11 何かを間違えたようだ
いろいろあり、俺はテーナのパーティーに加入することとなった。
そしてとりあえずギルドに戻ってきた。
「じゃあ今のところの予定もないし、試しにダンジョンに行ってみる? ハルタもそれでいいわよね?」
「ああ、別にいいぞ」
とりあえず行ってみないことにはな。
ダンジョンか……初めてだし、なんやかんやで楽しみだな。
「おっけー、じゃあ私たちは宿で旅の準備してくるから、そうね……四十五分後の十時にここで集合でいい?」
「ああ、いいぞ。でも集合ってことだけど、このパーティーってテーナたち二人以外に誰がいるんだ?」
そこを聞いてなかった。
パーティーというくらいだから、まぁ多く見積もっても六人くらいか? それ以上ということは流石にないだろう。
「え? あなたがいるでしょ?」
「……え?」
答えになってない気がして聞き返してしまう。
「え?」
「ど、どういうこと? 俺だけ……? まさかと思うけど、元々君たち二人だけだった……とか? ハハ、ごめんごめん、流石にそんな少人数なわけないよな、俺入れて三人だけとかあるわけ」
「そうだけど?」
うそーん! そ、そんなことある? パーティーとか言うから数人を想像しちゃうよね普通? 二人だけでパーティーとか名乗ってんじゃねえよ、デュオじゃねえか!
「まぁ元々は三人だったんだけど……一人諸事情で休養してて」
テーナは何故か気まずそうに目を逸らした。
「別に成立はしてるから問題ない」
ビリムは強気に言い張っていた。
「どういう構成なんだよこのパーティー……」
「武闘家の私と、神官のビリム」
「……成立してるのか?」
「私が戦闘要員ね。それでビリムがいざという時の回復要員」
「ビリムさんは戦闘にご参加は……?」
「しない。私はヒールの魔法しか撃てない」
「全然使えねーじゃねぇか!」
思わずツッコんでしまった。
よくそんなので偉そうにしてたな。
逆にビックリだわ!
「ビリムがいるかいないかで大分違うわよ。いざという時に回復して貰えないと全滅しちゃうから」
「あんた一人で戦ってるようなものじゃねえか!」
「そんなことないと思うけど……安心感で強気に出れる部分もあるし……」
「そうは言ってもだなぁ」
俺はもしかしたらとんでもないパーティーに入ってしまったのかもしれない。
その後ギルドの中で待つこと、数十分。
ようやく二人が帰ってきた。
待ちくたびれたー。でも結果大丈夫だったがまたあいつらに絡まれないかヒヤヒヤしてたから良かった。
因みに俺は準備という準備などまるでしていない。もし万が一何か必要だったとしても、テーナたちがその場でなんとかしてくれるだろう、と高を括っている。
「受付で許可証を貰いましょう」
どうやらダンジョンに入るのにも手続きが必要らしい。手続きだらけの世の中だ。
「はい、天喰の猫のテデダスのダンジョン入場を受け付けました……それで後ろのお方は……?」
今日受付してくれてるのは、お姉さんタイプの受付嬢だった。
「ハルタも冒険者カードを見せなさい」
「あ、うん」
そういやそんなの貰ってたなと思い出し、ポケットからなんとか取り出したそれを渡す。
「はい、承りました……失礼ながら、テーナさん方三人で向かわれるのですか?」
「ええ、そうよ。それと今日から臨時でこの人もパーティーに加わるから、把握しておいてくれる?」
「ああ、はい……って、えええ! テーナさんたちのパーティーにですか!?」
「そうだけど?」
「Fランクとなってますけど……は、はぁ、とりあえず分かりました……」
なんたが受付嬢の方は凄い驚きようだった。
「昨日のハルタの活躍を知らないのかしらね?」
ギルドの外に出ると、テーナが少し首を傾げていた。
「なんで俺が入るってだけであんな驚かれるんだ?」
「たぶん私たちがBランク冒険者パーティーだから」
俺の疑問にビリムが答えてくれた。
「え? それだけで?」
「まぁBランク冒険者パーティーなんて、この街には私たちしかいないからね」
「え! そうなのか?」
意外すぎる情報だった。
「まぁソロで活動してるらしいBランク冒険者は一人いるらしいけど……」
そういうことか……そりゃこの街からしたら一大ニュースだよな。
「意外とランクアップのしきいって高いんだな」
「それもあるけど、高ランクの冒険者はもっと稼げる場所に行くからってのもあるかしら。他の街とかもそうだし、あるいはこの国以外にも世界は拡がってるから。稼げる場所なんて無数にあるのよ」
そうなんだ……地球同様いろんな国があるんだな。まぁ当たり前かもしれないけど。思えばこの国の名前すら知らないや。
「私たちも元々は別のとこにいたんだけどね」
「でもこれから行くダンジョンも世界八大ダンジョンの一つなんだろ?」
確かそれの攻略を目的としてたはずだ。
「いや違うわよ」
「違うの!?」
てっきりそこの一つに向かうものとばかり……
「それはそうよ、世界八大ダンジョンのうち一つはこの国にもあるけど、それがこんな辺鄙な街の近くにあるわけないじゃない。うーんと、遠くよ」
「じゃあ、なんで目的でもないダンジョンの近くに滞在してるんだ……」
「それはまぁ、そうね、後で教えるわ」
ということになった。
ええ……まぁいいけど。




