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ウエポンマスター【ヴォルフガンプ】

数件回って時計を確認、お昼時なので高級志向なファミリーレストランへと入店する。


個室もあるということなので席に座るとメニューを開き適当にハンバーグセットを注文することにした。


「なぁ、カイリぃ?女の子は定期的に甘いものを補給せなアカン生き物なんや。だからこのデラックスフルーツスペシャルパフェってぇの頼んでええ?」


お値段三千円のフルーツバカ盛りのパフェを指差して猫撫で声で俺に聞いてくるハイネたん。うん、可愛い。


「良いぞ、その代わりちゃんと御飯を食べること。残さないこと。アカリの前でだらしない姿は見せるなよ?」


「分かっとるわ!カイリ大好きやで!…あ、今のは乗りと勢いで言うただけやから!他意はないで?」


「はいはい、ご馳走さま。お兄ちゃん、あたしも清奈も決まったよ?アカリちゃんは…悩んでるみたいね」


「うー…どれがおいし?」


「俺に任せとけ。お子様ランチで良いだろ。んじゃ注文するぞー」


QRを読み込み、それぞれの商品を注文。


単品の唐揚げとシーザーサラダも追加した。


少し肉が過多な気もするが、今日くらいは良いだろう。


ハイネたんはシーフードのトマトパスタとパフェ、天羅はドリアとティラミスケーキ、清奈はMサイズピザとフライドチキンとチーズケーキ…いや、清奈頼みすぎだろ…まぁ種族的に大食漢だから仕方ないんだが。


コーラとオレンジジュースなども頼み、満足の行く食事を済ませ、食休みをしてからお会計。


桜子母上の系列の店だから割引が効いて良かった…


ファミリーレストランを出て雑貨や小物を買い足し、最後に玩具屋に寄る。


アカリに大きな熊のぬいぐるみを買ってやり帰路に着こうとした、その時。


大音量の警戒アラートが喧たましく鳴り響く。


場内のスピーカー、そしてポケットの中のホロフォも同様だ。


「ハイネ、みんなを頼む!」


「…カイリ、またなん?!」


「お兄ちゃん!行っちゃ嫌だよぉ…!」


「坊ちゃま、無謀にございます。どうか撤退を…」


「すまない、皆。「ぱーぱ、がんばえー」おう、行ってくるぜ!」


ハイネにアカリを任せると俺は外へと駆け出した。


こんな時に侵攻かよ…クソッ!


ホロフォのエリア情報を確認する…チッ、南側かよ!


南を向くとあちこちで破砕音や煙が上がっている。


空からもヴィラルドの大群が押し寄せてくる。


「〈変身〉ッ!モード:飛燕!間に合えッ!」


ぐんぐんとスピードを上げる俺の目の前に逃げ遅れた親子連れが。


〈変身〉を解き、再度〈変身〉。



レックスに姿を変えると迫り来る瓦礫を左手の尾で砕き、飛んで来た色欲級(下から二番目)を右手の頭で噛み付き来た方向へ投げつけた。


「ここは危険だ。中央を渡り北側へ!急げ!」


「た、助けてくれて有り難うございます。さっ、行くぞ!」


「こっちです!さぁ、気を付けて!」


警備員らしき人達が先導してくれたからあの親子は大丈夫だ。


さて…沸いてるのは色欲、暴食の下位ばかりだし一掃しようか。


変身を解く。

深呼吸をしてから一拍…

集中すると最強の英雄を頭に思い浮かべる。


アルテマは対個で最強だ。


だが、多くの敵に囲まれると窮地に陥る。


しかし彼には仲間がいる。


その仲間と手を組みあらゆる窮地を潜り抜けた。


しかしアルテマは一度だけ敗北している。


仲間を庇い怪我を負った。


幾度となくアルテマの行く道を阻み、時には敵対し時には手を組んだライバル。


その名は…


ーーーーーウエポンマスター・ヴォルガンプ。


対多ならば最強を誇る彼の姿をイメージする。


勇ましく、豪快で、傍若無人…

いや字で表すならば…暴虐武人の方が正しいか。


あらゆる武器を使いこなし、敵を殲滅する最強の英雄であり、かつてはアルテマと死闘を繰り広げた英傑。


「〈変身〉:モード・ヴォルガンプ!!サテライトマシンガンッ!!」


技名を叫ぶ。


羞恥なんて関係ねえ。


今はこの場所にいる命を一人でも多く救うために形振り構ってられねえ!


機械の鎧に身を包んだ漆黒の軍人姿。


レーダーサイトには214の文字…


すなわち敵の数が映っている。


天から降り注ぐ高質量のビームがマシンガンの如くヴィラルドを塵へと変えていく。


ヴォルガンプが敵と定めた者にしか効果のない高質量の光は敵を焼き瓦礫を消滅させた。


不意打ち…?


背中から何かを投げつけられ俺はその場に倒れる。


ちらと視界に映った投げつけた張本人…


強欲級の蛇と亀と鳥を足して割って醜悪にした様な姿のヴィラルドは此方を嘲笑っている。


「はぁはぁ…てめぇか…!クソが!だが残りはてめぇのみだぁ…!つぅッ…」


変身が解け掛けている。


全身が軋み、脳に多大なダメージが負荷としてのしかかり身体中の穴という穴から血が噴き出す。


目も霞みはじめる。


それでも…倒れたくない…


倒れちゃ、だめなんーー


「もういい。良くやったな、坊主。後はあたし等に任せな!」


突然背中から掛けられた声。


プリンカラーのロングヘアを流した特効服に身を包んだヤンキー風の女性だった。


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