従魔
『ミーミッミッミ!呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!バテバテなチミにスペシャルなお知らせミミよ!大・大・大チャーンスなんだミミよぉ!偉業を成し遂げたそこのチミィ!そのボタンを押してルーレットを止めるミミ!』
お、なんだ?ミッミー君がコミカルな動きをしてその後ろに大きな円形の板が回転している。
偉業?俺何かしちゃいましたー?とかお約束は置いといて…と。
ルーレットってこれの事か?言われた通りにボタンを押すとルーレットが止まり出す。
ん?〔従者の獲得〕だってさ。
あ、他には最高級武器とか防具、年パスなんかも含まれている。
まぁ、どれも俺には必要ないか。
天道家が5%の株を持ってるし年パスはさっき購入手続きしたしね。
〈変身〉がある俺には武器や防具の類いは必要ない。
『ミーミッミッミ!中々の幸運の持ち主ミミね!それじゃこの本の中から好きな従者を選ぶミミ!』
相変わらずコミカルな動きをしているが要はその本を見ろってか?
全く関係ない話だが[み]が多すぎない?
まぁ良いか。
どれどれ、パラパラと捲っていくとスライムやゴブリン、オーク、ラビット、ウルフ等が書かれている。
段々強くなっていくみたいでオーガとかベビードラゴンなんかが後ろの方に載っていた。
一番最後のページは…?
おろ?ランダム召喚と来たか。
ふむふむ…選択して選んだ従者より始めは弱いが成長スピードが早いらしい。
なら一択だな!
「ミッミー君、このランダム召喚で頼む!」
『ミミ?本当にそれで良いミミ?チミ、面白いミミねぇ…!分かったミミ!ランダム召喚、開始!』
本が紫に光り出す。
幾何学模様が折り重なりやがて形を象っていく。
ん、人型か?にしては小さい様な…
光が収まり、目を開けるとそれは白い少女だった。
見た目は六歳くらいか?
肌も髪も白く、目だけは黄金に輝いている。
というかさっき倒したエルフに似ている様な…
『ミーミッミッミ!!これは面白いミミ!なんとボスの幼体を引き当てるとはミミねぇ!名前を付けてあげたらそれでおしまいミミよ!それじゃミーは帰るミミ!』
ボフン、と音を立てミッミー君は帰っていった。
エルフの少女は俺を見上げている。
ボスの幼体…やっぱりさっきのエルフなのか。
成長したらあんな感じになるんだろう。
さて…名前か。
白い…ホワイト。シロ…は安直か。
うーむ悩むな、俺ネーミングセンスとか無いからなぁ。
そういや光の玉を浮かべて攻撃してきたな。
俺の従者になるんだから半端な名前は嫌だな。
彼女が可哀想だ。
あんな悲しい目をして欲しく無いな。優しく健やかに育って欲しい。
未来を灯す光…灯りか。よし!
「そうだな…ヒカリ…もしくはアカリってのはどうだ?ーーおっ、気に入ったか!お前は今日からアカリだ!」
「ううー!」
アカリの部分で目をキラキラさせて激しく頷いていたのでアカリに決定した。




