の方へ歩いていきます。


何故か、彼岸花の香りがしました。


私は、何も動けません。


何も、喋れません。


ただ、見ていました。


ただ、浸かっていました。


夢だとわかっているのに、目覚めようとすると、動けません。


不思議です。


水面の底は、何も見えません。


見えそうで、見えません。


ワインボトルが沈んでいないか、目を凝らしますが、見えません。


ただ、何かが。


見て欲しいと願うように。


それは、少しづつ大きくなっていきます。


見慣れた形です。


鳥居が動き始めます。


乱雑に積み上がったり、倒れていた鳥居は、ビデオの巻き戻しのように、元の形に整列し始めます。


私の周りの水面は、例えるなら、水の階段でしょうか。


水がひとつの正方形のブロックになって、足場を作り始めます。


その水のブロックの道を登ると、整列が終わった鳥居達が待ち構えていました。

 

私は、少しづつ、進みます。


ゆっくり、ゆっくり。


この夢が終わらないように。


この夢を壊さないように。


ゆっくりと、ゆっくりと。



大切だった日々のこと。

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