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そのアルカナは、死神。〜共感不可だらけのデスゲーム〜  作者: 宵月玲


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抱えた束縛

断ち切れない心。

気付いたら、夜の帳が下りていた。

あれから、知らないうちに寝入ってしまった。

無様に、乱れ咲いた紙乱舞。

わしの見苦しさの表れ。


掃除が嫌いだった。

いや、元々好きでもなければ嫌いでもなかった。

それが、刑務官時代のおかげでガラリと変わった。

……想像してみろ。ああ、待て、しなくてよい。

誰も、聞きたくないじゃろ? 

込み上げる吐き気が出てくる文章を読みたくないじゃろ? そう言え。


掃除をするだけでものすごく精神を使うのだ。

こればかりはわかるまい。

風呂に入るのも億劫になる。

それが、あれよ。

わしが抱えているものじゃよ。


集中力が続かない。

短い時間しか文字が読めない。

やる気が続かない。

新しいことを始めることが何より辛い。    

人と会うのが、こわい。

 

だからの。

いくら色々な趣味に手を出しても、無理なんじゃ。

踏み出せんのよ。

怖いんじゃ。

自分の中で、知らない自分が、いつの間にか自分をゆっくりと、足の先から、耳の先から、かじり、かじり、削り取られていつしか乗っ取られてしまうんじゃないかとな。


ただの。

年金の振り込み日だけが例外なんじゃ。

やりたい事が無限に出てくる。

汲み上げても汲み上げてもいくらでも湧き出る石油のように。


ああ、次はいつだ?

待ち遠しい。

カレンダーをめくる手を、思わず止める。

そうだったそうだった!

わしは楽しみにしとるんじゃ。

めくらずに、次の月に想いを馳せることを。

だから、そのままじゃ。


ーーー筆が進む。

開き直ってありのままの醜い自分をそのまま加工していない原材料そのままでぶちまければいい。

だからだろうな。

どこか、他人事で。

どこか、わしの本音で。


…………舞台。いつだったか。

わしは、そっと箪笥の引き出しを開けた。




断ち切れない縁。

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