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拉致された青蘭

長恭が出仕して学堂を去った十月、青蘭はこころにぽっかり穴が開いたような思いで学堂に通っていた。そんな時、宦官に呼び止められた。


  ★ 長恭のいない学堂 ★


『論語』の講義が終わって、学士たちが一斉に立ち上がった。

 青蘭は何気なく隣の席を見てしまった。

 いつも師兄が座っていた席には、だれもいない。そうだ、師兄が学堂を離れて七日になる。青蘭は溜息をつきながら、書冊を閉じると筆硯を嚢にしまった。

 仕官すれば会えなくなるのは分かっていた。しかし、五、六日に一度は休みが取れると言っていたので、学堂に訪ねてくるのではないかと思っていたのだ。

 講義の予習も復習も、これからは一人でやらなければならない。青蘭は書庫に向かった。


 書庫に入った青蘭は、無意識に書架の辺りを見渡してしまう。やっぱりいない。青蘭は書見台に座り込むと、頬杖を付いて先ほどの講義を思い出した。

『朝に道を聞きて、夕べに死すとも可なり』

『徳は孤ならず。必ず隣あり』

 朝に正しい真実の道を聞けたら、その晩に死んでもいいのだ。孔子はそう説いているが、自分は長恭の顔を数日見られないだけで、学問の道に挫折しそうだ。徳ある者には、必ず寄り添ってくれる者が現れると孔子は言っているが、私が傍に欲しいのは師兄の言葉や温かさなのだ。

 学問に専心してきたつもりだったが、あれは師兄の傍に居たいだけだったのか。

 官吏はおよそ五日に一度、休みを取れると聞いた。しかし、師兄からは、未だに一度も連絡が無い。会いたいと思っているのは、自分だけなのか。

 師兄は、散騎侍郎という新しい道に進んでいる。散騎侍郎は、前途洋々の清官(出世する官職)である。祖母から前途を嘱望されている師兄にとって、学堂での弟弟子など、気に掛ける価値もなくなったのだろうか。

 『去る者は、日々に疎し』学堂を離れれば、徐々に関わりが無くなっていくことは予測していたことだ。しかし、連絡もくれないなんて・・・。その気になれば、何か手立てがあるなず。青蘭は開いていた『論語』の書冊を閉じた。

 

 顔氏邸の、垂花門をくぐった青蘭は、内院を振り返った。長恭の姿がない内院には、すでに冬の風が吹き渡っている。

『師兄のいない学堂は、寒々しい』

 青蘭は溜息をつくと、きびすを返して歩き出した。

 大街には、寒さの中でも露店が立ち、野菜や焼餅、飴などを売っている。以前は学堂の帰りに、二人で冷やかしたものだった。露店からの客引きの声をやり過ごした青蘭は、足早に家路を急いだ。


 鄭家に戻った青蘭は、居所に入ると榻に倒れ込んだ。

 疲れた。今までは、講義が終わると書庫で記録をまとめるのが常であった。長恭が記録を確認して、解説をしてくれたのである。しかし、これからは師兄にたよれない。

 自分一人になっても、立派に学問ができると思っていた。しかし、この喪失感は何であろう。長恭に認められたくて学問をしてきたわけでもないのに、あまりにも空しい。

 その日のうちに、講義の内容をまとめなければ・・・。青蘭は、挫けそうな心を励まして書冊を開き、『論語』の解説を思い出しながら余白に書き込んだ。師兄、やっぱり会いたい。


 青蘭は鏡の前に立つと、縹色の外衣を脱いだ。

 入門して以来、男装に慣れるように屋敷内でも男子の格好で通してきた。思えば長恭に女子である事を知られているのだから、本当は必要ないのだ。しかし、男装の方が何かと便利なので、通している。

 青蘭は腰の白玉の玉佩を取ると、鏡台の上に置いた。

『一生お前を放さない』

そう言って長恭はこの玉佩を贈ってくれた。しかし、手簡さえない。男子の心変わりは世の常だ。玉佩を贈ったときは本気でも、六部の官吏になって立場が変われば、私の事など忘れてしまうのも当然なのかも知れない。

 縹色の長衣を脱ぐと、首筋に小さい赤い痣のようなものが見える。虫に刺されたのだろうか。青蘭は鏡に近づけると、触ってみた。白い首筋に紅梅の花弁が張り付いたようだ。

 青蘭は、小首をかしげると杏色の長衣をまとった。


★ 拉致された青蘭 ★


 学堂の帰り、青蘭は大街を南に向かった。東の市にある紙舗(紙問屋)で料紙を買うためである。

 大街を歩いていると、青蘭の横に音もなく馬車が止まった。派手ではないが、黒漆に金線を施した上品な馬車である。

 青蘭が気にせず馬車の傍を通り過ぎようとすると、紫色の宦官の服を着た男が、静々と近付いてきた。

「王文叔様でいらっしゃいますか?」

 皺のない中性的な容貌と慇懃な所作が、青蘭に無言の威圧を感じさせる。青蘭は、無言で頷いた。

「皇太后がお呼びです」

 重陽節の時に、皇太后からの命を伝えに来た宦官だ。

「皇太后様が、私を?」

 のっぺりとした表情からは、何も読み取れない。そう言えば、謁見したときに、また来るようにとの皇太后の言葉があった。


 青蘭は、促されて馬車に乗った。

 馬車の中は、四方に鳳凰の彫刻がほどこされ、藍色の絹が張られている。見たこともないぐらいの上等な馬車だ。

『師兄は皇宮で執務中のはず、皇太后様は、何の用で私を呼んだのか』

 そう思い始めると、悪い想像しかしない。

 馬車は金明門から入り、直接、宣訓宮の前で止まった。


   ★ 皇太后の謁見 ★


 馬車を降り宣訓宮の門をくぐると、閑散とした前庭に入った。重陽節では華やかに菊花が飾られていた庭が、今はただ石畳があるだけだ。東を見ると、長恭の居所である清輝閣が赤い窓を見せている。

 宦官のあとに従い、青蘭は正殿に入った。堂には入ると皇太后を直視することはできない。礼に従って、青蘭は皇太后の前に進むと跪いて拝礼した。

「王文叔が、皇太后さまにご挨拶申し上げます」

 婁氏の刺すような視線を感じる。やや間があって、怜悧な声が響いた。

「立つがよい」

 立ち上がった青蘭は、目を伏せて皇太后の言葉を待った。身分の違いを考えれば、話しかけることはできない。

「顔之推門下では、粛と共に学問をしたとか、どのようなものを学んできた」

 皇太后は、顔之推門下での学問について知りたいのだろうか。

「はい、『論語』『荀子』『史記』などを学んでおります」

 青蘭は、皇太后でも知っているであろう書物の名前を述べようとすると、いきなり皇太后の言葉が青蘭を遮った。

「顔之推は、男子をたぶらかす術を教えているのか?」

「はっ?」

 青蘭の顔が強ばった。

「長恭に近付くために、男子と偽ったのであろう」

婁氏は憎々しげに、眉を逆立てた。皇太后は、自分が女子である事を知っているのか。

「皇太后様、そのようなことは・・・」

 青蘭は、許しを請うように婁氏の前に膝をついた。

「学問をするために師父の許しを得て男装をしたのです。師兄を騙そうと思ったわけでは・・・」

 青蘭は、婁氏の勘違いを正そうとした。

「嘘を申すな。何で女人が学問をする。曹大家にでもなるつもりか?」

 婁氏は、吐き捨てるように言った。

 この時代、士大夫の令嬢にも読み書きや詩賦の素養は重要視されていた。しかし、男子のように学堂に通い体系的に学問をすることは許されていなかったのである。

「世の理を知り、生きる道しるべを探したいのです。そして、ゆくゆくは民の役にも立ちたいと思っています」

 戦乱の世の中では、女の学者どころか、男子の学者でさえ暮らしの立つ者は少ないのである。

「詭弁を弄するでない。お前が江陵から鄴に来た理由を知らぬと思うてか」

青蘭の肝が、すうっと冷えた。婁氏は全てを知っているのだ。そして、名節を失った女子は愛孫の相手として相応しくないと言っているのだ。

「親の決めた敬徳との縁談から逃げてきた女子など、許せると思うか」

それはまさに、死刑の宣告だった。青蘭は力なく床に座り込んだ。


「誰かある」

 婁皇太后の声で、二人の大柄な宦官が現われた。

「そなたは、男子と偽り長恭に近付きその心を奪おうとした。許しがたきことだ」

 憎々しげに唇を歪めながら、婁氏は宦官に言い放った。

「同じく学問をする者として、師兄を尊敬しています。皇太后の言うような関係では・・」

「この期に及んで、関係が無いと?・・・この者を、浣衣局に連れていけ」

 浣衣局という言葉を聞いて、青蘭は縮み上がった。

「皇太后様、・・ご、誤解でございます」

 浣衣局は、掖庭の中でも最も過酷な使役の場である。もしそこに送られたら、一生出られないとの噂もある。

「皇太后様、お許しを」

 青蘭は、何度も叫んだが、宦官の力には抗うことができない。青蘭は無情にも殿舎の外に引きずられて行った。



  ★  浣衣局の空  ★


浣衣局は、後宮の妃嬪や侍女たちの衣装や布類の洗濯や修繕をする部署である。水を使った洗濯は過酷であるため、下級の奴卑や罪人の家族が入れられることが多く、決して出られぬ刑罰の場所であった。

 浣衣局は、宮城の北西の一番奥まったところにある。ゆえに、許されて出るのはもちろん、一度入ったら逃亡するのも難しいのである。


 気が付くと、青蘭は浣衣局の宿舎の寝台に一人残されていた。宮女の寝台は、大きな台に何人も並んで雑魚寝をするのである。

 手元には、外出の時に持っていた筆硯と数冊の書冊、わずかの銀子などの包みしかなかった。寝台に座った青蘭は、腰帯に下げていた玉佩をさぐった。

「師兄からもらった玉佩がない」

青蘭は嚢の中を探した。こんな所に送られて、師兄の玉佩までなくしてしまうなんて・・・。

 皇太后の怒りを買って、こんなところに閉じ込められてしまった。自分がここにいることは、母親だけでなく、長恭でさえも知らないのだ。

 皇太后の怒りを思うと、一生出られないかも知れない。自分の人生はここで尽きるのか。


 その時だ、入り口の扉が開き、年嵩の痩せた女が現われた。細い目をした宮女は、男子の衣を着た青蘭をじろじろ眺めると、宮女の衣を置いた。

「あんたが、王青蘭かい?今まで何をしていたかしらないが、浣衣局に入ったからには同じ奴卑なんだ。さっさと働くんだ。まず、この衣に着替えるんだ。すぐに仕事だ。分からないことは、この子に訊きな」

 年嵩の宮女は早口で言うと、若い宮女を残して出ていった。戦場にあっても、常に傍には仕える者がいた王琳の娘である私が、奴卑として働くというのか。


「私は、恵児。となりの寝台よ」

 恵児と名のる小柄の宮女は、丸顔に可愛い鼻の愛嬌のある少女である。

皇宮の厳しさは知っている。浣衣局に入れられたからには、むやみに反抗しても仕方が無い。まず、様子を探らなければ。

「私は、王青蘭と申す。・・・何も分からぬゆえ、いろいろと教えて欲しい」

 青蘭は、寝台から降りると男子の様に拱手してから、慌てて女人の礼をした。

「鄴には、男装をしている女人も多いわ。お姉さんもそう?」

「学問をしてるのだ。それで男装を・・・でも、それが悪かったらしい」

 青蘭は、囊を物入れの箱に仕舞った。

「たのむ、着替えを手伝ってくれ」

 青蘭は、恵児に手伝わせて宮女の衣に着替えた。女人にしては背丈のある青蘭には、宮女の衣はやや丈足らずであった。

 相輪の宮女の髷を結い、造花を付けるとまるで少年のような宮女ができあがった。


 浣衣局の各所を見て回り、最後に食堂に行くと、すでに食事が始まっていた。

「新しく入った王青蘭だ」

 新入りの青蘭は、浣衣局の宮女頭の馮昌児により、全員に紹介された。粥と野菜の煮物だけの貧しい夕食を、奪い合うように食べるので、青蘭はほぼ夕食を食べ損なったのだ。


 身体を清め、寝台に横になった。寝台とは名ばかりで、長い台の上に布団が置かれ、そこで雑魚寝をするのである。

 目を瞑ると宣訓宮でのことが思い出される。

『皇太后は、男装して師兄と親しくなった私を憎んでいる。だから、一番過酷な浣衣局送りにした。そうなれば、師兄にはもちろん、鄭家にも知らせないはず。ここに居ることは誰も知らないのだわ』

 同じ皇宮に居ながら、長恭との隔たりは、さながら前漢の李陵と蘇武のようである。

「青蘭さんは、何でここに?」

 横に寝ている恵児が訊いてきた。

「そうね。・・・皇族を謀った罪よ」

「えっ?それは謀反の罪よ。それでよく命があったわね」

 恵児は、おどろいて青蘭の方に寝返りを打った。近くで見ると、その整った面差しは、決して卑しい出自ではないことが分かる。斉では、多くの名族が罪に落されている。

「すべては誤解なのだ。それなのに怒りを買ってしまった」

本当のことを言えば、好奇心の的になる。

「上には逆らわないことだわ。特に昌児さんは厳しいから気を付けて」

 宮女頭の昌児にさからわない。青蘭は、恵児から聞いた言葉を、何度も呟きながら眠りについた。


 次の日から、浣衣局の厳しい仕事が始まった。

 十月はすでに冬である。凍り付くような水に洗濯物を浸し、洗濯棒で叩きながら洗っていると、手が切れるように痛い。

 南朝では、長沙から江陵へと戦塵をくぐって生活してきた。しかし、王将軍の息女として厨房の手伝いをすることはあっても、洗濯などの下働きをすることは決してなかった。

 鄭家においても、賈主の一人娘として、多くの従人にかしづかれ、家事と言えば贈物の菓子を作る程度であったのだ。

 指に息を吹きかけながら、洗濯物をもみ洗いすると指先の皮膚が悲鳴を上げた。

 突然、頭の上から、衣が何枚も降ってくる。二人の宮女が青蘭の桶に、衣を入れたのだ。

「あら、手が滑ったわ」

 先輩宮女には何も言えない。青蘭は、笑いながら逃げて行く二人を睨んだ。

『新人虐めだ』

 これが、人に仕えること。罰を受けることなのか。 

『師兄に会いたい』

 目を瞑ると、自分に笑いかける長恭の笑顔が浮かんでくる。自然に瞳が潤んでくるのを止めようがなかった。


      ★ 罪に落とされて ★ 


 浣衣局もしだいに、乾いた寒い風が吹く季節になった。

 青蘭は、洗濯を終えた重い桶を抱え、物干し場に行った。白い衣を広げて綱に掛けて干す。ささくれ立った指先が、衣に掛って痛い、思わず、指先を押さえて温かい息を吹きかけた。

 その時だ、洗い場で言い争う声が聞こえた。何の騒ぎだ。青蘭は、桶を抱えて洗い場に行ってみた。

「麗児、何を、生意気言ってるのよ」

 青蘭のところに、衣を落していった宮女の蕓児である。

「何で、他人に自分の衣を押しつけるのよ」

 麗児と呼ばれた宮女は、臆すことなく二人に喰って掛かった。

「新入りのくせに、生意気なんだよ」

 もう一人の宮女茜児が、背中を突くと麗児はよろけて木にぶつかった。茜児が、麗児の頬を叩こうとしたとき、青蘭がすばやく、その腕を捉えた。

「茜児さん、もういいでしょう」

 嫌気を阻まれた茜児は、もう一方の手を青蘭に振り下ろそうとした。青蘭が、その手をかわすと茜児は、前のめりに転びそうになった。

「新入りのくせに、お前もやられたいのか」

 先日の新入り虐めを、甘受していると思った青蘭が急に反抗してきたので、今度は、青蘭に怒りをぶつけてきたのだ。

「止めてくださいと言っているのです」

 青蘭は、できるだけ穏便に収めたいと思いながら、打ち掛かってくる蕓児の腕を思わずねじり上げてしまっていた。正義感と陣中で叩き込まれた武術が、自然に青蘭の身体を動かしてしまったのだ。


 気が付いたときには、青蘭が二人の手をねじり上げている側で昌児が睨んで立っていた。

「青蘭、来た早々もめ事を起こすとはいい度胸ね」

「棒打ち十回」

 青蘭と麗児に罰が言い渡された。

「なぜ、私が棒打ちに」

 青蘭が抗ったが、長い台が運ばれた。青蘭と麗児がうつぶせにされた。

 左右から衛吏が棒を振降した。バシッという鈍い音と共に、腰に激痛が走った。痛みに身体が震え、青蘭は歯を食いしばった。

『これは、下忠だ』

青蘭は、『荀子』の臣道篇の文言を思い出した。

『是を以って非を諫めてこれを怒らすは下忠なり』

 青蘭の身体が痺れ、意識が朦朧とし十回目が振り下ろされたときには、気を失ってしまっていた。


 気が付くと青蘭は、寝台にうつ伏せになって臥せっていた。身体を動かそうとすると、背中全体に激痛が走った。

「ううっ」

 痛さで、青蘭の唇からうめき声がもれた。

『なぜ、こんなことをされなければならないのだ』

 自分の人生を取り戻したくて、江陵から逃げてきた。学問を志し長恭が好きになった。ただそれだけなのに、なぜ罰せられなければならないのだ。自分が受けた理不尽な仕打ちに、青蘭は心底腹が立った。

 青蘭は、王将軍の息女として大切に育てられてきた。父母から、厳しく叱責されることはあっても、身体的な懲罰を受けることはなかった。下忠であると思いながら、痛みと屈辱感で、自然に涙が溢れてきた。

「青蘭さん、気が付いたの?・・・まあ、こんなに腫れて・・・」

 恵児が、下着をめくり薬の瓶を振り傷薬をつけてくれる。薬が尻の傷にしみて激痛が走り、口から悲鳴が漏れた。

「あ、ありがとう。・・・恵児。・・・青蘭と呼んでくれ」

 青蘭は痛みの中で絞り出すように言葉を発した。

「青蘭、昌児に逆らっちゃだめと言ったでしょう?」

「あの二人が理不尽だから、・・・我慢できなくて」

 ここでは、正義より従順であることが重要なのだ。青蘭は、自分のちっぽけな正義感を後悔した。

「でも、青蘭は麗児様を守ってくれたのよね。お礼を言うわ。・・・りっぱだわ」

 恵児と麗児は、本来主従の関係であるらしい。

「休んでいて、食事を持ってくるわ」

 恵児は、青蘭の衾(上掛け)を掛けると、食堂に出て行った。



皇宮の掖庭である浣衣局に入れられた青蘭は、他の宮女たちのひどい虐めにあってしまう。青蘭はどの様に脱出を図るのだろう。

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