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涙のサプライズ

さて…まだ大仕事が残ってるぞぉ…!


今日は灰猫たんの誕生日だァ!!


プレゼント忘れたなんて言ったら灰猫たんぷんすかだろうな…


あっぶねぇ!

出る前に夕食は何とかかんとかって言ってたけど半分寝てて覚えてなかった…流石にぶち転がされる…


危ない危ない。



ただいまァ!っと。灰猫たんとオカン(桜子マンマ)と時々オカン(天音マッマ)が出迎えてくれる。


「只今戻りました。早速報告ですが、此度の受験、無事合格を学園長直々に賜りました。四月から桜峰に通えます。」


「おぉ…良かったね、カイリ!」


「よく頑張りました、カイリおめでとう。これからも精進なさい。」


「はい、桜子母上、天音母上。」


天音マッマは忙しいのかスタスタと執務室の方へ行ってしまう。


桜子マンマは俺の頭を軽く撫でるとその場を後にした。


「灰猫、ただいま。」


「お帰りなさいませ、カイリ様。合格のほど心よりお喜び申し上げます!」


「ありがとう!ハハッ、二人だし言葉遣い気にしないでいいよ。それと…渡したい物がある。受け取って…くれるかな?」


「え?何々…?ちょッまさか、覚えててくれたん…?」


「そのまさか、だ。誕生日おめでとう!うん、間に合わせで用意したけどよく似合いそうだ!着けてくれるか?」


俺が用意したのは貝殻に羽のレリーフが刻まれた首飾り。


少しお高い奴だけど灰猫には世話になってるし、これくらい良いよな?


「ちょ…待って…うち、こんなん貰えるなんて思っとらんかったわ…ヤバい…嬉しすぎて泣きそう…泣いたわ…カイリの女たらし…一つわがまま…言ってええ?」


女たらしって…まさか、な?


俺は紳士なだけだ…よな?

今日だけで男子二件女子二件の連絡先増えたけど…

うん、多分大丈夫。


もーまんたいってやつだ!


「おう、何でも言ってくれ!お姫様?」


「これ…着けてくれへん?」


「お任せあれ、だ。ーーーうん、思った通り似合ってるぞ!」


「カイリぃ…!あんがとなァ…うち、絶対今日の事忘れへん…!大事にするわ…!」


「おう、喜んでくれて何よりだ。さて…そろそろ帰ってくるか?」


「ほへ?」


『ただいまー!ハイネー!ハイネはどこー?私の可愛いハイネはー?!』


「おっ!ベストタイミングだ!行こう灰猫!」


「ちょ…うち、顔ボロボロなんやけ…ってうわぁッ!」


灰猫たんの手を取り部屋から飛び出す。


階段を降りて玄関にいる姉さんと麗愛さんの手には誕生日ケーキがあった。


「ハイネ、誕生日おめでとう!カイ君!ナイス機転だぞ!サプライズ成功だな!」


灰猫たんは訳が分からないのか子供のように泣きながら笑うと言う珍妙な姿を晒している。


可愛いなァ、灰猫たん。


よしよし、頭撫でたろ。


「アァ…助かったよ、姉さん!電車移動じゃ流石にケーキをぶつけかねないし。」


「麗愛が車通勤していて良かったよ。お陰で高級ブランドのチョコレートケーキと老舗のショートケーキを買えた!」


「チョコの方は私が後で灰猫と食べようと元々予約していた分だけどね?まぁ、廻理君も男を上げたねぇ?今日だけで連絡先四件増えたじゃん、やったね!友達増えるよ!」


「うぇぇえー?ちょ、どうしてそんなこと麗愛さんが知ってるんだよ!?ハッ!?違うんだ灰猫、話を聞いてくれーーゴファッ!」


盛大に顔面にクリーンヒットした正拳突き…この者、やりおる…!


あ…ふざけてる余裕ないわ…!


「カイリ、ホロフォ出して?」


「それは流石に…」


勘弁してくだせぇ…必殺、土下座を発動だ!


「良い!から!早く!」


「アハハハハ!もう、カイ君てば…私を笑わせ殺す…つもり…?息…出来…ない!」


ねぇ、麗愛さん。


その無言でこっちに向けて構えているホロフォは何ですかねぇ?

思い出作りですか…?そうですか。



俺の死刑執行は避けられないようだ…辛い。


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