天道家の末っ子
灰猫たんのお説教の為玄関で土下座しているドアがガチャリと音を鳴らし勢い良く開いた。
「たっだいまー!皆のアイドル天才美少女天羅ちゃんが帰ってきましたよぉー♪バカ兄貴、記憶は失くしてもこの可愛い妹の事は忘れてないよね?どうせ身内からしか貰えないだろうからこの妹様がバレンタインの義理チョコをしんぜよう…咽び泣け…クックック…その見返りに我を甘やかせぇ…って、どういう状況?」
「清柰、現時刻を持って無事にフランスからの帰還を果たし、これにて任務完了。以降次の任務に当たるまで待機状態とします。……流音お嬢様、廻理坊っちゃま、麗愛御姉様、灰猫御姉様、ご無沙汰しておりますぅ!」
「うぉぉおおー!天羅ちゃん、清奈、お帰りぃー!早かったねぇ!少し背伸びた?とりあえずお兄ちゃんを助けてぇ!」
救世主来たぁー!
銀に近い金髪にぱっちりお目目、通った鼻筋にあどけなさと色っぽさを兼ね備えたハイブリッドエンジェル!
我が妹様、天羅様のご帰還だー!
写真では見ていたけど、少し大人っぽくなってるな。
この体は感動の再会だ、俺は初めましてだけどな…さあハグをしよう。
「ハゲが…ウザい汗臭いキモい力強い…死んで…!」
おぅふ…いい拳持ってやがるぜ…
俺のライフは0だ…
クッ、我が妹様ながら圧倒的に戦闘力が強い…!
これが…妹力ってやつなのか?
そして俺は力尽きて気を失った。
「やっば、良いの入ったかも?!お兄ちゃん?お兄ちゃーん!!」
「ハァハァ…誰か…お水…を…!死ぬ…笑い死ぬ…!」
「良いもの撮れたわー!」
「流音様、早急にお持ちしますね。麗愛御姉様、ケーキをしまって参ります。」
「カイリ…ねぇ、カイリー!どうなってるのー?!」




