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そのアルカナは、死神。〜共感不可だらけのデスゲーム〜  作者: 宵月玲


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スポットライト

誰かを応援すること。

……起きたのは昼過ぎ。 

あれから、棚にあった舞台台本を片っ端から読んでいて思わず寝ちまった。

ふぅ。……こんなことは、久しぶりだ。

おや、思わず若返った言葉になってしもうたわい。


顔を洗う水がいつもより気持ち良い。

こんなことは、いつぶりだったかのう。

気が向いたとは、このことを指すのやもしれんな。

娘に、会いたくなった。


…………だからといって、娘の劇団の稽古場に行くなんざ、わしはどうかしとる。

そもそも、場所もわからんわい!

だから途方に暮れた。

……辿り着いた答えは、チケットに書いてあった公演予定の劇場だった。

小規模の劇場。小屋と呼ぶべき場所じゃな。


入口に近づくと小屋の掲示板がある。

そこには、舞台衣装に包まれた役者達がポーズを決めたポスターが貼ってあった。

『天守物語』 うむ。これじゃな。

じっと、目を凝らす。


……如月、………如月、…………あった!

あったわい! 如月 灯の名前がある!

きちんと、役柄と名前が記載されておる!


その時、どれだけわしが嬉しかったか、わかるか?

年甲斐もなくはしゃいでいたわしを、笑うか?

笑え! 笑え! 笑いたいだろうに、笑え!

思わずポスターを持ち帰ろうとしてしまったわしを、笑え! 笑わんかい!

……ああ、止められたわい。警備員にな。


…………ドラマじゃあるまいし、ここでばったり、娘と会うことなんて、あるわけなかろう。

昔の芝居仲間と会うなんてことも、あるわけなかろうて。

そいつらの誰かが、劇団関係者になっていて、娘と関わりがある? カカッ! それは有り得るかもしれんがな。


だが、心配はしとらん。

わしはな、大きい役だろうと、小さい役だろうと、それこそ端役であっても! 娘が自分で掴み取った役を大切に演じてな、わずかでも! スポットライトを浴びてくれればそれでいいんじゃよ。


だからこそな。

わしは舞台公演の日まで生きなくては、と誓ったんじゃ。

叶わぬ願い? 馬鹿も休み休みいえ。

わしは石に齧りついても、観るぞ。

娘の、晴れ姿をな。


おっと、何か花輪でも贈ろうかの。えっと、どうすればよいのじゃ?




自分を応援すること。

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