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異能研究所

翌日。今日は廿楽先輩と約束の日である。


今日から日課の運動を軽くだが再開して昼前に東京駅へとたどり着いた。


時計を確認すると11時45分、廿楽先輩との約束は12時に近くのコーヒーショップで、との事だが少し早く着いてしまった。

が既に先輩は既に待っていたらしい。


黒のハイネックシャツにダークグレーのパンツにジャケット、薄青い髪を高めに結って大人の女性を演出している。


垂れる髪を掻きあげて分厚い本を読みつつコーヒーを飲む姿は学園で見た制服とは打って変わって目新しい。


「先輩、お待たせしました。その服装、とても似合ってますね!」


「いえ、たまたま早く来てしまっただけよ?少し早いから昼食も食べましょ?」


「じゃあ俺はコーヒーとナポリタンを。先輩はどうしますか?」


「私はドリアにしようかな。ナポリタンと悩んだんだけど、良かったらシェアしないかい?」


「良いですね、あ!すみませーん!」


店員を呼ぶと注文を頼む。


こういうのはこのあべこべな世界では女性がリードするものらしいが俺には元の世界での感覚と男としての(プライド)がある。


ハイネたんにもリードしろと念押しされたし、最初から俺もそのつもりだった。


食事が届くと食べさせ合いなどの先輩のからかいを照れつつもそつなくこなしたつもりだ。


具体的な一部始終としては以下の通りである。


「天道君はからかい甲斐がないなぁ」


「あまりいじめないで下さいね?」


「あはは、冗談だよぉ!」


などと頬をつつかれたりと、他愛ない会話を弾ませつつ昼食を済ませた。


食休みを挟み、今日の目的地である異能研究所へと足を進める。


「これから会う人ってどんな方なんですか?」


「うーんと…母の大学時代の後輩でね。名は羽根崎 杏奈という人だ。何かと私や母の世話を焼いてくれているんだ。でも根っからの研究者でね、話がとても長い…覚悟はしておいて欲しいかな?」


「話が長い…?まぁ、それくらいなら別に構いませんよ俺は。」


先輩の申し訳なさそうな顔の意味にこの時の俺は気付いていなかった。

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