俺の紹介した女がとんでもなかった件
なんだ? 松岡の様子が変だ。凄い元気がない!
「神崎てめぇ、とんとでもない女紹介しやがって!」
俺に食ってかかる松岡の声に怯んだが、見に覚えがまったくなかったので、質問を投げた。
「なんのことだよ?」
「佐々木のことだよ! 付き合ったらよ、朝起きたら、俺の部屋に何故かいるんだ。恐ろしくて…寝れねぇ!」
ざまあー! それは良い報せだ! あなたの不幸に祝福を!
俺の目に狂いはなかった。佐々木小次郎は鬼より強かった!
「てめぇー。何笑ってやがる?」
駄目だ笑っちゃ…堪えろ。しかし…天誅でござるよ。ゲス笑いしてしまう!
「はぁ〜遊びで付き合うつもりが、なんでこんな事に。」
お前がクズ鬼だからだよ! やばい笑いが…我慢して窒息しそう!
笑わないようにアドバイス送ろう。
「松岡さ、腕力とか迫力があるんだから、彼女に叱りつけたらどう? 収まるかもよ?」
「無理だ…スタンガン持ってる。一回やられた。それに、俺のかーちゃんと親密になってる。俺が良い息子じゃないからって、俺より親密なんだよ、外堀埋められた。」
へへへ、心で笑うんだ。器用に…な。
「中学生なんだから、そんなに親しくなるか?」
「あいつ口が上手いんだ。俺もそれで付き合うと思った。しかもあいつと会ったの、お前の紹介で初めてじゃない。幼稚園の時の幼馴染。完全に狙われてた。」
やめろー笑かしにくるな!
「へー俺のせいじゃないじゃないか。」
「いや、あいつ俺が子供の頃に拒否ってたから近寄らなかった。それがお前が紹介したせいでリミッターが外れたお前のせい。」
「いや、俺のせいじゃない。松岡がその子に気が付かなった。それが原因だろ?」
左手でお腹をつねりつつ、右手で手を振って否定した。
「いや、気がついたから話したんだ! 大体、俺に近づくなって言って大人しくいうこと聞いたんだ、その時は!」
机を叩いた音が教室に響きわたる。まるで松岡の行き場のない怒りが留まるように。
なんだこいつ全部お前のせいじゃないか。
この鬼、クックック…俺より情け無い。笑う〜あはは。
「何笑ってやがる! 襟を掴んで俺を脅す。」
しかし、今となってはそれも滑稽だ。俺を殴ったら停学になる。そうすると逃げ場がなくなる。俺の頭の回転の良さ…最早鬼も恐れる事はないんですよ!
「だって…無理あははは。」
「くっそ。」
俺の襟を離してしょげかえってるこいつを見て、俺はほくそ笑む。
最もこいつは仲間いたな…2人…あんまり刺激し過ぎたら、駄目だ。今は対等な関係だが、怒らせたらまたこいつが上位カーストだ。
「そんなに強いの?」
「俺がスタンガンで気絶から気がつくと、ずっと俺の顔覗き込んで、松岡君守る為にボクシングやったんだよー。偉いって褒めて。」
「ああ、強い精神力も強い。」
…マジで言ってる? 普通のホラー小説聞かせられてるみたい。
危ねえ…七瀬はやっぱり神だな。ハズレ引いてドンマイまっつー!
まぁ付き合ってないんだけどな。時間の問題だろう。フフフ。…いや…付き合ってないんだ…これ付き合って佐々木みたいになったら?
いやいや、恐らくそんな彼女千分の1だろう。この学校に2人はあり得ない。だよな?
人の不幸を喜ぶと、必ず帰ってくるブーメランの様に…俺は松岡の不幸全く喜んでないセーフ!
「大変だな。察するよ…俺で良ければ力になれることがあったら言ってくれ。」
完璧! だけど佐々木と戦うの無理! こいつより怖いもん。
「神崎すまない…何か策が出来たらその時は頼む。」
「ああ、分かった。」
頼む…策を思いつくなよ。そして俺を巻きむな。鬼と佐々木小次郎だけで同士討ちしてくれると世界は平和になるんだがな。
さて、俺のこれから出来る事…なんだろう?
思いついた! ヤンデレ実体験を調べてみよう。あいつがふかしてる可能性もあるよな。大袈裟なんだよ、あいつは。そんなの実在する訳ない。
…
…
いや、嘘だろ? アレでもマシな方かよ! 女怖過ぎるだろ! そりゃ独身男性増えたってニュースやるよ…怖いー!
夜寝れねー!
でも待て…ネットだぞ? ふかしてる可能性もある。ふぅ…はぁ、何が本当で何が嘘なのか。
だってニュースで刺されたとか、殆ど女性だし。そうだよ! 作り話さ!
くっ…痛い…自分が。そもそも彼女すらいないのに、怖がってるなんて…七瀬彼女扱いかよ!
だが俺の妄想力の高さが恐ろしい…現実に起こるんじゃないかと、俺に布団を被せた。布団からカメのように顔を出して辺りを確認する。
いる訳ないな…あれ? ちょっと待て!
付き合ってもいない子を彼女扱い…これって俺がヤンデレじゃないの…か?
ヤンデレを恐れて俺がヤンデレになるなんて、笑い話にもならん。くだらん! これでぐっすり寝れるわ。
…部屋鍵付きにするか。