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同室と夕飯

おはようございます。起きました、ザンカです。今私は女子寮の目の前にいます。というかお外暗いどんだけ眠ってたの私……

私が寝ている間は、中の人が表に出ている。その時に見聞きした情報本人から口頭で伝えられているのだが、伝達不足になったことはないので中の人の情報処理能力は大したものだと思う。まあエリートの私ほどではないが。今回だと私が図書館で眠ってしまった後私が読んでた本を借りてこの寮にきたらしい。あと途中でクレアさんにあってあたりさわりのない会話をしたと。寝てしまった私が悪いのだがクレアさんとお話するの羨ましい


そんなことはさておき、女子寮!女子寮ですよ!今までは一人部屋だったのが今日から二人部屋!隣室は誰なんですかね?どんな子と暮らすんでしょうか?明るい子かな、楽しい子かな?どんな子でも友達になりたいですね!だって騎士団にいると女性の方は全然いなかったですしね……

考えながら私の部屋の前までくる。入学前に送られてきた手紙によればここのはずだ。

落ち着け私、さっきも中の人の言ってた通りはじめの印象は大事だ。私は一度深呼吸をしドアを開ける。

「こんにちは!」

「あ、はいこんばんは」

やらかしたもう夜だからこんばんはだ。字余り?何を言ってるんですか……というか目の前におられるのは

「あれ?ザンカちゃん、奇遇だね!まさか一緒の部屋になるなんて」

クレアさんだやったー!

「クレアさん!まさか一緒のお部屋なんて私は幸運です!」

「ザンカちゃん……なんか夕方会ったときと雰囲気違うね」

「そうですか?私は普段からこんな感じですよぉあはは!」

「そ、そうなんだ……」

クレアさんが若干引いてないか?これも中の人が私のモノマネが下手だからだ、おのれ中の人

「そ、そういえばクレアさんもう寮の中って見て回りましたか?」

「ううん、まだだけど今日は入学式とか色々あったからもうこのままご飯食べて寝ようと思ってるよ」

「あ、そうなんですね。じゃあ明日とか一緒にしましょう!」

「そうだね。明日やろっか」

よしクレアさんとの予定ができた!そこで私のお腹がぐぅ~となる

「ザンカちゃん……お腹減った?」

「えっと……お恥ずかしながら……クレアさんとの予定が出来たことが嬉しくて安心したらお腹が……」

「私なんかと予定を作るのにそんな畏まる必要ないよー」

「いえいえクレアさんあなたには畏まる必要ありますよ!先輩じゃなくても誰だって畏まりたくなりますよ!」

「先輩って?」

「あ、この学校にいる先輩ですよ」

「あれ、ザンカちゃんって平民だよね。どうして先輩がいるの?」

「えっと騎士団にいたときの先輩で皇子の護衛として先に特例入学してて」

「え!?ザンカちゃん騎士団なの!?」

「ええ、皇子直属の護衛の騎士ザンカです。私のふるまいでもう騎士だと気づかれていると思ってたんですけどクレアさんの反応を見るに気づいてなかったっぽいですね」

私騎士だと思われてなかったの……?ちょっとへこむ。あ、中の人は慰めてもいいんですよ

「あはは……私は騎士様と会ったことないからわからなかっただけだよ。見る人が見ればわかるんじゃないかな」

「そ、そうですよね私のふるまいが騎士っぽくないとかそんなわけないですよね」

「…………うん大丈夫だよ」

クレアさんを困らせるなそして騎士っぽくないって?う、うるさいですね……

「えっと……気を取り直してご飯食べに行きましょうか!ここの食堂元々貴族の方々にふるまわれるはずの料理なのできっとおいしいはずですよ!」

「そうだね。私も楽しみ!」


食堂に向かうと

それはそれは見事な険悪なムードが出来ていた

「なぜわたくしたちが平民同じ空間で食事をしなければなりませんの?納得できませんわ!」

「テーブルマナーなんて知らなそうな野蛮人と一緒に食事なんて品位にかけますわ!」

そういった声が私たちの耳に飛び込んできた

「えっと……はい」

平民のっぽい子たちはご令嬢方の高圧的な態度に委縮してしまってる何を言われてもはいと言ってしまいそうな危うさだ

泣きそうな子もいる、これはダメだ。

「クレアさん私に巻き込まれないようにちょっと離れててください」

「ザンカちゃん何をするつもり?」

困惑するクレアさんを横目に私は二つのグループの間に割って入る

「ちょっと言い過ぎじゃありませんかご令嬢方」

「な、なんなんですのあなた」

「私は皇子の護衛騎士のザンカと申します。本来ならご令嬢方と言葉を交わす身分ではありませんが学園の中ということでどうかご容赦を」

片膝をつき先輩から習った通りの挨拶を行う

「まぁあなたのような小さい騎士も存在するのね。騎士団もついにマスコットを導入したのかしら」

令嬢の一人がこちらの身長をからかってくるが怒りはそこに使うな

「今年からの制度変更によりご令嬢方が困惑するのも無理はないかと、しかしここは学園、現生徒会長のレオ皇子の決定により平民たちも一定の能力が認められれば入学が許可されています。そう彼女らもご令嬢方同様この国の未来を担う存在なのです。聡明なご令嬢方なら、どうかこの国の未来のためにも今すぐに仲よくとは願いません、今はご一緒の空間にいてもよいと思っていただきたいのです」

食堂が静まりかえる

私の言いたいことは言えた。しかし後で先輩に怒られるかもしれないと思うと背中に冷や汗が出てくる

そう考えていると口を開いたのは周囲のご令嬢から一目置かれている方だ

「ええ、そうね。皇子が決めたことだもの私もそれを否定するつもりはないわ。ザンカさん?だったかしら、あなたの言う通りまずこの寮の中では貴族と平民の身分で区分けせず同じ空間にいることを許しましょう」

「ありがとうございます」

私は深々と頭を下げる。彼女の鶴の一声が効いたのかとりあえずそれ以降平民差別の言葉は投げかけられなかった。

私個人としてはせっかくのクレアさんと食事できると思ったのだが、目立ちすぎたため他の人に迷惑をかけないよう一人でご飯を食べるハメにはなった。でも料理は美味しかった


部屋に戻るとクレアさんが先に帰ってた

「ザンカちゃんすごいかっこよかったよ!」

「あ、ありがとうございます……」

クレアさんの笑顔がまぶしい

「私なんてお貴族様にあんなこと言われたらそのまま従って帰ってご飯食べれなかったもん。今日の夕飯はザンカちゃんのおかげだね!」

「私なんかがクレアさんの食事を助けることが出来たのなら感謝の極みですよ。でも今日は疲れたのでもう寝ますね……」

流れるように私は最低限のマットレスしかないベッド倒れこんだ

「あ、おやすみー」

「おやすみなさい……」


「ザンカちゃん本当にかっこよかったなー」

クレアがそういって寝ているザンカに近づく

「お礼になるかはわからないけど……」

寝ているザンカの頬に唇を近づける

軽いリップ音

「あああ!何やってるんだろう私!寝るね!おやすみ!」

そうしてクレアはしっかりとメイキングされたベッドに飛び込む


そんな一部始終というか全部見てしまったというか体験してしまった中の人です。ザンカが寝てしまったので自動的に切り替わって俺も寝るかと思ってたのだが、何が起きてる?()()()()()()()()()()()()()()()()()()。え?もしかして恋愛フラグがザンカに立ってるのか?俺という存在がいるせいでやっぱ何かバグってるのか?

ザンカは鈍感だ。自分以外の他の人間同士の感情が見えるせいで自分に対しての感情も察しがいいと思いこんでる。この二人が結ばれることがあるのだろうか……


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