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シリウス
エトワール姫は困っている人や弱った動物に迷わず手を差し伸べる心優しいお姫様でした。
「ワウワウ」
「シリウス! ヤケドが治ってよかったわ」
「アフッ!」
「今日森にいきましょうね、あなたのパパとママがきっと探してるわ」
銀色の毛と青い瞳をもつ仔犬のシリウスは天を見上げたかと思うと「アオーン!」とひとつ鳴きました。
するとシリウスは青白く光り輝き、天を駆けていきました。
不思議なこともあるものだと、姫と動物たち、王様と王妃様は空に向かって手を振りました。
「シリウス! 元気でね!」
その夜エトワール姫は、王様から大事な話を聞きました。
この国のお姫様は18才になると結婚すること。
相手にはこの国に伝わる聖剣『流れ星の剣』を抜くことができる心優しい勇敢な者が選ばれること。
エトワール姫は、いつか自分は素敵な王子様と出会うのだと思うと、なんだか心臓が騒がしくなってよく眠れませんでした。




