アカリの能力
息も整いアカリがきゃいきゃいと俺の足にしがみつき嬉しそうにしている。
だが全裸なので喜べないな…外で同じ状況なら俺確実にタイーホだぞ?
「よし、アカリ!行くぞ、目指せ104階層だ!」
「……うー」
まだ言葉を発せないのか呻き声の様な声で喉を震わせ肯定した。
裸では可哀相だったので途中でドロップした靴とマントに着替えさせた。
「ん、どうした?杖が欲しいのか?」
手慰みに投げて遊んでいた杖を見てアカリがうーうーと声を上げている。
あの森の賢者からドロップした杖だ。
それをアカリに手渡すと、うーうー言いながら魔法を発動して岩を操ってそれに乗り移動し始めた。
「凄いな!魔法が使えるのか!」
俺が抱えようかと思ったが、その心配は無用だった様だ。
「アカリ、少し速度を上げるけど着いて来れるか?」
「うー?うっうー!」
どうやら大丈夫な様だ。
ならばクアンタブルで〈身体強化〉を掛けてーー
「アカリ…?お前もしかして〈身体強化〉が使えるのか?岩じゃなくて自分で走ってるし…ハハッ、スゴいなアカリ!」
「ムフー!」
どうやら俺の驚きっぷりに満足したらしくない胸を張り、どや顔をしてご満悦の様だ。
しかしスゴいな…あ、もしかして…!
ステータス欄を開く。
ベガ レベル85
攻擊124 (+120)
防御101 (+200)
攻魔154 (+148)
防魔119 (+122)
敏捷166 (+ 96)
幸運165 (+ 72)
直感147 (+ 84)
獲得点 58342
装備枠 武器 右手〈大鬼乃籠手〉左手(大鬼乃籠手)
防具 頭〈赤竜兜〉身体〈赤竜鎧〉腕〈青獅子腕甲〉脚〈青獅子脚甲〉
装飾品 頭〈レッドピアス 防御 攻魔上昇〉首〈魔獅子のブローチ〉腕〈空き〉手指〈ロータスリング 防魔 幸運上昇〉足首〈空き〉背中〈流離い人の拡張背嚢 分類 マジックバック〉
スキル 竜乃咆哮 威圧 獲物察知 空間把握 強打撃
称号 無慈悲なる殺戮者 超感覚者 100層を超えし者 幸運の持ち主 迷宮主の加護
従者 古代森人幼体 アカリ▽
アカリの項目が点滅しているのをタップすると詳細が記載されている。
やっぱり見れる様になってたか!
名前 アカリ LV 1
種族 古代森人 (幼体)
攻撃 0 (+ 57)
防御 0(+120)
攻魔200 (+ 20)
防魔200 (+ 86)
敏捷 2(+152)
幸運 99 (+ 2)
直感 99 (+ 4)
装備枠 武器 右手(賢者の大杖) 左手(賢者の大杖) 頭(空き) 身体(飛竜のマント) 腕(空き) 足(スレイプニルの翼靴)
装飾品 頭〈空き〉首〈魔狼の首飾り 効果ステータス微増〉腕〈空き〉手指〈従者の指輪〉足首〈空き〉背中〈ミッミー君の拡張型背嚢 マジックバッグ〉
スキル 古代魔法 模倣 恩寵授与 異言語理解 急成長
んー、俺の身体強化を使って見せたのはこの模倣ってスキルか?
恩寵授与と異言語理解は灰色になっていて内容も見れないし、今は使えない状態なのかも知れない。
っと、結構時間を使ってしまった!今が19時34分か…既に門限は過ぎているが…まぁ、許してくれるはずだ。急ごう..20時には帰りたいしな。
101層…二メートルくらいのワイバーンがうようよしてる崖地帯のエリアだ。
少し遠目にもう少し大きめのワイバーンが居るな。
とりあえず飛燕に変身して駆け抜けよう。
「〈変身〉モード:飛燕!隠遁影走り。」
おー、こんな風になってるのか。
俺の視界には青い矢印と赤い矢印が見える。
赤は危険、青は安全な影で、影を伝い移動できるらしい。
アカリを抱き抱えて影走りで移動を始める。
突然女に代わったのを見て目を白黒させたり、生えた胸部装甲に埋もれて息苦しそうにしてるのを見て、すまんと謝り息がしやすいようにお姫様抱っこに切り替えた。
なんか胸をつつかれて遊ばれてるけどまぁ、いいか。
飛燕の能力にこりゃ楽だ…と思いながら進んでいく。
ーーっと、黄色い矢印が見える。
これは…おっ、宝箱じゃん。開けよう!
ぱんぱかぱぁーん
ってBGMを頭で想像しながら開けると中には金銀財宝…が有れば良かったんだけど、中身はボロい紙切れと薄汚れた外套だった。
取り敢えずマジックバッグに仕舞いーの、移動を続ける。
お、階段発見。
飛燕の能力凄く便利だわ、このままどんどん進んでいこう。




