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そのアルカナは、死神。〜共感不可だらけのデスゲーム〜  作者: 宵月玲


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24/50

予言

選ばれた運命

アルマのお見舞いから数日。

すっかり元気になったアルマは、風邪でダウンした時間を取り戻そうと、教室ではいつもよりテンション高い。いや、落ち着いて。


そんなこんなで、修学旅行に不平不満を爆発させていたアルマはもういない。

少しだけホッとする。

いやいや、京都に着いたら着いたでまた何かやらかしそうな気もするけど……お願い。杞憂に終わって。


下校時間になり、アルマと途中まで一緒に帰って、うん。ようやく一人きり。 

家まであともう少しというところまで。

そんな、街角。


「あのぅ、いいかしら」


呼び止められた。


「ごめんなさい、落ちてないかしら? まわりに」


白杖を握った、おばあさんに。


「えっと、何を探していますか?」


「ポーチよ。紫色の。見当たらない?」


困り顔で白杖を地面にコツコツ当てている。

 

「えっと、……どこだろう」


道路にはないし、ひょっとしたら……道端?

うーんと。…………これかな?


「これですか?」


「ああ、これよ! ありがとうねぇ。助かるわぁ。おばさんの商売道具なのよぉ」


探したポーチを渡してほっと一息。


「見つかって良かったです。それでは」


「ちょっと待ってちょうだい! ねぇ、これを見て?」


おばあさんが慌てて呼び止めて、ポーチから白いハンカチを取り出す。 

え、なに? ……何が始まるの?


「おばさんね、こう見えてちょっとした占い師なのよ。今、あなたは何に悩んでいるのかしら?」


「え? べ、別に……何も」


「嘘おっしゃい。いいこと? あなたの悩み……それは、何?」


「いや、本当にないんですけど……」


え? なんで? 

私、困っているおばあさんを助けたら、なんで、問い詰められてるの?


「……あなた、どこか旅に行く予定はあるの?」


「あっ、はい。学校で、えっと、京都に。修学旅行に」


「あらそう! じゃあ旅先でのことについてがいいわね!」


白杖を持っていないもう片方の手で、器用にもハンカチが手の中で踊り出す。

そのハンカチの舞はやがて止まり、呆然としている私の手のひらにハンカチが舞い降りた。


「ハンカチを持ち上げてみてちょうだいな。あっ!そっとね。そおっと」


言われた通りに、ハンカチをそおっと、持ち上げた。


するとそこには、1枚のタロットカード。


うん? なんの模様だろう……?


「魔術師。それも逆位置ね。ふふふ。これはこれは」


タロットを指でなぞりながら、おばあさんがカラカラと笑う。

え? ……魔術師? それに逆位置? えっと、なにそれ……こわい。

そもそも、おばあさん、目が見えていないんじゃあ?


「修学旅行は、京都だったかしら?」


「は、はい」


「そう……これも因果かしら……」


丁寧にハンカチを畳むおばあさん。

手のひらにある魔術師のカードを返そうとするも、止められた。


「それは記念にあげるわ。今までね……色々な人達の想いを背負ってきたタロット。お守り代わりだと思って大事にしてちょうだい」


「ま、待ってください! あの、このカードの意味は?」


それには答えず、白杖でゆっくり、ゆっくり歩いていくおばあさん。

私はしばらく、呆然としていた。が、ふと我に帰り、道路を渡るも、いない。


おばあさんは、もういない。

アルカナの運命

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