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羽根崎 杏奈

高層ビルが立ち並ぶ中にひっそりと建てられた築年数の経った外観の古い四階建てのビルが目的地だ。


中へ入るとリフォーム済みなのか、外見とは打って変わって綺麗な造りをしていた。


「訪問予約をしていた廿楽です。羽根崎主任はいらっしゃいますでしょうか?」


「お伺いしております。四階へどうぞ。」


受付嬢の案内に従い四階へと向かうエレベーターへ乗り込む。


四階へ辿り着くとそのまま一室が丸ごとオフィスなのか目の前に白衣を着た20代後半ほどの女性が書類と睨めっこをしていた。


「やぁ、お客人。申し訳ないね…少し立て込んでいてね。もう少しで一段落着くからそこのソファに掛けててくれ。柴田君、お茶の用意を。」


「はい、直ちに。」


早口でそう告げると書類に視線を戻し、何事かを紙に書き付け二~三分ほどで女性は俺の前へと立った。


「いやー、申し訳ない。直近の研究発表の論文がごたついていてね…私が羽根崎 杏奈だ。初めまして、天道 廻理君。美守くんも久々だねぇ。」


「ご無沙汰してます、杏奈さん。」


「いえ、構いませんよ。改めて天道 廻理です、本日はお招き頂きありがとう御座います。それで俺…私に協力して欲しい内容とは?」


「いつも通りの言葉遣いで構わないよ。君は華族…貴き血の者なのだからへりくだるのもおかしいだろう。私はこんな偉そうな口調だが生憎畏まるのは苦手でねぇ…申し訳ないが私はこのまま話させて貰うよ?」


「分かりました、俺はそれで大丈夫ですよ。」


「絵に描いた様な爽やかな少年だねぇ…うんうん、物語の登場人物でも見ているかのような錯覚に陥るよ。…君くらいの年齢の子はなんと言うか皆俯きがちでぼそぼそと喋るから取っ付きにくくてねぇ…あぁ、長話が癖でね。本題についてだったね。今日は顔合わせのつもりでお呼び立てしたが、実は君の異能力を分析させて欲しいんだよ。例の動画あるだろう?普通の人には有り得ない事ばかりで研究職の者は頭を抱えていてね…常人の二倍の能力だよ?こんなに心踊るモルモ…げふんげふん…否、研究対象は居ないだろう?」


この人モルモットって言い掛けたよな?そんなに俺の異能は常人離れしているのだろうか?配信、早まったかな…


まぁ今更悔やんでも仕方ないか、と過去の行いに目をそらしつつ話に相槌を打った。


「なるほど…理由は分かりました。ですが俺が協力するとしてどの様な報酬が貰えるのでしょうか?」


「うーん…それが一番困っている部分なんだよ。私達異能研の人間を抱き放題…なんてのは駄目だろうか?」


「んなッ?!」


「ちょっ…!杏奈さん、それは…!」


「ほら、ここって職員二十名くらいの小さな所だけど可愛い系から綺麗系まで選り取り見取りだよ?」


「うっ…」


草臥れた白衣の下にある豊満なたわわ二房を寄せて見せる羽根崎さんに俺は少したじろぐ。


いや、青少年としては反応して当然なのだろうけど俺は飽くまで紳士を貫きたい。


そっと悪魔のような魅力的なたわわから視線を反らした。

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