取材メモ→ボイレコなし、記憶で書き起こし。後で清書予定。
ルーレットは選んだ。
「……では、お聞きしても?」
「その前に乾杯! 乾杯が先じゃろ! ほれ、かんぱ〜い!」
「か、かんぱ〜い!」
場所→会社から離れた駅の高架下、おでん屋の屋台。ボイスレコーダーは取材対象が拒否。
「かっー! 生き返るの〜!」
「……ははは。そうですね。
上機嫌な及川 茂
おでんを突きながら、質問を切り出す→下世話な話の応酬。ここは完全にカット。
「そろそろ、お聞きしても?」
「何をじゃあ? さてさて、言っとくがつまらん話はお断りじゃ。仲間も売らんぞ」
「話というのは……この方についてです」
1枚の写真を見せる。
写真には、田中 勲が写っている。
一瞬動揺するも、にやけた笑みを見せる及川。
もちろん、目は一切笑っていない。※要警戒。
「…………」
「田中さんについて、お聞きしたくて」
「あのなぁ、記者の姉さん。いさおちゃんの何を聞きたいんじゃ」
及川、酒のペースが早くなる。
しばらくの間、お互いに無言。
「大将! 熱燗、もう一杯! それと、がんもくださいな、あと玉子も!」
「あいよ」
屋台の店主、大将と呼ばれている。
どうやら、及川とは長年の付き合いのようだ。
「今回の事件、田中さんは行方不明となっております。何か、事件に巻き込まれるような……」
「何も知らん!」
及川、私の言葉を遮る。
「何もわしゃ知らん! 知らんわ! そんな話するんなら、帰れ!」
勢い良く熱燗を流し込む及川。
しばらくお互いに黙り込む。
「……知らないなんて、なぜ嘘をつくんですか?」
「あ? ……なんじゃ、それ」
「私、杉澤 樹里は、記者として。田中さんの話を聞きたいだけなんです。こんな凄惨な事件に巻き込まれる事になった、被害者達の、繋がりというか、謎を知りたくて」
「はー、……お前さん、推理小説かなんかの読み過ぎじゃないかね?」
「娯楽小説と現実は違います。けど、謎を追い求めることに違いはないと思いませんか?」
おでんをかき込む及川。
渋々だが、話し始める。※清書最優先。
「いさおちゃんとは、まー、想像つくじゃろ。出会いは刑務所じゃった」
「わしは下手を打った極道。いさおちゃんは実直な刑務官。そんな関係じゃからな。ウマがあうわけもあるまい? そう思うじゃろ?」
「が、不思議なことに話す機会があれば、それなりに話はあったんじゃよ。何故かはわからん。……だがな、そんなもんじゃよ」
「刑務所での話はキリがないからここまでにするが、再会したのはそう、出所して、組から足を抜けて、……大分経ってからじゃな。偶然も何も。おお。本当にばったりじゃった」
「たまたま気分転換に出かけた釣りで釣果を持って帰る時にな、ボウズのいさおちゃんと再会したんじゃよ。ああ、ボウズは意味、わかるじゃろ? 釣果は0というやつじゃ」
「ま、その時はもういさおちゃんも刑務官を辞めていたし、わしと会う事にも、……おっと、いさおちゃんの名誉の為に言っとくぞ。いさおちゃんは別に好き好んで元極道のわしと会おうとしたんじゃないからな。ま、退職しても距離を置かなくてはならんのは流石のわしでもわかっとったからな」
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↑この部分は後ほど簡潔にまとめ。
「…………いさおちゃんの家族とか、そんな込み入った話は聞いたことないのう。ま、色々あったんだろうとは気付いてたが、いちいち聞くもんでもないからの」
「……ただな、家には決して上がらせてくれんかった。わしやいさおちゃんがどんなに酔っ払ってもな。それだけで、なんかあったんだろうとは勘付いていた」
「いさおちゃんは釣り以外にも色々趣味があったからな。他にも趣味繋がりの友人達はいるだろうが、いさおちゃんからはそんな話は自分からはしなかったからのう。わしが聞き出したら渋々話す程度よ、なんせ、多趣味じゃったからな」
及川、熱燗を飲む手を止める。
「記者さん、いや杉澤さん。あんた、大切な人はいるかい?」
「はい……いますけど」
「いるのかい。……だったら、これ以上下手に首を突っ込むのはやめときな」
及川、こちらを覗き込む。
「いさおちゃんの大切な人……わしにはわからんが、それに近しい人、事件を嗅ぎ回る人……狙われるんじゃあないかっての」
「…………それは脅しですか?」
「はっ! ただの勘よ。こう見えてもわし、臆病じゃからの。巻き込まれるのはごめんじゃよ」
席を立つ及川。
大将にお金を渡し、去っていく。
私も大将にお金を渡そうとするも、シゲさんから貰ったと言われ突き返される。
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ここで取材は終えている。
以下、新聞記事より抜粋、書き殴り。
自宅に残された田中 勲さんの持ち物には、舞台の観劇用の双眼鏡の他に、1枚のタロットカードが発見された。
(大アルカナ、吊るされた男のカード)
警察は引き続き、調べを進める方針で固まったとのこと。
蝋燭の溶け具合を。




