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そのアルカナは、死神。〜共感不可だらけのデスゲーム〜  作者: 宵月玲


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リンク→過去と今

いやなオモイデ。

「……瀬さん。片瀬さん!」


「はっ! ……あ、す、すみません」


「後で来なさい。話があります」


仕事中、うっかり寝てしまいました。

よりにもよって、正社員の原田課長に……

しかも、呼び出しされるなんて。


そして、終業時間。

ですが、これからはやめてほしい時間。

そう、叱責される時間です。

原田課長が座るデスクの前にそっと立つ。


「……どうして呼び出されたかはわかりますね?」


「はい。……仕事中、居眠りを……しました」


よりにもよって、仕事に厳しい原田課長がいるタイミングで居眠りするなんて。  

……本当にどうかしています。でもそれも、全て私の責任。言い訳はありません。


「派遣元に今回の件、報告はしていません」


「え? 何故、ですか?」


思いがけない言葉に一瞬、心が踊りましたが、それも束の間。

……嫌な予感しかありません。

私のような派遣社員は、何かやらかしたら真っ先に派遣元にクレームが飛ぶからです。


「片瀬さん。睡眠は、ちゃんと取れていますか?」


「は、……はい」


「でしたら何故居眠りを? 業務時間ですよね?」


「…………はい。申し訳、ありません。….……」


原田課長の言葉のメスがじわり、じわりと肉を裂く音が聞こえてくる。

やめて、やめてください。


「お疲れのようでしたら、業務時間の調整、見直しを検討しなくてはなりません。もっと働きたい他の派遣社員の方々もいますので」


「…………居眠りをした事については、私が全面的に悪いです。言い逃れは、しません。ですから、それだけは….…」


「……ふぅ。ま、いいでしょう」


収入が、それよりも生活費が、減らされるリスクをギリギリで回避出来たのは、本当にただの温情でしかありません。


「次は、ありませんよ?」


「……はい。この度は、誠に申し訳ありませんでした。」


かけていた眼鏡を拭きながら、原田課長はじっと、私をみつめてます。

まるで、嘘はつきませんよね? と、試されているかのようで、本当に、辛い……


謝罪を終え、重い足取りで会社を出て、真っ直ぐ帰宅しました。

寄り道なんて、する気は起きません。


食事も作る気力がなく、仕方なくコンビニで以前買い溜めしていた冷凍パスタをレンジでチン。

ゆっくりと食べ終え、お風呂に入り、嫌なことを全部忘れようと、早くパジャマ姿に。


布団に入り、眠りの世界へ。

…………眠れません。

私は、昔からこうなのです。

嫌なことがあった時、それが夜寝る時に限って、何度も何度も、脳で再生されてしまうのです。


ああ、今日もです。

また、明日も、居眠りしそうです。

こんな時、誰かが。

こんな私を、、助けて、くれたら。



つらいオモイデ。

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