妹が名前を勝手に決めました。卒業式で叫べと迫ります……助けてください
昨日、イマジナリー妹愛してるとか言えって言ったけど、俺のことそれ好きだから言わせたいって事だよな? でもそれ恋愛の好きじゃないよな?
お兄様、恋愛の好きに決まってますよ、どんだけラブコメの主人公みたいに鈍感なんですか。
ええ? 妹設定なんですが?
だって、賢くて顔が良くて、冷たい事言ってるけど凄く優しくて、面白くて可愛くて。ヘタレな癖に、人が困ってるとちゃんと勇気出して動いてくれる。そんな人好きにならない訳ないじゃないですか。
お前…褒め過ぎだろ…一個貶してるけど。
さぁ、私告白しました。お兄様やってくれますね?
えー? 何を?
卒業式で愛を叫ぶんですよ、決まってますが?
いや、それは無理。
何故ですか、こっちは真剣に告白したと言うのに! 裏切りだ! この裏切り者め。
何故に? 裏切りじゃないし、そもそも妹設定なんだから俺に惚れちゃ駄目だろ、そこは。
だってお兄様も、私の事好きですよね。愛してますよね?
いや、俺は七瀬が好きなんだって。
…振りやがった、こいつ…じゃなかったお兄様えへ。
…えーこれツッコミすれば良いのか、慰めるのか分からん。
慰めてなくて大丈夫ですよ。ここは、空気読んでそうだな。がベストだと思ったので。じゃ早く七瀬様と付き合って、子供作って別れて、私と子育てやりますか。
やりますかってやらんわ!
ですよね。七瀬様とは片思いで終わって、高校別々で、結局私と付き合う事になりますもんね。
いや勝手に未来プラン立てないでくれる?
そうですね。そもそも肉体ないので、付き合うのは駄目なんですよね。
そうだな…あったら好きになってたかもな。
おや? 好きになってたかもって、もうなってますよね? 告白されて、気持ちが揺らいじゃました?
揺らいでね〜。お前とは今の距離感が良いっていうか、妹として、これからもよろしくして欲しい。
妹設定フィルターを行使してますね…ですがお断り! その設定は無理があると思います、はい。むしろ…お父様設定のが説得力あるような?
いや〜確かに俺が想像して作ったけど、中学生で父親設定のが無理だろ。やはり妹設定に落ち着くだろ。
まぁそんな事、どうでも良いですけど。
お前が言い出したんだろ! 何その投げやり。
それより卒業式で愛を叫ぶことのが大事です。
なに、まだその話終焉してなかったの?
はい、諦めません……思ったんですけど、イマジナリー妹って名前変ですよね? そんな名前叫んだらお兄様、変人扱いされちゃいますね。
おい! 今頃! 遅いって、気づくの。
ですね…どうしましょ? お兄様、良い案ありますか?
良い案ありますかって、やる前提じゃないか。ツッコミが追いつかないよ。
…名前を私につける…変更するのか…この場合…お兄様案は浮かびました?
それ俺に聞いてる様で、自分の案で進めるぞって言ってるよね?
苗字は…神崎で良いですよね? 結婚しても変わらないし。
俺の話聞いてないね? 耳を突き放した?
お兄様、ちゃんと聞いてますよ。それで私の名前決まりました?
…神崎デビルはどうだ?
お兄様却下…毒親がつける名前ですよね。役所に止められます。真面目に考えて下さい…これだから返事しないんですよ、プンプン!
いや、ピッタリだろ。それよりお前が、怒るのにびっくりしたわ。
そこですか、お兄様。女の子らしい可愛いのが良いです。自分でも考えてみます。
詐欺師だから、神崎サギは?
却下です…そういうのいらないんで…んー?あの…私のイメージ破滅的じゃないですか?
頼りにはなるイメージだから心配すんな。
…神崎ひよりはどう?
ひより? 悪くはないと思いますが、何故?
AIに考えて貰った。
あの…お兄様っていつも人任せですよね?
頼ってるの人じゃないがな。
そこじゃないですよね? でも決め方に一理あります。ではこうしましょう。女子の人気ランキング上位から選ぶというのはどうですか?
お前も、もう名前考えるの飽きてるだろ?
上位はえまか、ゆいだな。
そのどちらかにしましょう! ならミックスにします? エマ・ユイ・ヒヨリ。
それもう名前じゃないだろ!
神崎の苗字に合いそうなのユイですね。
神崎結衣にしますね。エマは男子ウケしそうですけど、お兄様以外興味無いので。
早いな決めるの。それに俺の意見聞かないのか?
はい、お兄様は優柔不断なので、聞いたら思考の闇の奥深くに沈んでしまう…そう…思考しました。
妙に深い言い方だけど決めた理由雑だよね?
さて、名前が決まったので後は実行するのみですね。ユイ〜愛してるぞー! と叫んで下さい。一年まで猶予あるので練習沢山しておいて下さい。
いや、しないからな。完全に誤解されるし、するメリット皆無。
フッ、お兄様…練習は不要だとおっしゃるのですね?
いや、そんな事一言も言ってないね。メリットがないとおっしゃってます。
メリットはないですけど、デメリットはあります。
駄目じゃん!
確かに駄目ですね。じゃあ、お兄様メリット考えて下さい。
…俺が考えるのかよ! 会話が成り立ってないぞ、なんて理不尽なんだ。
メリットなくても、お兄様はやってくれますよね?
やらないよ。七瀬の事好きなのになんでそんなの言うんだよ。
えっ? じゃあ今までの会話なんだったんですか?
…俺に振られた会話と名前決めた会話?
確かに、他に好きな人いて別の子の名前叫ぶのは…配慮が足りませんでした。
やっと気づく? そこ。
では、最大限配慮して、小声でやって下さい。これなら良いですよね?
なんだよ、結局やるのかよ…忘れなければな。
それ絶対忘れてやらないやつ! お兄様あと別のお願い聞いてくれますか?
うわぁ〜まだあるのかよ。ラスボス倒したら、復活したぐらいの絶望感だ。
俺が妄想してると肩を叩かれ、後ろを振り返ると、絵梨奈ちゃんが微笑んで立っていた。
「こんにちは、神崎先輩…あの…クリスマス前にですね…明日、お菓子持って来るので…試食してもらえませんか。」
彼女が胸に手をやり、モジモジと身体を横に動かしていた。
相変わらず仕草が可愛い…見惚れてしまうんだよな。
「分かった、明日、絵梨奈ちゃんの教室にお邪魔するよ。」
「来てくれるんですか? そんな、私がきますよ。」
彼女が人差し指同士をくっつけながら言う。
本当は来て欲しそうな仕草だった。
「お菓子作ってくれるんだ。俺が行くのが礼儀だろ?」
「ふふ、じゃあ…待ってますね、神崎先輩。」




