みんな大好き、ミミックランド!
はい、おはようございます。
そういや俺、今さらだけど中学行ってないんだよね。
というか行く必要がないというか、国から行かないで良いという保障を貰っている立場というか。
男女比1:5の世界だ、中学なんかに行ったら思春期真っ盛りな女子どもに剥かれて悲惨な目に遭う…
実際過去にそんな例があったようで法律を改正、男子は小学校を卒業してから中学卒業の15歳までの三年間は自宅での学習が推奨されている。
たまにネジの外れた蛮勇の持主が中学に入学したりするけど人が変わったように震えて引きこもるような奴が大半だ。
多分今の俺なら普通に通えるんだろうけど今更通うのも違うっしょ。
ってことで、今日は特訓に行こうと思う。
何処にって?
そう、皆大好き!ミミックランドさ!
「ほえー!カイリ、ミミラン行くん?ウチも連れてってーな!なぁ?」
「遊びに行くんじゃない。特訓だぞ?」
「せやかてウチもミッミーに会いたいわー!」
「だってマイワー行くんだぜ?単騎駆けのベリハーだぞ?そもそも戦闘力ないハイネには厳しいよ?」
「むぅ…分かった。お土産を所望する。それで諦めるぅ…」
何の話かというと…
この世界には異世界と繋がる門がある。
そしてこっちの文化に染まった異世界人の成功者がアミューズメントパークを設立した。
それがミミックランド、通称ミミラン。
ミッミーくんはそこのマスコットでミミックに手足胴体をデフォルメしたコミカルな動きをするキモカワ系のマスコットだ。
ハイネたんはなぜかミッミーがお気に入りらしくグッズを集めているが俺には良さが分からん。話が逸れた。
ミミランには様々な施設がありマイワー…
イッツマインワールドという施設が俺の目当てだ。
そこは何を隠そう、異世界産のダンジョンなのである。
イージー→ノーマル→ハード→ベリーハード→ルナティック→ケイオスの順で難易度が有り、シングル、ペア、トリオ、パーティと人数制限も選べるのだ。
パーティの最大は六人、もちろん四人五人でも入れるが難易度は一定、最高到達率は地下103階層、何階層まで有るのかは誰も知らず未だに攻略者はいない。
「んじゃ、ちょっくら行ってくるな!お土産期待しとけよ?」
「……分かったわ、待っとる…!」
最近ハイネたんが幼児化しているのが少し気になるが俺が甘やかしすぎているのだろうか?
けど根はしっかりしてるし、あれでアメリカの有名大学飛び級で卒業してるしなぁ。
思うけど俺の回りってハイスペック超人が多すぎないか?まぁ頼もしいけどさ。
さて、行きますか!
「へい、タクシー!」
空に向かって手を掲げるとドローンタクシー、通称ドロタクが空から降りてくる。
意外と科学も進歩しているこの世界での一般的な移動手段の一つだ。
バイクのように跨がり行き先を伝えるとAIがルートを作成、最短で目的地まで送ってくれる。
いやー便利だなー。
問題なのは向かい風だが、そこは魔法と科学の合わせ技、風の障壁を刻まれた魔晶石がバリアを張ってくれる優れものである。
「トウチャクハ20分ヲ予定シテマス。」
「おう、頼むぜ!」
いやー快適だ。
さて、ミミランについて少し調べておくか。
ほへー、新しいアトラクションが次の春に出来るのか…!
今度はうちの姉弟プラス平原三姉妹で行こう。
前衛の姉さんと清奈。
中衛の俺と麗愛さん、後衛の天羅と灰猫、うん!
中々均整が取れてるかもしれない。
というか姉さんがソロの一日到達記録保持者ってマジか?
ソロ・ベリハの情報が乗ったページを確認してるとプロヒロイックになる高校卒業後に十時間で103層まで到達したと書かれている。
あ、これあまり見てるとネタバレになるから止めとこ。必要な情報だけ確認しよ。
それからおすすめのグッズは…ーーー
「ゴ利用アリガトウゴザイマシタ。」
「よっしゃ、行くかー!」




