第33話:もち、謎の視聴者プレゼントに困惑する
【もち視点】
朝日が差し込む窓際、吾輩は日課である“ぽかぽか警備”をしながら、通行人の観察に余念がなかった。
すると、ドアの方から「カサッ」という音。
吾輩、即座に耳をぴくりと動かす。ご主人、すかさず立ち上がって玄関へ。
「もち、なんかポストに……あれ? 荷物……?」
彼女はうつむいたまま、見慣れぬ封筒を手に戻ってきた。吾輩、警戒態勢に入る。
茶色い封筒に、手書きの文字が踊っていた。
『もち様&みのり様へ♡』
「な、なにこれ……もち“様”って……うそ、ちょっと怖い」
ご主人、顔が真っ青だ。
吾輩的には“様”がついてるから格上認定だが、ご主人の警戒はMAXモード。封筒をぷるぷる震えながら開封する。
中から、まずふわりと香る……鰹節のかおり……。
「にゃっ(これは……!?)」
袋の中には、小分けになった猫用ちゅ~るが五種類。
金色のパッケージの「マグロとカニ風味」
ピンクの「まぐろ&ほたてミックス」
期間限定・サーモンバター味
“高級志向”と書かれた、猫用フリーズドライささみ
そして……ちいさな缶詰に入った「天然かつお節100%フレーク」!
「にゃにゃにゃにゃにゃ!(高級食材のオンパレードだと!?)」
吾輩、眼を見開く。これは尋常ではないぞ。吾輩史上、見たことのないおやつたちが目の前に――!
そして、封筒の奥には数枚の手紙。
『もち様のもふ毛に癒されて、就職活動がんばれました!』
『もち様の“にゃっ”に救われました。いつもありがとう。』
『このちゅ~る、うちの姫猫が気に入ったので、おすそ分けです♪』
『もち様、いつもお美しいです。よかったら食レポしてほしいです♡』
「……こ、これは……」
ご主人、手紙を一枚一枚読んで、目をまん丸に。
「……あれ? でも、なんで……? 住所、言ってないはず……だよね……?」
そして――ご主人、ハッとした顔でスマホを取り出す。
【みのり視点】
まさかと思いながら、私はインスタを開いて、過去の投稿を遡った。
……あった。もちを拾ったあの日、興奮しながら投稿した写真。
『この子、うちの家族になりました♡名前は“もち”!』
背景に写っていたのは……アパートのポスト。
そしてその奥に、がっつりとアパート名のプレートが!
「うっそ……! 思いっきり写ってるじゃん……!」
半年以上も前の投稿。
それを見た誰かが住所を割り出して、送りつけてきたんだ。
いや、送り“届けて”くれたというべきか……?
「こ、こわい……けど……なんか、嬉しい……」
不安と感動が入り混じる。だって、この手紙たちは、全部“もち”に向けて書かれてるんだよ。
「もち……みんな、あんたのこと……ほんとに見てくれてるんだね……」
すると、目の前で“ちゅ~る(期間限定・サーモンバター味)”を開けてしまっているもち。
「え、ちょ、待って! なんで勝手に開けてるの!」
「にゃぁ(うまい……これはうまい……)」
「だめでしょ! 貰い物だよ!? 何が入ってるか分かんないんだよ!?」
でも、もちの顔を見ると……どこか幸せそうで、無邪気で、まるで「これが俺のファンからの愛だ」と言っているかのようで――私は、ふっと力が抜けた。
「……はぁ。もう、あんたには敵わないよ」
~もち視点~
ご主人の膝の上に飛び乗って、すりっと頬を擦りつける。
「にゃ(だいじょうぶ。吾輩がこの家とご主人を守る)
彼女は少しだけ泣きそうな目で、でも笑って言った。
「……よし、せっかくだから“もち様のおやつ食レポ”でもやってみる? プレゼントにお礼もしなきゃね」
ふふ、ついにこの時が来たな。吾輩の“舌”が真の価値を見抜く時!
よかろう、吾輩にすべてを任せるがよい。
ちゅ~る界に革命を起こすのだ!
次回、第34話「もち、猫グルメレビューで舌鼓」へつづく!
朝日が差し込む窓際、吾輩は日課である“ぽかぽか警備”をしながら、通行人の観察に余念がなかった。
すると、ドアの方から「カサッ」という音。
吾輩、即座に耳をぴくりと動かす。ご主人、すかさず立ち上がって玄関へ。
「もち、なんかポストに……あれ? 荷物……?」
彼女はうつむいたまま、見慣れぬ封筒を手に戻ってきた。吾輩、警戒態勢に入る。
茶色い封筒に、手書きの文字が踊っていた。
『もち様&みのり様へ♡』
「な、なにこれ……もち“様”って……うそ、ちょっと怖い」
ご主人、顔が真っ青だ。
吾輩的には“様”がついてるから格上認定だが、ご主人の警戒はMAXモード。封筒をぷるぷる震えながら開封する。
中から、まずふわりと香る……鰹節のかおり……。
「にゃっ(これは……!?)」
袋の中には、小分けになった猫用ちゅ~るが五種類。
金色のパッケージの「マグロとカニ風味」
ピンクの「まぐろ&ほたてミックス」
期間限定・サーモンバター味
“高級志向”と書かれた、猫用フリーズドライささみ
そして……ちいさな缶詰に入った「天然かつお節100%フレーク」!
「にゃにゃにゃにゃにゃ!(高級食材のオンパレードだと!?)」
吾輩、眼を見開く。これは尋常ではないぞ。吾輩史上、見たことのないおやつたちが目の前に――!
そして、封筒の奥には数枚の手紙。
『もち様のもふ毛に癒されて、就職活動がんばれました!』
『もち様の“にゃっ”に救われました。いつもありがとう。』
『このちゅ~る、うちの姫猫が気に入ったので、おすそ分けです♪』
『もち様、いつもお美しいです。よかったら食レポしてほしいです♡』
「……こ、これは……」
ご主人、手紙を一枚一枚読んで、目をまん丸に。
「……あれ? でも、なんで……? 住所、言ってないはず……だよね……?」
そして――ご主人、ハッとした顔でスマホを取り出す。
【みのり視点】
まさかと思いながら、私はインスタを開いて、過去の投稿を遡った。
……あった。もちを拾ったあの日、興奮しながら投稿した写真。
『この子、うちの家族になりました♡名前は“もち”!』
背景に写っていたのは……アパートのポスト。
そしてその奥に、がっつりとアパート名のプレートが!
「うっそ……! 思いっきり写ってるじゃん……!」
半年以上も前の投稿。
それを見た誰かが住所を割り出して、送りつけてきたんだ。
いや、送り“届けて”くれたというべきか……?
「こ、こわい……けど……なんか、嬉しい……」
不安と感動が入り混じる。だって、この手紙たちは、全部“もち”に向けて書かれてるんだよ。
「もち……みんな、あんたのこと……ほんとに見てくれてるんだね……」
すると、目の前で“ちゅ~る(期間限定・サーモンバター味)”を開けてしまっているもち。
「え、ちょ、待って! なんで勝手に開けてるの!」
「にゃぁ(うまい……これはうまい……)」
「だめでしょ! 貰い物だよ!? 何が入ってるか分かんないんだよ!?」
でも、もちの顔を見ると……どこか幸せそうで、無邪気で、まるで「これが俺のファンからの愛だ」と言っているかのようで――私は、ふっと力が抜けた。
「……はぁ。もう、あんたには敵わないよ」
~もち視点~
ご主人の膝の上に飛び乗って、すりっと頬を擦りつける。
「にゃ(だいじょうぶ。吾輩がこの家とご主人を守る)
彼女は少しだけ泣きそうな目で、でも笑って言った。
「……よし、せっかくだから“もち様のおやつ食レポ”でもやってみる? プレゼントにお礼もしなきゃね」
ふふ、ついにこの時が来たな。吾輩の“舌”が真の価値を見抜く時!
よかろう、吾輩にすべてを任せるがよい。
ちゅ~る界に革命を起こすのだ!
次回、第34話「もち、猫グルメレビューで舌鼓」へつづく!




