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授業と遅刻

「とりあえず手紙を届けることはできましたよクリスさん」

「私がちゃんと確認すべきなんだろうけど時間もなかったしあなたの言葉を信じるわ」

この学校の授業中の席は自由なのでクリスさんの隣に座って報告を行う

「「………………」」

黙々と授業を受ける。クリスさんと私は先ほど友達になったが話す話題というのはパっと思いつくことがない。それも当然だろう私と彼女ではそもそも身分が違うのだ。


そのため私と彼女の共通点など無きに等しく取り付く島もないそれよりも

(お昼の後の授業って眠くなりますね、中の人も学生だった時ってあるんですか?)

(あった。よく寝ていたから授業は終了直前に起きて板書してた)

(私のことバカとかアホとかいう割には結構な極悪人ですね!?)

(極悪人ってなんだ!別に先生から怒られなかったし問題なかったからな!)

(それ知ってますよもはや諦められてるパターンじゃないですか!)

(俺のことはいいんですーほら授業受けろよ。成績が下がってセンパイに怒られても知らんぞ)

先輩のことを出されると私が弱いことを知っている中の人が指摘してくる

(あ、伝え忘れてました身分違いの友達が出来たときの話題ってどんなのがあると思います?考えといてください)

(え、そんなのしr)

よしこれで次の休み時間には話題が出てくることだろう。中の人の言う通り眠くても真面目に授業を受けよう。さて今どこをやってるんだ……


とりあえず隣に座ってるクリスさんに聞いてみるか

「すいません今教科書の何ページをやってるんですか?」

「え?8ページよ」

素直に教えてくれた。なんか意外だ

「ザンカちゃん場所がわからないなら一緒に教科書見よっか?」

そういって反対側にはいつのまにかクレアさんが座っていた

「あれクレアさんいつの間に?」

「ずっと一緒だったよ?」

にっこりと笑う彼女が嘘をつくわけがないので私が気づかなかっただけですね

結局クレアさんに教科書を見せてもらうことで授業を受けた。今日の授業はこの国の歴史だ。

この前借りた本では神様がこの大地を作り魔王が魔物を作った聖女はそれを神の試練と受け止め人々は一丸となった。そんな始まり方だったはずだ。

授業ではその後はなんやかんやで魔王を討伐したものの魔物が世界から消えることはなく動物の一種として認められた。過去の偉人たちはすごい……zzz



「ねえ、起きなさい」

「はっ」

肩が揺さぶられて目を覚ます。あたりを見回すとクリスさんn含めみなさん次の授業のために移動する準備をしていた。

「あ、ありがとうございます」

とりあえずお礼を述べる

「あなたが寝過ごして出席確認のために授業が遅れるのが嫌なだけだから気にしなくていいわ」

「う、ごめんなさい……」

恥ずかしさと申し訳なさで顔が熱くなる。誰にも見られたくないのでうつむいて教科書で顔を隠す。

「というか私よりあなたのお友達が起こすべきなんじゃないの?」

「ク、クレアさんのことは悪く思わないでください。寝てしまった私が全面的に悪いので……」

「反省できるならいいわ。次から気を付けなさい」

そういってすでにまとめいたのであろう荷物を持っていってしまった。

「ザンカちゃんあの人は?」

普段から微笑みがまぶしいクレアさんの顔がなんとなく陰りが見えるのは気のせいだろうか?

「えっと、さっきちょっと色々ありまして友達になったクリスさんですね」

「色々?」

先輩のお許しが出ているので私の眼のことについては話しても問題ないのだろうがクレアさんには嫌われたくないので黙っておくことにしよう。

「ええ、色々です」

「それって私に話しちゃダメなこと?」

少し悲しそうな表情をみせるクレアさんもかわいいと思う。しかし私は理性でその言葉を飲み込むどこぞの中の人とは違うのだ。

「ダメ……じゃないんですけど私の個人的理由で黙秘させていただきます」

「そうなんだ……」

「あ、あのクレアさん?そろそろ移動しないと遅刻しちゃいますし行きましょう!」

荷物をまとめよう机の上を見るとすでに片付いていた。心の中で感謝を述べるクレアさんありがとうございます。

左手側には荷物を右手はクレアさんの腕を掴み教室を出て廊下を駆ける。次は外で魔法の訓練のはずなので運動場に出ないといけない。

「ザンカちゃんま、まって……」

振り返るとクレアさんが息を切らして足が止まっている。8割くらいの速度で走ったのだが速すぎたようだ。彼女を遅刻させるわけにもいかないので一つの案を思いつく

「クレアさん失礼しますね」

かわいらしい小さな悲鳴が漏れるが気にしない。彼女の足を左手でもちあげ右手で彼女の頭と首のバランスを受け持つ。この運び方なら階段の1段飛ばしをしたところで振動が彼女に負担になることはないだろう。


靴を履き替え運動場に到着するのと授業開始の予鈴がなるのは同時だった。

「セーフ!なんとか間に合いましたね!」

ずっと抱えていたクレアさんをゆっくり下ろす

「なるべく揺れないようには頑張ったんですけど大丈夫でしたか?」

「う、うん大丈夫だよ」

そう返事クレアさんは走ったわけでもないのに顔が真っ赤になっている

「顔真っ赤じゃないですか!全然大丈夫じゃありませんよ!」

目を閉じおでことおでこをくっつけ彼女の熱を測ってみるがそれほど……熱くない?ぶっちゃけどのくらいが高熱の部類になるのか肌感覚ではわからない。あれなんか急に熱くなってきた?

目を開けるとクレアさんはふらふらとして今にも倒れそうになっていた

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