表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/35

涙を抱きしめて…SNS悪口なんかに負けない

うあぅぅ。


七瀬が両手でスマホを掲げて、うずくまるように体を丸めていた。


「どうした? お腹痛いのか?」


「違うよぉ〜! 私SNSで凄い悪口言われてた。見てよ!」


スマホを突き出されて、その画面を食い入るように見ると、文字が見え俺は、その文字を口に出して読んだ。


「悪口? 七瀬、男子に媚び売りすぎ。調子に乗ってる。あだ名がカップルクラッシャー。」


「見た? 酷すぎる!」


どうやら女子軍団の2人が書き込んだようだが、他のやつもいそうだ…な。


彼女を慰める言葉を、イマジナリー妹に聞こうとしたが、俺は踏みとどまった。


なんでもかんでも、彼女に頼っていたら、俺はイマジナリー妹の、操り人形になる。


ここは自分の力で、彼女を勇気づける覚悟をして、手に力を込めて明るく俺は、七瀬に接した。


「なんだよ、悪口じゃなくて本当の事じゃないか。」


「えっ? そうかな? なんだ本当のことか!」


泣き腫らした目が充血してる。それでも俺の声に笑み…溢れてくれた。


「あはは、そう考えると笑い話だね。神崎君、ポジティブ!」


でもよく見ると、悪口も書いてあった。すげーブ…言わない方がいいかな。もう言えないよな。



これ全部見てないよな?

一応確認を彼女にした。全部読んでたら、本当のことがって違う意味になると思ったからだ。



「見てないよ? 途中で辛くて見るの辞めた。神崎君の言いたい事分かってるから。私そこまで単純じゃないからさ。」



「男子に媚び過ぎ。」


スマホを見ながら彼女が呟く。


「これは男子に配慮出来る素敵な女子ってことで、調子に乗ってるように見えるほど輝いてるって事で、カップルクラッシャーが魅力的過ぎてそうなるって事。言いたかったんだよね?」



「そこまで言ってないが。捉え方次第ってことならそうだが。」


俺は頷き、親指を立てた。


「よく分かってるね。」


「でしょ! 神崎君って端折るからさ。分かりやすく丁寧に説明しないんだもん。読み解く力も上がるよ。」


彼女が手で俺の太ももを軽く叩いて、笑った…だけど…七瀬が顔を伏せたあと、体が震えていた。


「でも、捉え方次第でもやっぱりつらいよー。涙が止まらないの。」


七瀬…手で涙拭いてる姿が俺には、痛々しくて見てられない。俺まで泣きそうになる。


そうだよな…ポジティブになった。

はい終わりーって…ならんよな。


「やっぱり悪口をポジティブに捉えようと、良い意味で言ってないのはニュアンスで分かるからね。」


普段の俺だったら見てるだけだったろう。でもきっと慰めたいって感情のせいだ。


俺はそっと彼女を胸に抱き寄せてしまった。けれど嫌だろうと、離れようとすると彼女がありがとう、そう言われて離れるのを辞めた。


七瀬はいつも強がって明るく振る舞ってるけど、本当は心の優しい、繊細な子なんだ。普通に傷つく。友達も慕ってる筈だけど、一部にこんな裏切られる事書かれたら…辛いよな。


俺は自分の事の様に、涙がとめどなく流れた。



「神崎君、いつまで私の事抱きしめてるのかな?」


「ごめん、弱みに漬け込んで。」



「別にそう言うわけじゃなくて、私と噂になるの不味いんじゃない? 誰かに見られたらまずいかなって。」


彼女の言葉に一瞬誰か見てないかと、周りを見回した…五味拓也と目が合った…嫌な奴に見られた。


でもそんなの今は、どうでも良かった。



「こんな時にそんなこと考えなくて良いよ。バカだな。」


思わず彼女の頭を撫でていた。イマジナリー妹に…撫でるように。



「泣いてる…私の為に。本当優しいね、もぅ〜ばか。」


甘い声で叱られた。それが心地良かったのは、彼女があまりに可愛い天使のようだったからだ。



「はは、2人してバカって言い合いしてる。」


俺と七瀬はグラウンドのベンチに腰掛けた。


「ねぇ、神崎君。今日だけ甘えて良いかな?」


「ふぅ。今日だけじゃなくていつでも甘えろよ。」



「なぁに? イケメンじゃん。じゃあ甘える。」

そう言って七瀬が俺の肩に寄りかかる。


「私ってそんな風に思われてたのかな?」


「嫉妬だろ。七瀬が可愛いくてモテるから、思われてるんじゃなくて、その…やっかみというか、出る杭は打たれる的な批判というかさ。」



「ありがとう。神崎君らしい慰め方だね。少し元気出た。」


俺は七瀬の肩に手をやり、肩を叩いて、自分の側に寄せた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ