キェェェアァァア、シャベッター!
102層、これまた崖地帯でワイバーンは3メートル級が混ざってきている。
15分位で階段を見つけた。
宝箱も二つゲット。
103層は3メートルがメインかな?
それ以上の大きさの奴も何体か居るな。
意外と近場に階段が有ったのでさっさと掛け降りる。
3分程でクリア。
この時点で姉さんに勝ったか。
まぁ感慨に耽るのは後にしよう。
『初挑戦、最高到達階層の更新を確認しました。称号〔終わりなき挑戦〕 〔タイムアタッカー〕を獲得しました。』
うお…!なんだなんだ?
称号か…
じゃあこの2つは姉さんが持っていたものなのかな?
その辺の考察も後にしようか。
104層、ありゃ…モンスターハウスか。
唯一の救いは雑魚ばっかりなので殲滅が楽な所だが…アカリのレベル上げも兼ねて戦ってみるか。
「アカリ。少し戦闘してみるか?俺がやっても良いけどアカリの実力も見たいからな。どうする?」
「うー?…やうー!」
キェェェアァァア、シャベッター!
奥さん見ました?ウチの子天才では?
多分急成長ってスキルの恩恵なんだろうな…
だが突然しゃべるのは心臓に悪い。
まぁ見た目的には喋って問題ない年頃だしな、少し落ち着こう。
杖を握りやる気満々なアカリを見て笑みを溢す。
「よしよし、それじゃやるか。危なくなったら俺が助けに入るから好きに戦ってみろ。」
「うあーうー」
アカリの手に持つ賢者の大杖が輝き出す。
木の根が蠢き出しモンスターの足を絡め取り拘束していく。
「うー…あうあいわー!」
気合い入魂、詠唱(?)をしたアカリは数多の岩塊を飛ばしモンスター達の数を磨り減らしていく。
「おぉー!凄いぞアカリ!その調子だ!」
「あいー!うー…あいあいあー!」
デレッとした顔をしたかと思うと俺に良いところを見せたいのか、別の魔法を…
ふぁッ?!ちょいちょい…待て!
こんな閉鎖空間で爆発魔法とか洒落にならんって!
止めさせるには遅すぎる。しゃあない!
「〈変身〉モード:守護騎士・ギルバート!」
飛燕を解除し、慌てて新たな姿へと変わる。
それは鎧を纏った動く城塞だ。
大楯を二枚構えどのような攻撃からも守ると決めたモノを守る。
二メートルを超す恵まれた巨躯に穏やかな性格。
復讐とは無縁の純朴な青年、ギルバート。
不動…その言葉は彼を表す為に有るのではないだろうか。
家族を失い、友を失い、恋人を失い…しかし彼は何度でも立ち上がる。
鋼の意思で。
心に燻る熱き火種は誰にも消しえない。
「ガードオーダー・鉄心!!からの、破城!」
アカリを背に隠し爆発から守る。
クッ…思ったより爆発が強い。
更に身体を欠損させながらも群がるモンスターの群れを盾で殴り前へ進む。
爆発が収まると同時にモンスターの数はかなり数を減らしていた。
「アカリ、狭いところで爆発はダメだ。分かるな?」
「めんちゃいー…」
「ん、分かったならそれで良い。よし、残りの奴らさっさと片付けるぞ?」
「あいー!」
怒られたと思ったのか、落ち込むアカリの頭を優しく撫でると、もっともっと、と言う具合に頭を手に擦り付けてる。
愛でたい所だが、今は戦闘中だ。
アカリのほっぺを軽くつまみモンスターに向き直させるとアカリも戦闘中なのに気付いて魔法詠唱を始めた。
それほど時間も掛からず殲滅を終えるとドロップ品の山と宝箱が現れる。
中身を確認しないでバッグに詰め込み階段を降りた。
「おっ!転移陣だ。待てよ…俺がここから出たらアカリはどうなるんだ?」
メニューを開き、ヘルプを読んでみる。
うーん…従者についての記載はない…か。
「アカリ、俺は帰るけど大丈夫か?連れて行ってやりたいが…どう作用するのか分からない。もし一緒に帰れないなら明日も来るから待っててくれるか?」
「いっしょ、いくのー!」
一緒に行くの?
今言葉を話したよね?
レベルが上がったからか?
言語能力が明らかに成長している。
原因はそれしか見付からないよな。
本人が着いて来たいと言うならそうするべきだな。本人の意思を尊重しよう。
「分かった!俺もこんな危険な場所にアカリを置いて行きたくないしな。じゃあ一緒にこれに乗ってみよう。いいか?せーの!」
『帰還しますか?はい/いいえ』
はい を選択する。
『従者を連れて行きますか?はい/いいえ』
お、選択出来そうだな。
はい を押してっと。
「ぱーぱ、いっしょいくぅー!」
光が収まるとマイワーの入口にいた。
アカリも一緒だ、アカリを信じて良かった。
俺いつの間にか未婚の子持ちになったわ…
けど、皆にどう説明するかねぇ…そこが困りどころだ。
リザルト
到達階層 105層
所要時間 9:28:38
累計戦闘回数 47回
初回到達ランキング 1位
通算到達ランキング 584位
総合評価 SSS
次回施設利用時ランダムで報酬を獲得
またのご利用をお待ちしております




