修学旅行のしおり
修学旅行のバスは苦手でした。
「…………マジ最悪」
次の日。学校にて。
ホームルームで今年の修学旅行先が発表された。
「まさか被るなんて。中学で行ったのに」
さっきから机に突っ伏して愚痴を吐き出しているのは有麻だ。
「は、……はは。……京都は何回行っても良いって言うよね」
「そんなわけ無いじゃん!」
フォローしようとしたらガバッと起きた有麻。
あー、これ長くなるやつだ。
「あのね、京都は! 大人になって! なんか疲れたときにフラッと1人で旅したい場所なの! クラスの有象無象とワイワイガヤガヤ猿みたいに騒ぎたく無いの〜!」
「いや、有象無象って」
「だー! うるさい!」
一通り騒いでいた有麻はまた机にダイブ。
余りの血相を変えた様子に周りも担任も揃ってスルー。
……被るのはしょうがないとはいえ、あそこまで取り乱すかな?
チクリ。
まただ。
また、私の胸を刺す、悪寒。
…………ふう。ふぅ。
落ち着いて。落ち着け。
視界が赤くならないように、ゆっくり目を閉じて。
……ふぅ。ーーー落ち着いた。
ホームルームも終わり、さっき回ってきた修学旅行のしおりに目を通す。
……うん。回る場所はちゃんと要所を押さえてる。自由時間もそれなり。
あとは……
「班決めは、1週間後に発表か……」
何人で回るんだろう? 男女混合? それとも女子だけ?
後のお楽しみだって、担任は言ってたけど。
正直、無難にだけど。
好きな人達と回るにならないかな。
その方が疲れないだろうし。
のんびり有麻と2人でお寺巡りとかでも良いかな。
有麻はまだ漬物石みたくなってる。
早く元気出るといいな。
だって、バス酔いするし寝られないから。




