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12 倒れなければいいんです


 目的地には、テデダスの街を出て一時間ほどで着いた。結構歩かされたなっ!


「ここが……ダンジョン?」


 俺の眼前に広がってる景色は、小さな集落のように見えた。

 と言っても建物は結構ちゃんとしてて、ミニチュアタウンと表現した方がしっくりくるかもしれない。


「そうよ。まぁダンジョン自体の出入り口はもっと先にあるんだけど」


「ダンジョンの外は全部こうなの?」


「そうね、基本的にダンジョンは国が管理してるから、不便にならないようある程度生活できるようになってたりするの。大きいダンジョンだとホントに街ぐらいの規模になってたりするわ」


 へー、結構厳重に管理されてんだなー。


「じゃあ早速行きましょうか」


「そうだな、でも俺もう結構足パンパンだからあんまり派手に動くことはできないぞ」


「何よ、男なのにだらしないわね。まぁ朝と夕方に一便ずつバスが出てるから、帰りはそれに乗れると思うわ」


 そんなの出てるのかよ、朝に行っときゃこうはならなかったのか。


「とういかビリムは意外と体力あるんだな」


 文句一つ言わずに歩いてるところを見ると、見た目の割にスタミナはあるのかもしれない。


「私も……だいぶきつい」


 と思ったがよく見ると軽く息切れしていた。


「うそだろ、俺が言うのもなんだけどこれくらいで」


「私は荷物を持ってる。つまりハンデがある」


 確かにビリムは少し大きめのリュックを背負っている。登山する時ぐらいでかいリュックだ。


「ビリムは戦わないから、ポーターの役割も果たして貰ってるのよ」


「なるほどな」


 かっこよく言ってるけど、言い換えればただの荷物持ちだよな……やることないから荷物持たされてるだけだろ。


「私がいなければ荷物持ちがいなくなって困る。だから私がパーティーの縁の下の力持ちになってあげている」


「ものは言い様だなぁ……」


「それにビリムは回復要員だから、いくら疲れたとしてもギリギリ付いてきて貰えさえすれば問題ないの」


「そういうこと」


「楽な仕事だな!」


 どういう風にこれまでやってこれたのかますます疑念が深まった。

 でも俺も場合によっては荷物持ち候補にノミネートされる可能性もあるよな……口笛吹いとこうっと。






「あそこが入り口よ」


 集落を歩き、そんなに掛からず本命のダンジョンに到着した。

 途中何人か歩いてる人も見た。武装してたから冒険者だったりするのか?


「ふーん……これがダンジョン」


 なんたが工事現場っぽい感じだ。

 トンネルのようにポッカリ穴が空いていて、その横に関所のような建物がある。

 パッと見はダンジョンと言われても分からないな……まぁでも岩の色とかが所々青だったり紫だったりするから、ちょっと変わってる風ではあるのかな。


「ああ? 中に入りてーのか?」


 関所で手続きしないといけないらしいので寄ると、中には足を机の上でで組んだ粗暴な感じの男がいた。

 一応制服は着てるので管理を任されてる人なのだろう。


「そうです、これをお願いします」


「はぁ、だりぃなぁ。しかし姉ちゃん美人だねぇ、テーナちゃんだっけ。どう? この後俺と遊ばない? なんなら今からでも」


「申し訳ありませんがお断りします」


 テーナは慣れた様子で断っていた。


「ちっ、いいぜ、行けよ冒険者」


 許可証を渡し終え、テーナたちが進み始めたので、俺も後に続く。


「はぁ、しんどいわ……毎回言ってくるのよあいつ」


 聞こえないくらいになった所でテーナが悪態を付いた。


「男は節操のない野獣ばっか」


「そこまでは言わないけど……国から派遣されてる役員だからぞんざいに扱えないし」


「でもそこがいいんでしょ?」


「どういうこと?」


 二人はつらつらと会話を繰り広げていた。入りづらい話題だなぁ……




 洞窟の中は暗いかと思ったらそうでもなかった。

 壁に当たる部分が光って、ライトのような役割を果たしてくれているのだ。


「あの、まだ魔物は出ないのか?」


 二人は迷いなく歩いているようだが、いきなり襲われたりはしないのだろうか。


「ああ、魔物が出るのは一層目からよ。ここはゼロ層目でもう少し進んだ先に一層目への入り口があるの」


「へー、なるほど」


 大丈夫だった。


「それじゃあ今回の目的を決めときましょうか。一応今回はお試しってことで、一層目か、いったとしても二層目くらいの魔物を倒して回るイメージなんだけどそれでいい?」


「別にいいとは思う。この男が役立たずだった場合のケアはしないといけない。二人を守りながらだとテーナもキツい」


 良いように言ってくれるなぁ。

 まぁでも場合によっては普通に死ぬ可能性だってあるんだろうし、気は引き締めてかないとダメだよな。


「まだハルタには言ってなかったと思うけど、現状私たちはこのダンジョンの制覇を目的としてるの」


「一番下まで降りたいってことだよな、でも何のために?」


「勿論お宝目当てよ。ダンジョンの最終エリアには大抵いいお宝が眠ってるってのが通説なの」


「へぇ、でもそれだったらこのダンジョンである理由になってなくないか?」


 気になっていたところだった。

 こんなダンジョンじゃなくても、どうせならもっと大きいダンジョンの方が達成のしがいがあるんじゃないかと思ったのだ。

 世界八大ダンジョンの攻略を目的としてるとかも言ってたし。


「そこが私たちの作戦ね。まずはこのダンジョンみたいな中級くらいのダンジョンをクリアしていく。そして最終層に眠るレアアイテムをゲットして、どんどんいい装備を手に入れて自分たちを強化していこうってのが今のところの計画ってわけ」


「育成の段階だということ。もちろん個々のスキルアップも忘れずに」


 なるほどなぁ……いいアイテム狙いってことか。世界八大ダンジョンに挑戦するのはもっと強くなってからってことだな。


「意外と考えてるんだな」


「ずっと考えてるわよ。まぁいいわ、ほら、あそこが入り口」


 テーナが指差す先には、落とし穴のような窪みがあった。



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