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出来る事なら、僕はずっとキミの傍に居たかった!

作者: 七瀬




僕の初恋の人は、僕の小学校3年生の時の担任の先生だった、、、!

名前は 『越智 渚』当時、26歳ぐらいだったと思う...。



凄く綺麗な先生で、僕たちに国語を教えてくれていた。

クラスの子達も、みんな越智先生の事が好きだったんだ。


何故なら、、、?

本当に、一人一人生徒の事を親身になって見ていてくれて。

何かあると、、、? 直ぐに相談に乗ってくれたり、その子が家の事で

悩んでいると、家まで尋ねて来てその子の親と先生が話をしてくれたり。

何しろ、一生懸命に生徒と向き合ういい先生だったんだ、、、!



でも僕は、、、。

ませていたのか? 同じぐらいの歳の女の子より年上のこの先生に恋心

を抱いていた。


9歳の男の子が26歳の先生に、恋をするなんてね!


今、考えても、、、?

やっぱり、ませた男の子だなと思うよ。



・・・あれから10年という月日が過ぎていった。

僕もすっかり、越智先生の事を忘れていたのだけど、、、。


あの時、先生は26歳だったから! もういい男性ひとが出来て結婚

でもしているんだろうと思っていたし、、、!


まさか、、、!?

こんな形で、先生とまた会うなんて思っても見なかったよ!





越智先生と出会ったのは、、、?

僕が運転するバイクと先生が運転する車がぶつかったんだ、、、!


僕の方は、信号が青だったけど、、、?

先生の方が信号が赤で、信号無視をした先生の車と僕のバイクが事故に、、、。


被害者と加害者という立場で再会したんだ、、、!


僕は、あばら骨を骨折したのと頭を強く打ったらしく意識がなくなった。


それと、、、?

僕の彼女になったばかりの女の子をバイクの後ろに乗せていていたんだけど

彼女は、この事故で亡くなってしまった...。


僕と彼女は、別々の救急車で運ばれたらしい。



先生も、警察の現場検証でいろいろ根掘り葉掘りと警察官に聞かれて。




その後、、、。

先生は、僕らが運ばれた病院に、、、。


僕は、病院に着く頃には少しずつ意識を取り戻していったんだ、、、!

先生は僕を見るなり、僕に直ぐに駆け寄って来て、こう言ったんだよね!

・・・僕の事を、まったく気づく事なく、、、。


『本当に申し訳ありませんでした! 謝っても許されない事だとは分かって

います! でも本当にすみませんでした。』

『えぇ!? あ.あのう? ひょっとして越智先生じゃないんですか、、、?』

『えぇ!? ・・・あぁ、ははい、そうですけど、、、?』

『僕の事? 憶えてないですか? 小学校3年生の時に先生の担任のクラスの

武井一はじめですよ! 思い出してくれましたか、、、?』

『・・・えぇ! もちろん憶えているわよ! ・・・・・・私はなんて事を

してしまったの、、、? まさか!? 昔の私の教え子に、、、。』

『えぇ!? どういう事なの? 先生、、、?』

『本当に、私は、なんて、大変な、、事を、、、してしまったの、』

『・・・先生?』





この時の僕は、何も聞かされていなかったんだ、、、!

彼女が事故で亡くなった事を、、、。



その後、、、。

僕は、あの事故で彼女が亡くなった事を聞かされて、、、。

複雑な気持ちになったんだ、、、!


僕はどこかで、、、?

先生に、似た女性を探していたのかもしれないと感じたからだ、、、!


そんな時、僕の初恋の先生が僕の目の前に現れて、、、。

僕は彼女を失った悲しみよりも、先生にまた会えた喜びの方が強かった!


僕は病院で、半年ほど入院するだけで済んだんだけど、、、。


僕の彼女のお父さんとお母さん、それに弟は、、、。

先生と裁判する事になったんだ、、、!


そして、先生は刑務所に送られることになった。




僕は病院を退院したその足で、、、。

刑務所にいる先生に面会に行ったんだ、、、!


でも、、、?

先生は、僕と会ってくれようとしなかった...。



先生と会えたのは、、、?

裁判がはじまった日だった...。


被害者席と加害者席で、顔を合わせた時。




・・・僕は、亡くなった彼女の家族には本当に申し訳ないけど、、、。

先生に有利な証言を出来るだけしようと思ていたんだ、、、!


僕もちゃんと、安全確認が出来ていなかったとか、、、。

先生だけが悪い訳じゃないとか、、、?

もう十分に先生は罪を償ったとか、、、?


・・・僕はそんな証言をしたと思う、、、。




当然だけど、、、?

彼女の家族からは、凄く非難された、、、!



それでも僕は、、、先生を守りたかったんだ、、、!

子どもの頃、大きく見えていた先生の背中が凄く小さく弱弱しく見えたから。


【僕が、先生を守ってやらないと、、、!】


この時の僕の頭は、それしか思えなかったんだ、、、!



先生は、素直に自分の非を認めていて、素直にその時の事を話していたよ。



だから、、、。

先生は、10年刑務所に入るだけで済んだんだ、、、!




僕は、裁判が始まる前も終わってからも、先生に会う為に、、、。

刑務所に何度も何度も足を運んで先生の面会に行ったのに......。


先生は、僕の顔を見ると、、、?

あの事故の事を思い出すからと言って、結局一度も僕とは会ってく

れなかった...。



先生が、刑を終えて出て来た時に僕は先生を迎えに行ったんだ、、、!


『先生! 会いたかったよ! やっと出てこれたんだね!』

『・・・武井君、もう私に構わないで! 貴方を見ると、、、? 亡くなった

彼女の事を思い出すの、、、! もう辛いのよ! 私はちゃんと償ったのに!

何故? 私にそんなに付きまとうのよ!』

『・・・先生、そんな言い方? ちょっと、酷くない、、、?』

『・・・ごめんなさい。 でも、私は、、、?』

『先生の言いたい事も分かるよ! でも、あの事故の事を忘れない為にも!

僕の【存在】は先生に必要だと思うんだ、、、!』

『えぇ!?』

『罪は消えないって事だよ先生、、、!』

『・・・・・・』





数日後、、、。

先生は、僕に何も言わずに、、、。

忽然と消えた...。



『出来る事なら、僕はずっとキミの傍に居たかった!』


・・・ただ、それだけなのに...。

 



最後までお読みいただきありがとうございます。

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